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前の世界で運営者に消されたNPC姉妹が新しい世界で生きて行く  作者: あいか
序章 この世界で妹と再会するまで
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88話 忙しい日々

皆様、いつもありがとうございます。

各話は直接関係が少ないので、かなり省きました。

 アルテアと会話が弾みラキアが戻ってきた事で目的の魔法剣改を見てもらう事をお願いした。ラキアはシャーリーの使う魔法剣が気になっていた事もあり、喜んで引き受けてくれた。この場で直ぐにとは行かない為、魔族領に持ち帰り魔王城の魔力解析を使いたいと言う事で、シャーリーに確認すると短期間ならという話で許可をもらい、ラキアは直ぐに来たばかりだったが、魔王城へ帰ったのだった。


「慌しくてごめんね、ラキアも知らない事の研究になると子どもみたいにはしゃいじゃうから」


 アルテアがそう言うと、私も気をつけようと思った。


 少し気になったのはラキアは魔法剣改を受け取った後、アルテアの原典の一部が使われてると言う言葉に対して、死域の解明ができるかもしれないと口にしていた事、私はその言葉を今まで聞いた事がない、ゲームの世界にも存在しない言葉、もちろん私がこの世界で暮らした間も聞いた事がない言葉だった。


 いつもの私なら気になり聞いていたが、何故か本質的に口から言葉に出せない、まるで禁じられた言葉の様な力を感じた事で内側に止めたが嫌な言葉に思える。死域、言葉通りなら死の領域という事だろうか、異界や特異ダンジョンの深淵とは違う感じがする。文字通りの死という意味なら死者が向かう場所、確かにゲームでは設定として死んだ後の魂が行く先はあった気がするが、あくまで設定だけのはずで実装はされなかった。ゲームに関わる事全てが現実なら等考えてみるが、答え合わせのできない考えは意味も少なく、もっとこの世界の情報を集める必要がありそうに思えた。


 ウキウキのラキアはアルテアに袋を渡していたので、その事を聞いてみると王都で働く魔族の為に携帯食料や魔族領での通貨と王都で使う為の換金用となる宝石が沢山袋に入っていた。その中から少し変わった宝石を取り出すと私に渡してきたのだ。


「えっ!!これは?とても綺麗ですけど…」


「前に約束した物だよ!」


 急に渡された宝石、私はアルテアに聞いてみるもアルテアは微笑み「何か当てて見てよ」と小悪魔の様に意地悪く言うのだ。


 ふむ、アルテアがその気なら…としっかり見てみる事にした。


 中央に黒い欠片が入った半透明の宝石、高そうな物で受け取るのが恐れ多く感じる逸品。アルテアに分からず聞いた所、笑いながら転移結晶だと話すのだ。私の中では勝手に水晶みたいな物と思っていたが、予想と違い分からなかった。魔力眼で見るも魔力が仄かしか感じず、使い方を聞いてみると転移結晶の中心部に魔力を送り、全体に広がった後、魔力を引き出し身体全体に纏う方法で前提として魔力を見ることができないとうまく発動しないと言う事だった。


 更に移動先はアルテアの寝室一択らしく、使う時は予め教えて欲しいと言われた。直ぐは使わないと言うと残念な表情を浮かべながら、念を押す様に使う時は教えてと強く言われたのだ。理由を聞くと、魔族領を案内したいと言う事が半分、もう半分は失敗すると何処に転移するか分からない為、教えてくれるそうだ。失敗すると具体的にどうなるかを恐る恐る聞いてみた所、異界の最果てに飛んだり、地面の中や空高くに出ることやアルテア達が使う転移魔法とは違い、移動する物体を魔力で覆い魔力により分解した上で転移先にて再構成する方法と言う、帰りは行きに使った場所を座標として記憶するらしく同じ場所に構成されるようだ。


「何…それ…魔力に分解って…それ、死ぬの間違いですか?」


「難しい話かもね、ボク達は気にしてないけど、普通の人からすれば異常かな?それでも、裏と表を行き来する方法の中では一番確実かな?ボクは新たに構成される身体も同一と考えてるけど、アニエスちゃんが気にした様に一度死ぬのかもしれないね。興味が湧いてきたから、今度ラキアに調べてもらおうかな♪」


 それを聞いて私は恐ろしく感じ身体を震わせながら涙目になってしまった。先に行う魔力を満たす行為は自身の魔力を覚えさせる為と引き出すのは分解する為で少なかったりすると身体の一部がその場に残ったりすると笑顔で言うのだ。注意を聞かずに使った魔族は魔力を満たせず血液がその場に残ったらしく、それを聞いて震える手でアルテアに返すが受け取ってもらえなかった。


 安全な転移は存在しないと言われ便利な魔法は機嫌が発生するとアルテアは言うのだ。私の知る転移魔法は安全だが、使える場所が限られる。それならアルテア達が使う転移魔法はどうかと聞くが、魔族しか使えない魔法で、悪魔の力を使っているらしく、魔法陣を教えてもらったがアルテアが言う通り、私では使えなかった。転移結晶もその力を一部使い宝石の中に悪魔の角が入っていると教えてくれた。身体の一部のように扱えない事で行き先固定の危険な移動方になっている様だ。


 凄く貴重な物を貰ったが、使いずらい上に怖い、シャーリーも首を横に振り、暫くは次元収納の中にしまう事となった。


 長く感じた魔法剣騒動、私が原因を作ったので仕方がない事だが、その後、お父様に怒られて魔法道具に使う魔石の充填をやらされたり、魔導銃の部品を作ったり、足りない材料を買い付けたりと忙しい日々が過ぎた。その合間にリディアへ渡すぬいぐるみを錬金釜で作り、リディアが留守の間部屋を守る番犬役目のクマぬいぐるみが完成した。魂はもう持ってないので、付与させず、ゴーレムの様に動く様にはしない代わり、探知に長けてリディアの魔力に反応して動作をするようにした。この為と魔導書の警報機能にリディアから魔力が宿る血を分けてもらうのが大変だったのだ。


 痛みを好む者は正直殆ど居ないだろう、私も好んで痛みが発生することは嫌いだからリディアが嫌がったのも理解できる。あの時はリディアが「嫌!痛いの嫌!!」と涙目で言うので、私は罪悪感を感じていた。リディアに魔法を使う時や魔術登録と同じで一滴だけでいいからとお願いして指先から少し貰ったのだ。痛みは損傷から発生する危険信号だから慣れるのは良くない、リディアは痛みとは無縁で過ごしてほしい、しかし、ゲームでもそうだが、魔術や魔法の登録に血を使うことが多く、冒険者組合の登録もその類なので、この世界にも多く存在する。もっと楽にできる方法を作ってもいいかもしれないと思ったのだ。


 そんなこんなで数週間が経過すると、私にとって大変な日がやってきた。


「うう〜眠い…もう少し寝てよう…」


 頭の中では今日は大切な日と分かっているが、この身体で夜まで作業を行うと眠気という状態異常には抗えず、二度寝を行ってしまう。ダメな事とは分かっていても二度寝は半覚醒の感覚から再度寝る事により、凄く気持ちが良く夢という感覚が殆どない私でも睡眠の楽しさを感じる素晴らしい事だ。


「アニエスお嬢様!起きてください!今起きましたよね!!」


 目を閉じた私にシャーリーの声が聞こえると、私の身体を揺すり始めたのだ。


「シャーリーやめて!わかった!わかったから!まだ眠いのに!」


「一度目を覚ました時に身体を伸ばして眠気を取れば良いのです」


 私の扱いが酷くなってる気がする。シャーリーだけではなく、両親も私はまだすくすく育つ途中で睡眠や自由時間が必要なのに殆どない気がする


「ムッとした表情をされてる時は大体、子供だから優しくしてとお考えかと思いますが、これでも優しく大切にしているのですよ?」


「私の考えを読まないでよ…」


「改めまして、おはようございます。本日はリディア様の魔法学園入学式典の日ですので、いつも以上に忙しい日になると思いますので、お部屋に朝食をご用意いたしました」


 私も今更だが、朝の挨拶を行うとベッドから起き上がり、シャーリーが用意した朝食を確認した。最近、王都で簡単に食べれて味を変えれると人気が高いサンドイッチと牛乳が用意されていた。魔族領の人が王都のパン屋に教えた事で人気が高まったらしい、牛乳は背が伸びない事を嘆いていると勧められて、それ以降飲み続けている。


 着替えを行なった後に食べようと思ったら、シャーリーが「先に朝食を済ませて頂けますか?」と言うのだ。何故?と思ったが、シャーリーにも考えがあると思い、従う事にした。


「私の好きな果物サンド♪寝起きの頭に甘い果物は生き返る感じだよ♪」


 美味しさから言葉にしたが、シャーリーの冷たい目を見るとスンッと静かに食べるのだった。


「ご馳走様、食べ終わったけど、着替えはどうするの?」


 食べ終わり、シャーリーは身嗜みを整えるのでと言うと、部屋の扉を開けた。その行為にハテナを浮かべながら見ていると、扉からメイドが複数入ってきたのだ。


「何か嫌な予感がしてきたよ…」


 シャーリーはテキパキと指示を出し、食器を片付けてると三人のメイドに「お着替えを致しますね」と言われ、私は抵抗できないまま服を脱がされた。私の許可は関係ないようで、メイドは「汗を拭きますね」と入る時に持ってきたタオルと、お湯が入っている桶を使い私は身体を拭かれていく、私は何もせずとも進んでいく支度に身を任せるしかなかった。


「アニエスお嬢様、こちらの服を預かって来ました!」


 何度も王城に滞在する間、関わることがあったハイテンションで元気なメイド、彼女は満面の笑顔で服を見せてきた。あまり着ないフリフリヒラヒラが付いているだけではなく、所々に装飾が付いた服、色は薄めのピンクで見た感じ高そうだ。


 この服で仮に非常事態が起きたら動けるのだろうか、そんな事を思うが普通は起きるはずがない事から、起きたらその時考えようと思った。


 時折聞こえる可愛いと言う言葉、心の中で留めてほしいのだが、彼女達に混じり、シャーリーも頷いていた。もういいやと諦めて着替えを行うと、次は髪型を変えると言われて椅子に座らされたのだ。


「髪型まで変えるの?このままでも良いんだけど…」


 そう言うが、変える事は決定事項のようで少し時間がかかると言われ、シャーリーは私に動かなければ目を閉じて休んでも良いと言うのだ。


「わかった…終わったら起こしてね」


 抵抗する意味はないので、私はシャーリーの言う通りに目を閉じた。流石にこの場で寝る事は難しいので、直近の出来事を思い返す事にした。


 改めて思い返しても王都に来てから良い事があまりないような気がする。気晴らしにリディアと採取に出かけた時は、サーシャが同行して南の森に本来出ない魔物が現れて大変な事が起きたり、アルテアが大発見と私に教えてくれた話で、王城を魔族が改装していると地下に古代遺跡を見つけたので調べに行こうと真夜中に大迷宮へ突入した結果、古代墓所で私の記憶にある死霊の巣窟だったり、更に過去最大級と言える叱られ方をした。お父様は私を思って叱ったのだが、しょんぼり状態が数日続いたほどだ。


 どうせ怒られるなら最下層のナイトメアドラゴンを倒しても良かったような気もした。倒すと数日間周囲を怨念が彷徨うという嫌なギミックがあり、現実になっても機能するなら危ないと思いアルテアに話をして地上に戻ったのだ。


 何度思い返しても重労働だ。普通の子供とは違うが、身体の作りは歳相応なので疲れは溜まる。最近は直ぐ眠くなるから耐えるのが大変で、そんな中、様々な道具を作り、後はリディアに渡すタイミングを見極めるだけだ。


(領地に帰る時でいいよね…別れ際に渡した方が好感度的に良いよね…あ〜でも渡す時は良い感じがいいのかな…)


 考えに耽りながら、そんな事を考えているとシャーリーに指摘された。


「アニエスお嬢様、ニヤニヤしながら独り言を言うのはおやめ下さい」


「うへっ!?私何か言ってたの?」


 突然のシャーリーから指摘を受けた事で、目を開け声にならない変な声を出しつつ、無意識にどうやら独り言を言っていたようで、メイド達は若干笑みを浮かべ、私は恥ずかしくなった。


「シャーリー…最近冷たい気がするの…」


 恥ずかしさを紛らわすためにムスッとした表情でシャーリーにそう言うと再び、目を閉じて次は独り言を言わないようにしようと決意したのだった。

お読みいただき、ありがとうございます。


最下層にナイトメアドラゴン…そっと見守って下さい。


間の出来事は文書を作りましたが、長くなるためカットしました。一応流れを簡単に書きましたが、うまく伝わる事を願ってます。


あ、後もう少しで話がだいぶ進みますので、今後ともよろしくお願い致します。

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