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前の世界で運営者に消されたNPC姉妹が新しい世界で生きて行く  作者: あいか
序章 この世界で妹と再会するまで
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67話 王城

皆様、いつもありがとうございます。


 城内に向かおうとするが、私以外動く気配はしなかった。

 それはシャーリー、アルテア、ラキアも同様だ。

 どうしたの?中に入ろ?と言うと少し悩みシャーリーは、このまま進むのではなく、先に何処に向かうか、どうするかを決めてから行動いたしましょう。と言ったのだ。

 私が少し無茶をして早く対処したのに時間をかけては意味がない、そう感じるが直感で話を聞いたほうが良いのではとも感じる。

 それを抜きにしても他の者は喜びの声をあげるが座ったり、中に入る気配がないのは気になった。


 「シャーリー、わかった…話を聞くよ…」


 この異様な空気の中では先に進むより話を聞いた方が良いと思い一度、先程シャーリーが話をした魔法騎士団の拠点に向かう事にした。

 中に入るとシャーリーが、少しお借りします。と声をかけると魔法騎士は、どうぞ。とテーブルを空けた。


 「念の為に持ってきた物です。本来は騎士団を辞める時に返す規則なのですが、一枚写をとったのがこちらです」


 そう言って広げた物に驚きを隠せなかった。

 何故なら、王城の見取り図だからだ。

 予想してない物が出た事でアルテアも、これ見ていいの?と気を使うがシャーリーは、信頼してますので、この事はご内密にお願いします。と言った。


 入り口から寝室までしっかり書き写された見取り図、もしこれが良からぬ事を考えてる者に渡れば大変な事になるだろう、それ程貴重で重要な物だ。


 「話を戻しますが、アニエスお嬢様には城内がどうなっているかを知ってほしいのです。賊対策や攻撃を受けた時の対処を行う為、内部が入り組んでいます。知らずに入ると無駄に体力を消費して辿り着くのも難しいでしょう」


 シャーリーの話を聞きながら見取り図を確認すると、玉座の間は一直線で向かえるが、寝室や宝物庫はかなり複雑で、一度上の階に行った後に下がったりが必要だ。

 まるでダンジョン、今で言う古代遺跡のような迷宮と言っても過言ではないだろう。

 

 「城内すぐ右に騎士団本部があり、まずここを確認致します。その後、非常時は寝室まで後退する話のままだと思いますので、目指すはこの寝室となります。気になるのは宝物庫ですが、皆様の安否確認が優先でしょう。内部の状況次第で動き方は変わりますが、ご理解頂けましたか?」


 話を聞きながら図を見て覚えるのだが、分かりにくいと言うのが感想だ。


 「うーん、ある程度…覚えたけど、この見取り図を見ながら進んだ方が良いんじゃないかな?」


 間違いなく効率が良さそうなのでそう言ったが、持ち上げて下さい。とシャーリーに言われ紙をテーブルから動かすと白紙になったのだ。


 「えっ!!なんで!!どうして!」


 驚く私にラキアが、これは密約紙ですね。と言うのだ。


 「珍しい物使ってるんだね。これ色々面倒で一時使ってたけど、すぐ辞めちゃったよ」


 アルテアも知ってるようで、どうやら私だけ知らないようだ。

 

 「私も仕組みまではわかりませんが、書いた場所、正確にはテーブルの上で書けば、見ることもテーブルの上でしか出来ないのです。書き写す時はどうしてもテーブルの上で書いてますので、テーブルの上でしか見ることができないのです」


 はへぇー、知らない道具だ。と感心して、それでシャーリーがこの場を借りて話をした事を理解した。


 これは書く場所によっては秘密の取引や情報を記載する事もできそうな物だが、かなり高価で一般で買うなら金貨が必要らしい。

 どんなテーブルでも見えるのか気になり聞くと、どう判別してるか分からないが同じテーブルしか見れないらしく、この場に使われてる物が丁度騎士団でも使ってるテーブルと言われた。


 城内のテーブルを利用できない場合を考えて隅から隅まで頭に入れようと頑張る事にした。

 王城がダンジョンなら古代遺跡で使ったマップを作れるのだが、普通の建物には使えないので自力で覚えるしかなかった。


 「な、なんとか…大丈夫!アルテア様も大丈夫ですよね?」


 「うん!ラキアが覚えてるはずだから大丈夫かな?」


 アルテアの言葉にラキアはため息混じりに、私もある程度は記憶致しましたので、中で何かあればお伝えできるかと思います。それと今回の事が終わりましたら忘れる事もお約束いたします。と言う。


 それを聞いた私はラキアなら記憶を消す方法を持ち合わせてそうなので納得してしまった。

 

 「正確な場所がわかれば外から転移で入れないのかな?」


 「恐らくですが無理かと思います。私が知る限り、どの場所の城も全て外から転移、中から転移はできない作りのようです。材質的な問題なのか、そもそも城自体がそういう建物か分かりませんが、王城も同じかと思います」


 私が思った言った事にラキアがそう答えるとゲームの設定と同じ状態と思いそういう物だと認識した。

 頭の中で整理した後、ありがと。と答えるとアルテアは、試してもいいよ。と言うが転移に弾かれるとゲームの防衛機能と同じで遠くに飛ばされるらしいので首を横に振り断る事にした。


 「とりあえず順路は分かったけど、気になるのはさっきまで橋を渡る為に結界を壊そうとした人達、誰1人も橋を進む気ない事かな」


 「恐らく彼らが冒険者だからでしょうね」


 シャーリーの言葉に意味がわからなくなり、頭にはてなを浮かべると話を続けた。


 「冒険者の依頼で王都の防衛、魔物の討伐、王城への道を確保すると出ているようで、中に進む事は出てないのです」


 「は?」


 驚きも含めで声に出してしまった。

 冒険者だからこそ助ける行動をするのではと思ったからだ。


 「全員ではありませんが、依頼を遂行する。これが大切なので、それ以外は行わないのでしょう」


 「意味がわからない…」


 「本来は冒険、古代遺跡を探索したり、未開域を切り拓く事が主ですが、依頼遂行も冒険者の本分ですね。依頼外での人助けは勿論行うと思いますが、今回は場所が場所だけに各個人の判断で中に進む事ができないのでしょう」


 「そう言う事なら…魔法騎士も中に入らない理由は同じなのかな」


 モヤモヤするが、納得した事にして魔法騎士団が動かない事を聞くと、ウォルトが待ってたかの様にこちらへ来て、私が説明致します。と言う。


 「サーシャから魔法騎士団、正確には魔法教会の立場を伺ったかと思いますが、それがあって動けないのです。有事の際に国民の保護、王都の保護は行う事になりましたが、我々が王城に入ると問題が起きるのです。立ち位置はあくまで国の中にある組織ですが、複雑で小さな小国と言っても過言ではありません。救援の為とは言っても要請がない状態で王城に入ると、他国から横槍が入るのですよ」


 「国を守るって気持ち大切なのに何でこんなに難しいの…」


 率直に思った事を言うとウォルトが、我々も思う事は同じです。と頷いた。


 「危険な賭けに近いので本来であれば提案したくないのですが、本人の希望と我々も国を想う気持ちは持ち合わせてます。第四騎士団、サーシャを同行させるのと、そろそろ呼びに行った者が来るはずですので、知ってる方も来ますよ」


 ウォルトが言い終わるとサーシャはこちらに来て、どうか宜しくお願いします。と胸に手を当て言うと、準備をしてきます。とこの場から離れた。


 「それとこちらは保証できませんが、現在魔法教会の管理する古代遺跡に2組の金ランク冒険者が探索してますので、戻ったら現状をお知らせいたしましょう」


 王国管理の古代遺跡も存在するが、魔法教会の敷地内にも古代遺跡が存在する。

 金ランクと言うと戦力の期待はできるが、この騒動を知らないとなれば一体いつから探索しているのだろうか、そもそも無事なのだろうかと不安を感じた。


 シャーリーがチーム名を聞くとウォルトは、黄昏の黎明と白亜の星ですね。と答えた。


 私はあまり知らないと言うより、本に載ってない情報を集めにくく、知るはずもなかった。


 「黄昏の黎明というと確か、あの騒がしい魔法使いですか…白亜の星は豪剣の所属でしたね。力を貸していただければ嬉しい話です」


 シャーリーの話にハテナを浮かべると軽く説明をしてくれた。

 騒がしい魔法使いは一目でわかるらしく、一言で表すならウザイとの事だ。豪剣は二つ名で変わった大剣を使い派手な戦いを好むらしい、どちらのチームも人数は5人で全員が金ランクと高実績を持ってるそうだ。


 「皆様が王城の中に入ってる間は外の事をお任せ下さい。魔法教会の属性長を呼んでますので、魔法師団級の活躍はお約束できます。それで、個人的な話になりますが可能ならアニエス様はこの場に残っていただけないでしょうか」


 「それは出来ないです…お父様が心配と言うのもありますが、城内に知り合いや大切な物(マリー)がいる可能性もあります。ここで動かないと後悔するかもしれません…私は何かあっても進みます」


 「そう、ですか。決意は固いようですね。どうか無事にお戻り下さい。何かあればアンナ様を悲しませてしまいます」


 そう言うとウォルトは胸に手を当てて頭を下げた。

 どうやらお母様の事を知ってるようで、私の身を案じてくれたようだ。

 

 「最後にお伝え致しますが、他の方には漏らさないで下さいね。私達の集めた情報ですと王国騎士団は筆頭騎士を中心に大半を西に移動してます。理由としてはどうやら他国の者が押し寄せてきたようです。詳しくは分かりませんでしたが、このタイミングで来た事に嫌な感じがしますので、どうかお気をつけ下さい」


 ついでに話すような感じに伝えられた事はかなりの情報で正直驚いてしまった。

 他国がこの国に来た理由、考えたくないが普通に考えるなら武力行使となるだろう、今この国は王都以外も混乱している中、他国の相手はできないのだ。だから王都や王城が危ない状態でも王国騎士団は殆どの人数を集めて向かったのだろう、私も含めて皆も重く受け止め、伝えてくれた事に感謝をした。


 サーシャが、お待たせしました。と戻ってくるが先程までの魔法騎士の鎧ではなく、一般的な服と大きめのマント、剣が複数腰に装備している。


 「この姿なら何かあっても問題は少ないと思いますので、ご安心下さい」


 休日に出かける狩り装備らしく、見えない箇所に投げナイフや両腕の内側には短剣がいつでも抜けるように装着されているらしい、服も内側に鋼を縫い込み、マントは大きいが竜の皮を使ってる代物だ。


 「サーシャは私より強いので、足手まといにはならないと思いますよ」


 ウォルトが言うとサーシャは照れながら頬を掻く仕草をした。

 その仕草は少し可愛いかなと思いながら私は、よろしくお願いしますね。と言葉にした。


 「アニエス様とえっと、アルテア様でしたよね。2人は王城に入るのですよね。失礼な言い方に聞こえるかもしれませんが、あの…大丈夫なのでしょうか、恐らく危ないですけど…」


 その話が来るのは想定済みで、私は大丈夫と答えたが、うーん。と悩む言葉を出していた。

 

 「サーシャ様、アニエスお嬢様やアルテア様は私よりも強いので問題ありませんよ。可能ならばお止めしたいですが、お二人共一度決めた事は曲げないので、どうかお守りする力をお貸し下さい」


 シャーリーはサーシャに向かってそう言うと、そうなんですね。と何かに納得したらしく、お任せ下さい。と力強く言うのだった。


 サーシャとのやり取りを終えると魔法教会より呼び寄せた魔法騎士団が到着したようだ。

 想像を上回る数に私は驚いてしまった。

 確かにこの数なら国の問題に手を出すのが止められていた理由もわかる。

 数に圧倒されていると手を振りながら私達に近寄る大きな人が1人、ラルフが来たのだ。


 「アニエスお嬢様、お会いできて良かったです。シャーリー、俺に先に行けと言っておいてすぐ後から来るなら、一緒に向かえばよかったじゃないのか?」


 私への挨拶はすぐ終わり、シャーリーに小言を言うのだった。

 本来ならラルフより先に到着していたのだが、結果としては少し後に到着した事になったのだ。

 想定外の移動方法に想定外の事態が重なった結果なので少し申し訳なく思うが、サーシャがピンチの時にラルフは助けに入ったと聞いたのであながち間違った選択ではなかったと思う。


 「ラルフ、貴方が居ない間に大変な事が起きてたのですよ」


 「おい、俺を先に行かせたのはシャーリーだろがってまぁ、俺も王都に着いた時から色々巻き込まれたがな…」


 同じ騎士団にいた事から仲は良く話が繋がっていき、ラルフは王都に到着した後の事を話し出そうとした所、シャーリーに、知ってますので、無駄話は終わりにして城内に突入しますよ。と冷たく言うと、知ってるのかよ!まぁ、いいか。と返した。


 「えっと、ラルフさんで宜しかったですよね。あの節は助けて頂きありがとうございました」


 「ん?誰だ?ってあの時の魔法騎士か!鎧着てないし雰囲気変わってるしで気が付かなかったぜ」


 いや、気がつけよと思いつつも実際サーシャの姿はかなり違うので仕方がないかもしれないと思う。

 合間を見てラキアは接点少ないが社交的に挨拶を交わしアルテアは虫潰した盾見せてと迫っていた。


 「さて、ラルフも合流できたし、気を引き締めて王城に突入します!」


 再度意気込みを入れ橋に向かった。


 魔法騎士が整列して並び待機していたが、サーシャ曰く一部の人数らしく、シャーリーの提案した巡回や対処を行う人とこの場を守る人数を集めたようだ。


 「魔法騎士の皆さん、呼びかけに応じて集まった事に感謝いたします。ある程度は聞いてると思いますが、現在王国騎士団は所用で殆ど持ち場を離れてます。その間、特例処置として我々は国民の保護、危険の排除を行う必要があり、日頃から切磋琢磨した己が力を見せる時です。部隊分けを行い王都を巡回、この場の死守を行います」


 流石副団長と言った所なのか声がしっかり響き全員が聞いている姿は統率が取れてなければできない事だ。

 そんな集団の横を通り進むのは少々緊張と言うより見られてるようで恥ずかしいが私達の姿を見ても話し声すら上がらない事に驚いた。


 そんな中にチラッと異色な人が混じっていた。

 鎧を着てなく、魔法使いが好むローブ、正確には魔力を宿しやすい糸で作られた服を着た女性、あの人が属性長なのだろうか、こんな状況でなければ色々聞きたいこともあるが、またの機会に取っておく事にした。


 「この橋を渡ったら王城の敷地内だから何があるか分からない、お父様の心配もあるけど、他の人や多分いるマリーと多分いるローランの事も気になる。異質な結界が使われてるぐらいだから、何が起きても不思議じゃない、ラルフには盾で皆を守ってほしい、シャーリーは敵遭遇時に撃退、ラキア様は気になる事があれば教えて欲しいです。アルテア様は…なるべく何もしないで下さい」

 

 「俺の盾なら全員守りきれるから任せてくれ!そしてシャーリーよりも敵を倒すぜ」


 そう言うラルフの腹部をシャーリーは一瞬の隙で殴ると結構痛いのか、調子に乗って、すまなかった…と反省した。


 「ねぇ!ねぇ!何でボクには役目がないの?アニエスちゃん!!」


 子供か!と思うような言葉と共に私はアルテアの手によって左右に揺すられた。

 外見は私より少し大きい程度だが、生きてる年数が違うのと、そもそも魔王の力を城内で使えば壊れる危険がある。

 言葉を選び伝えると、緊急時はボクも攻撃するからね。と不安な事を言うのだった。


 橋は非常に頑丈で岩だろうか鉱物から作られているようだ。もし、途中で崩れたらと思ったが、これほど頑丈なら問題なさそうだ。

 私が敵で罠を用意するなら橋に仕掛けるのだが、特に何も起きないまま渡る事が出来て少し拍子抜けだ。


 「特に何もなく渡れたね」


 もしかすると敵はいないのではと思ってしまう、仮にそうなれば一連の現象は自然に発生した事になりあり得ないなと頭を左右に振るのだった。


 「完全に閉じてるな、ちょっと開けてくるから待っててくれ、あっと俺1人じゃぁ無理だからシャーリーも来てくれ」


 ラルフは閉ざされた城門を見ると横に聳える門塔の中の開閉装置を動かす為にシャーリーを連れて向かった。

 私はてっきり力で開けるものかと思ったが、どうやら専用の装置があるようだ。

 顔に浮かべてしまったのか、何を言ってないがラキアは軽く、私達の城にもある装置で一般的に存在する装置ですね。とは言っても古代遺跡から見つける物ですので、高価な魔法道具となります。と説明をしてくれた。


 「アニエスちゃんは初めて見るのかな?」


 「はい!どう動くか気になってます!」


 正直な気持ちを言葉に出すと少し笑いながらアルテアは、ほら、城門が光ってるよね?あれは開閉装置から専用の魔力が送られた印なんだよ。と解説をしてくれる。


 少し背の高いアルテアはまるで姉のように優しく教えてくれるので感謝を伝えると、えへっ照れるなぁ。と笑顔で言う仕草は魔王とは思えなかった。

 ラキアが、あまり褒めすぎると気分が高まり大変な事をするかもしれませんのでご注意下さい。と耳打ちをした。


 そんな事をしている間に光る城門はゆっくりと開閉して閉ざされていた城内が顕になった。


 「えっ…何が起きたの…」


 つい声が出てしまった。

 何故、と聞かれれば目の前に広がるのは本来ならば綺麗な城内のはずが、赤く匂いから血で染まり、人なのか魔物なのか分からない残骸がまるで食べ残しの様に散らばっている悲惨な光景だからだ。

 今まで、閉ざされていた色々な空気が外へ出ていくとその匂いを嗅いでしまい何か出そうな気持ち悪さを袖で塞ぐ事で耐えるのだった。


 シャーリーとラルフが塔から戻ると悲しさ、悔しさ、焦りが混ざる表情で見つめてラルフは一言、クソ!!と言葉にした。

 中に入るよ。と言って進むが、足をすめば進めるだけ嫌な気分を感じてしまう、それは私だけではなく他の皆も同じように感じている様だ。

 

 「アニエスお嬢様、私とラルフで騎士団本部を見てきますので、この場にてお待ち下さい」


 部屋の中央まで歩くとシャーリーは昔の仲間の事を考え焦りから大きめの声で私に言うとラルフを連れて隣の部屋へ向かった。

 あれ程焦るシャーリーを見るのは初めてなので、私は頷くことしかできなかった。

 流石に先へ進もうとは言えず待つ事にした。


 「これは…まるで煉獄だね…」


 待っている間、アルテアは辺りを見ると悲しそうな目をしながらそう言った。

 魔界での粛清で大量の血を見たアルテアだからこそ、目の前に広がる事に対して思う事があるのだろう。

 

 「この場に思念も残ってませんね、一方的に殺された場合や思い残す事がある場合は何かしら残っていても良いのですが、残る事も許さない何かが起きたのでしょうかね」


 ラキアは辺りを確認しながらそう言うと、サーシャは何か気になる事がある様で話し始める。

 

 「先程、開いた時に血の匂いと共に魔物の匂いを感じました。それにこれは最近知った匂い…王都で遭遇した魔物と同じ匂いですね」


 私は話を聞き王都の魔物って虫のバグ?と聞いた。

 狩りを行なっていると、体液や匂いである程度分かるらしく、他の匂いもある事を口にしながらサーシャは痕跡が目視できる場所を指差しバグ種の体液が残ってる事を話した。


 「虫の魔物、それも王都にいた魔物…やっぱり結界から現れたのかな」


 「どうだろう、仮にアニエスちゃんの言う通りならこの状況、魔物の生き残りや死骸は何で無いのかな」


 アルテアはそう言うが、それは私も気にしていた事だ。

 元が何なのか特定できない物は残っているが、あるべき物が残っていない、この場にいた者は武器や防具も持ち合わせてない者だったのか、それとも装備品を誰かが回収したのだろうか、それに虫の魔物は群れると強いが1対1なら勝てる者も居るはずだ。

お読みいただき、ありがとうございます。


いいね、ブクマに追加頂くと更に喜び叫んでますので、宜しければご検討下さい。

何か気になる事があれば、お気軽にコメントをお送りいただければと思います。


ある程度表現を抑えてますがショッキングな状態となってます。

城の構造はRPGにある様な感じでご想像いただければと思います。


あれ…こんな展開だっけと思い確認すると過去の私は何を思ってか全く違う内容だったり一人で焦ってました。

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