表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
広異世界の小さな話  作者: 元田 幸介
75/100

転々転生終わりを決める

 人生に絶望した俺は、負け犬らしく人生を終わらせることにした。


 もしも生まれ変わることができるなら、今度こそ間違えないようしよう。


 俺は心に深く刻みつけ、屋上からダイブした。



 目を覚ますと、知らない天井が見えた。窓ガラスに映った自分の顔を見ると、俺の顔ではなくなっていた。


 しばらくして、見知らぬ男たちが入ってきて、俺が起き上がったことに驚愕した。

 

 どうやら俺は死んだ際、別の人間の体に乗り移ったようだ。


 老けた顔、デブい体……。少し理想とは違うが、「生まれ変わった」ことには間違いない。俺は新たな人生を大切に過ごすことを決意した。


 リハビリを続けていくこと一ヶ月。俺の体は歩けるまで回復した。医者が言うにはもう退院してもいいくらいらしい。


 だが問題があった。俺はこの体の持ち主のことを何も知らなかった。


 見舞いに来るのはむさい男たちばかりで、親らしき者は来たことがない。


 俺から俺のことを訊くのもおかしいので、けっきょく俺は自分の名前が「安藤辰治」というくらいしか分からなかった。


 まあ過去なんてどうでもいい。幸いなことに、安藤辰治は貯金をたんまり持っている。俺はこの金を使って海外に飛び、自由気ままな生活を送ることにした。


 そして、退院当日。出迎えてくれたのはむさい男たち……なのだが、初めて見る顔ばかりだった。


「安藤辰治だな?」


 一番前にいた男が、一枚の紙を俺に見せる。


「――逮捕する」


 明らかにカタギの人間じゃないということは分かっていたが、まさか犯罪者とまでは思わなかった。俺は為す術なく、手錠をかけられた。


 そしてあっという間に取調室。


 そして、安藤辰治が犯した罪を聞き、俺は腹をくくった。


 自ら「負け」を認めるようなことはもうしない。


 だから俺は、今度こそちゃんと「人生」を終わらせることにした。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ