41話 魔術のお話と装備品作成
皆様、いつもありがとうございます。
食堂に着いた所からです。
お母様が既に座っていたので、朝の挨拶をした。
お父様が王都に向かっている期間は、お母様が代わりを務めてるらしい
やる事が多いようで、挨拶をして少し話したら食堂から出ていった。
お母様は問題ないとは言ってたけど、少し心配だよ
「アニエスちゃん、おはよう!」
「リディア!おはよう!その方は?」
リディアがお母様と入れ替わる様に、女性の人と一緒に入ってきた。
顔立ちが似ていて、髪の色も同じなので、おそらくお母さんかな
「アニエスちゃん、私のお母さんだよ」
「アニエスお嬢様、ご挨拶が遅れてしまい、大変申し訳ございません。私はリディアの母親、フィオナと申します」
私の前で膝をつき、挨拶を行った。
「丁寧な挨拶、ありがとうございます。フィオナさん、どうか私の事はリディアの親友と思って、気楽に接して下さい」
椅子から降りて、貴族流の返しで私も応じた。
決めきったと思うと、リディアが驚きの表情を浮かべている
私の丁寧な返しに間違いがあった、という事だろうか
「流石にそのような事は、恐れ多いです。それでしたら、今後とも娘、リディアをどうか、宜しくお願い致します」
私もリディアとは、ずっと仲良しでいたいと思っている
体が悪いと聞いていたので、話を一旦止めて、椅子に座ってもらった。
「リディア、優しくて、いいお母さんだね」
「うん!優しくて、自慢のお母さん!」
「アニエスお嬢様、騒がしくて、申し訳ございません」
「気にしないでください。お父様やお母様からも話があったと思いますが、自分の家だと思って、気を楽にして下さいね」
「ありがとうございます」
ひと段落すると、それを見計らって朝食が運ばれてくる
卵を焼いた目玉焼きと、新鮮なサラダ、朝作られたパンと、燻製されたお肉だ。
毎回少しずつ変えた料理が出るので、飽きる事はない
料理を作ってる人は、凄いと思う
私だと同じ料理しか考えつかないけど、栄養面なども考えて変えてるのは、本当に凄いと思う
「さて、私は先に部屋へ戻るから、後で来てもらえるかな?」
「うん、少ししたら、部屋に行くね」
私がいると、親子で話しにくいと思い、先に食堂から出て行った。
ローランとの約束まで少しあるし、訓練所が空いていたら、軽く動こうかな
そう考えて、私は自室ではなく、訓練所に向かい歩いて行った。
誰かいるかなとこっそり近寄るが、誰も使ってない様だ。
私が使ってない時は、使ってる人が多い居るらしく、タイミングが良いみたいだね
いつもの様に、周りから見えない様にして、基礎の動きから始めると、戦技を次々と使っていく
最初は、口に出すだけで使えるのは卑怯と思ってたけど、それも含めて私の力と思う様にした。
何度も何度も繰り返すと、体力も増えてる感じもするし、戦技の発動も繋げる流れもスムーズになるので、繰り返す事は大切だと思う
「さて、最後に召喚スクロール!レッサードラゴン!」
召喚スクロール【低】に魔力を流して、レッサードラゴンを呼び出した。
レベルの恩恵なのか、古代遺跡の経験がとても大きい様で、一般の魔物には負ける気はしない
下位種と言っても竜の防御力はそれなりに高いので、ある程度、攻撃力が無ければダメージを入れる事も難しい
「戦技、瞬拳」
威嚇に咆哮を使おうとした瞬間、私はまるで瞬間移動した様にドラゴンの腹部に移動して、そのまま拳を当てた。
大きな唸り声をあげると、そのまま地面に倒れてドラゴンは消えて行った。
「普通の戦技で、一撃…」
数回戦技を使って倒せると思ったけど、まさか一撃で倒せてしまうなんて思わなかったよ
私が強くなりすぎたのか、それともレッサードラゴンが弱すぎるのか、前にローランも簡単に倒してたし、弱いという可能性も高そうだね
あまり深く考えずに1つだけ、人には使わないようにしようと思った。
これだけ動いても殆ど汗も出ないし、間違いなくレベルがかなり上がってると思う
運動後に水分補給を行い、良い時間なので、自室へ戻ることにした。
自室に近づくと、部屋の前にローランが立っていた。
「ローラン、待たせちゃった?」
「アニエス嬢、俺は、今さっき来たところだな」
軽く挨拶を交わして、部屋の中に入る事にした。
「ローラン、好きな所に座ってね」
「そうさせてもらう、今日はシャーリー居ないのか?」
「うん、ちょっと用事でね」
収納魔法からコップと果実水を取り出して、注ぐとローランに渡した。
「ありがとな、っていつも思うが、本当にその魔法便利だよな」
「入れる物が多くなると、管理が大変だけどね」
「あー確かに沢山入れると、取り出しにくいもんな。貰ったポーチにどれだけ入るか試した後、取り出すのに苦労したな」
リストやソート機能等のゲーム機能は普通の人は無いみたいで、入れた物が頭に全部浮かぶらしく大変だと言っていた。
「本題だけど、今日呼んだのは、古代遺跡で話した、宝石加工をしようかなと思ったからだよ」
「急がなくても良かったんだが、アニエス嬢は今頼まれごとの秘密兵器作ってるんだろ」
「作ってるけど、殆ど目処が経ってるから、大丈夫だよ」
「それならいいが、無茶だけはしないでくれよな」
「心配してくれて、ありがとね。リディアにも聞くんだけど、ローランはどんな魔法道具が欲しい?」
「あの後、色々考えてはいたんだが、防御は鎧があるし、攻撃は白銀剣があるから、補助的な物がいいかと思ったが、思いつかない。どんなのが作れるかわからないから、考えがまとまらないんだよな」
確かに今思うと、何が欲しいと聞いても、決めれないね
「んとね、まず戦闘に役立つのか、生活に役立つのかで変わるね」
「生活は、そんなに不便ないからな、欲しかったマジックポーチも手に入ったし、そうなるとやっぱり戦闘だな」
「戦闘なら攻撃か、防御どっちがいい?」
「攻撃は問題ないと思うんだが、防御系だと何が作れるんだ?」
「防御はね、魔法攻撃を受ける時に魔力膜を作ってダメージ軽減とか、魔力を送って、盾を出したりするのも作れるね」
「盾か…今まで使った事ないが、あるといざという時には、便利だよな」
「普通の盾と違って、魔力を送る必要があるのと、正面にしか展開できない欠点はあるけど、物理も魔法も受け止めれるね」
「便利そうだが、アニエス嬢が使ってない理由がありそうだな」
「鋭いね、魔力消費が多すぎるから防御魔法使えるなら、そっちを使った方が効率的なんだよね」
「魔力量か、多い自信はあるが、あの剣もかなり使うからな」
「消費魔力を抑えて作れるか、やってみようか?」
「そんな調節もできるのか?」
「魔力を送って瞬時に展開、その後すぐ消すなら抑えれるかも、通常だと一定ダメージ受けるまでは出続けるから消費が多いの」
「一瞬か、それの方が使いやすいような気がするな」
「なら盾に決定ね。指輪か腕輪かどっちがいい?」
「指輪だと、剣を握ると違和感あるから腕輪で頼む」
「わかったよ。加工に時間頂戴ね。明日にはできると思うよ」
「急がなくてもいいからな」
ローランの魔法道具が決まったタイミングで、リディアがやってきた。
「アニエスちゃん、遅れてごめんね」
「慌てなくても良かったのに、ローランから話聞いてたから大丈夫だよ」
リディアにも同じ話をすると、すごく悩んでしまった。
「魔法系の補助は魔力消費を減らしたりできるけど、威力を増やすのもあるね、その分魔力も増えるからあまり意味ないけどね」
「アニエスちゃん、おすすめってある?」
ゲームでは、クエストを受けないと使えない魔法も、この世界なら魔法道具に刻印出来るのかな
今後の事を考えると、試してみる価値はありそうだね
「できるかわからないけど、宝石を媒体に特別な攻撃魔法を組み込んでみようか?」
元々、消費アイテムとして存在する物とは違い、新たに作り出す事が出来れば、技術も発展すると思う
あの魔導銃を見て、作れそうな気もするし、ゴーレムの魔法動力も球体になったし、思っているより、自由度がかなり高い気がする
「アニエスちゃん、そんな事できるの?」
「試してみないと、分からないけどね」
「出来そうならお願いしたいかな、でもアニエスちゃん、無理だけはしないでね」
「無理はしないよ。どちらにしても早めに確認したい、私の魔法研究の1つだからね」
「魔法道具を作る所って気になるんだが、見せてくれるのか?」
「秘密だからダメだね。シャーリーにも見せてないからごめんね」
「そうだったのか、暴こうとは思ってないから安心してくれ」
「信じてるから大丈夫だよ」
古代遺跡で沢山助けてもらったから、ローランの事は信用できる
リディアは元々、秘密の共有者だったから信じてるけどね
「そうだ、アニエス嬢、この騒動の話少しいいか?」
「うん?勿論いいけど、何か調べてくれたの?」
「冒険者ギルドの通信システムを使って、各地から聞いた話になるが、商業街が最近変らしい。そこにある冒険者ギルドの話だと、行方不明者がかなり出ているが、捜索する依頼がない、冒険者が探そうとすると、街の兵士に止められるそうだ」
ローランの話では、通常だと街の責任者がトラブル発生時に冒険者ギルドへ依頼を出す事になる
街を守る義務が、責任者にはあるからだ。
この場合の費用は、国のお金から払えるので、お金がないから依頼が出せない状態にはならない
依頼を出す事もせずに、探そうとする冒険者を止めてるのも確かに変な感じがする
他に危険な魔物や人為的な犯罪も、街の責任者は防ぐ、解決する義務がある
4国が1つになった時に作られた、各街共通の誓約となる
「確かに変だね。普通は街の人が居なくなったら、探す依頼出すからね。探す人は1人でも多い方がいいはずだから、兵士が止めるのもおかしいね。シャーリーが向かったのも、その話絡みなのかな」
「あいつ商業街に行ってるのか!」
「昨日の夜に出立して、もうそろそろ着く頃だと思うよ。至急の報告があるからって、聞きに行ったよ」
「俺がここを離れる事が出来れば、すぐに向かうんだが…」
ローランの称号、剣聖は有事の際に自由行動ができないらしく、勝手に動けないと前に聞いた。
貴族も有事の際は、対処をする義務がある
様々、平和にかつ安心して暮らせる状態を守る誓約があるからだ。
「なんだかんだ言っても、シャーリーと仲いいよね。ラルフって人の報告を聞きに行ったけど、その人知ってる?」
「ラルフか…あいつなら大抵の事は大丈夫だな、一応俺も冒険者ギルド経由で頼み事はしてみるか、アニエス嬢、連絡してくるから、今日はこれで失礼する」
「魔法道具、明日取りに来てね!!」
すぐ連絡システムを使う為、ローランは街の冒険者ギルドに向かった。
ローランは頼りになると、私は思ってる
みんなの事を考えて、行動してるからかな
あの本の話は、本人の行動があるからこそ、伝わってるのだろうね
「アニエスちゃん、街の雰囲気もピリピリしてるし、早く賑やかで優しい街に戻ってほしいね」
「そうだね、その為には、早く解決しないとだね」
とりあえず、テーブルにクッキーを取り出して、2人で食べることにした。
「アニエスちゃん、クッキー少し持って帰ってもいいかな?お母さんにも食べてもらいたいなと思ってね」
「うん、勿論いいよ。1袋渡すから持っていってね」
私は収納魔法から1袋取り出して、テーブルの上に置いた。
「ありがとう!お母さん喜ぶと思うよ!」
「そんなに喜ばれると、作った人も嬉しいだろうね」
また、クッキーを作ってもらわないとね
折角2人なので、リディアに少し簡単な魔術を教えようと思った。
魔術と言っても殆ど、魔法と変わらないから、リディアのためになるはずだ。
「リディア、折角だから、魔術の話してもいい?」
「うん!勿論だよ!今回は何かな?」
同意を得たことで、テーブルの上に準備を行う
通常の生活では馴染みにくいが、動物の皮を使った羊皮紙を置いた。
「アニエスちゃん、これは?」
「んとね、これは羊皮紙と言って、魔術に使う物だね。動物の皮を加工して、紙に近い状態にした物だけど、魔力を含みやすくて、使いやすいのが特徴かな」
「動物の皮…ちょっと怖いね」
「流石に作る過程はね…普通の紙でもいいけど、効力が少なくなるから、一時的な対応ぐらいには使えるかな」
「紙って高いよね。魔術?って、お金かかるんだね」
「確かに高いね、魔法もだけど、魔術もどちらもお金はかかるね」
魔法研究は、お金がかかる
プレイヤーが魔法陣の改変をしてる話を昔聞いたけど、スクロール調達にお金がかなりかかると言っていた。
設備的なのもそうだが、素材を買ったり、集めてもらったり、様々なお金が必要だ。
後は時間も沢山必要になり、ゲームでは不老不死の設定キャラも、出てくるほどだ。
「それで気になるんだけど、魔術って何?」
「魔術と魔法は殆ど同じだけど、魔術師、魔法使いと表現が変わるね。魔法使いは、体内の魔力を詠唱や魔法の想像で具現化させるけど、魔術はちょっと違うんだよね。簡単に説明するなら、物を使って魔法を行使すると、理解してもいいよ」
この説明は、ゲームの話そのままだけど、大丈夫のはず
「うん???」
ふむ、頭に?を浮かべてしまっているね
「もっと噛み砕いて説明すると、例えば、この羊皮紙に魔力を流しながら魔法陣を書くと、詠唱も魔法の想像もせずに書いた魔法が発動するの」
「ちょっと、わかってきた。でも魔法使えるなら、使う機会が少ないような気もするけど…」
「ここがポイントなんだけど、魔術には2つの分類に分かれて、発動時に魔力を流す事で発動する物と、使うだけで発動する物に分かれるんだ。使うだけで発動する物は、簡易魔術と言われて、私が前に使った召喚スクロールは使用時に魔力がいるから、通常の魔術だね。これは特殊な使い方だけど、罠を仕掛けて、必要なタイミングで魔力を流して、発動させるとかもできるね。付け足すなら、魔術は魔法陣を書く人と、使う人は別の人でも大丈夫だね」
全てを話す必要はないけど、魔法道具も大半が魔術と同じなんだよね
明確な基準はないけど、スクロールで作ったのを魔術と呼んで、触媒を使うのは魔法道具と呼ぶ人は多かった。
ゲームでは、スクロール製作代行で、お金を稼ぐ人も存在した。
「そんなに強力なのに、今まで聞く事がなかったよ」
図書室で見た本にも、殆ど魔法陣が無かったから、おそらく魔法詠唱ができるようになった時に殆ど受け継がれてないのだろう
「私は魔術が下と思わないけど、魔術の上に魔法があるから、魔法が使えると魔術って、受け継がれないんだよね」
実際、攻城戦とかでは、罠として利用したり、魔法を発動するタイミングで、違う魔法を発動させたりもできる
連鎖魔法を使わなくても、それができるのがポイントだ。
「難しい話だね」
「まずは、ちょっと見ててね。魔法陣を書くのは、外枠が円の場合が多いけど、違うのもあるね。使用魔法、魔法規模、発動効果をこうやって書いてくの、これでいいかな」
話しながら、私は羊皮紙に魔力ペンで魔法陣を書いた。
書いた羊皮紙をテーブルに乗せて、私は話し始めた。
「魔力ペンがない場合は、魔法使いの血液でも代用は可能だよ。簡易魔術ではなく、使う時に魔力を必要とする魔術は、通常のインクや炭でも大丈夫だね」
今回は楽な防御魔法、シールドとなる
マジックシールドは使用者、対象者を覆うので、全方向防御可能だが、シールドは1方向防御となる
後にローランの魔法刻印を行う為、魔法陣は少し変えてみた。
先に、うまくできるかを確認する為だ。
「うわぁ…細かい…私無理そう…」
リディアは模様を見て、絶望した表情を浮かべているね
「魔術本とか読むと、魔法陣がたくさん書いてあるから、早めに覚えた方が楽だよ」
「前に言ってた、読むのが大変な本の事だね」
「最初は簡単な魔法陣を覚えれば、大丈夫だよ。今書いたのは、無属性のシールド魔法、発動後すぐに消滅する効果付きだね」
「えっ?無属性?」
「あれ?まだ無属性魔法の話してなかったかな?」
「うん、四大元素と上位元素の話は聞いたけど、無属性は聞いてないかな」
その言葉で私は、無属性の説明をしてない事に気がついた。
「えっとね、私はよく無属性魔法使ってるけど、無属性って、どの適性属性からも発動できるんだよ。だから無属性には適性がないんだよ」
「どの属性からも使えるのに無属性??」
「うーん、どの適性属性も無属性を使う事ができるという理解で大丈夫だよ」
「わかるような、わからないような…」
「無属性は特殊だから、この属性がある事を覚えてくれれば、大丈夫だよ。注意としては、無属性に強い弱いという属性は存在しない事だから、これも覚えてね」
「うーん、大体わかってきた、つまり属性の相性で、軽減されないのが無属性って事だね」
「そうだね。つまり、相手の弱点魔法を使えない時にも有効なんだよ。細かい魔法は次教えるから、今回の魔術の話に戻るね」
あまり、話しすぎるとリディアが分からなくなるので、良いタイミングで話を切る事にした。
「さて、これは書く時に魔力を込めてるから、使うだけで発動する簡易魔術だね」
そう言って、私は書いた羊皮紙を筒状に丸めて手前に投げる
すると光を放ち、透明なシールドが、その場に現れた。
「内容を簡単に説明するね」
省略しつつ、なるべく分かり易いように、リディアに伝えた。
シールドの場合は、魔法規模で大きさが変わり、書く時もしくは、使用時に消費する魔力量で、受けれるダメージ量も変化する
今回は使用後、すぐ消滅する効果をつけている
理由としては、通常のシールドは、効果時間が10分もしくは、一定ダメージで消滅となるが、この場合の魔力量は、魔法として使う場合と同じだ。
発動の仕方に違いがあるだけで、効果が同じだからだ。
短時間のみ発動させると、シールドの場合、必要魔力量は受けれるダメージ量が同じでも1/4程に下がる
魔法によって、変わらないものもあるので、注意が必要となる
逆に時間を増やしたり、受ける量を増やしたりもできるが、消費魔力量は大幅に上昇するので、魔法規模や効果は、気をつけて書く必要がある
「…」
「リディア、意識を戻してね」
ぽかーんとした顔で、リディアは何かを諦めようとしていた。
「魔術は魔法陣さえかければ、自分が使えない魔法も使えるのもポイントね。注意は、発動に必要な魔力を書くか使う時に込める必要があるから、自分の魔力量以上の魔法は、発動が出来ない事ね」
本来は、適性属性による魔法ボーナスというのがあるけど、ゲームじゃないから説明が難しいんだよね
リディア用に一応、本を書いてるから、そこには軽く乗せるつもりだから今はいいかな
「凄く難しい…」
「本来魔法って、難しい事だからね。紙に普通のインクで、図を書くから待っててね」
「あっ!真っ白な紙だ!高いのに勿体ない…」
「リディア、紙は書くためにあるんだよ。後で紙もあげるからね」
「えええ…」
真っ白な紙は、この世界で製造が難しく、他国からの輸入品となる
その為、価格も高く一般では、木簡が使われる事が多い
貴族は、見栄や保管の兼ね合いで紙を使うが、それでも真っ白は中々無いからだ。
通常の紙に、魔力を持たないインクで様々図形を書いていく、魔術入門用の防御に使いやすいシールド、強く光を放つ、フラッシュを書くことにした。
強い魔法は書き間違えると大変だし、私が教えてる理由は、いざという時の時間稼ぎにと思ってだからね
「はい!これが図だよ!一応意味とかも書いてあるから、丸暗記が一番かな」
「凄い綺麗…えっ?丸暗記って、今言った?」
「うん!これ魔法構成も理解しやすいから、覚えれば、無詠唱で使えると思うよ」
「がんばる…」
「明日、とりあえず丸写しでいいから作ってきてね!訓練所で実験するからね!」
「うう…が、がんばる…」
収納魔法に入ってる羊皮紙と練習用の紙を取り出して、リディアに渡した。
羊皮紙もそこそこ渡したけど、まずは覚えるしかないのだ。
複雑な表情を浮かべたリディアは、クッキーと紙を持って帰っていった。
さて、私は2人の魔法道具作成に取り掛かろう
テントを出して、部屋に移動した。
「リディアから作るか、ローランから作るか、うーん、ローランの方が楽そうだね」
先程、魔法陣で、すぐ消える盾を再現できたので、問題なく作れると思ったからだ。
むしろ、腕輪製作に時間がかかると思う
拳1つ分の大きさはある銀結晶の塊を取り出し
後、同じサイズの水晶原石を取り出した。
錬金釜使って3時間ぐらいかな、銀結晶の塊と水晶原石を釜に入れて溶液で浸した。
この腕輪自体に効果は付かない為、短時間で作る事ができる
銀結晶だけでも魔法媒体として機能するが、追加素材の水晶原石は追加で1つ刻印が可能となる
魔力を送り、錬金で変質を開始した。
後は鼻歌を歌いながら、完成を待つのみだ。
ドンドン!
ドンドン!
「えっ!何?誰か外にいるの?」
強く扉を叩かれた事で、急な音にびっくりした。
「アニエス!私よ!マリー!中に入るわよ!」
あー、ちょっと忘れてたよ
うーん、どうしようか…
マリーは、私の秘密を凝縮した塊みたいな物だけど、中に入れても良いものか、悩むね
そんな事を悩んでいると、ガチャっと扉が開いて中にマリーが入ってきた。
宙に浮きながら入ってきた、と言うのが正しいだろう
「え!何で入ってこれるの?」
「アニエスがここにいる事わかったから、扉を開けただけよ」
「魔力錠で、私の魔力以外開けれないはずなのに!」
「貴方の魔力で作られた私が、入れないわけないじゃ無い」
そう言われると、そんな感じがしてきたよ
この世界の魔力錠は、ユーザー識別ではなく、魔力の波長が合えば入れるという事かな
「マリーなら見られてもいいや、今錬金釜で魔法道具作ってるから、ちょっと待っててね」
「私の強化を忘れてなければ、それでいいわ」
あー、少し忘れてたよ
素材もらって作り始めた所まで考えてたけど、それ以降考えてなかったね…
うーんと私は少し悩んだ。
かなり簡易的に実験目的で作ったから、結構やりたい放題なんだよね
自然にレベル上げして、魔法を習得してるし、宝石あるから属性防御高めて防御を強化してもいおかもしれないね
本人の希望があればそちら優先にしようと思う
「マリーって攻撃力は高いよね」
「ええ、仕舞ってる腕を使わなくてもそれなりにあるわよ」
「攻撃と防御どちらを強化したい?」
殆ど、ローランやリディアと同じ質問をマリーにも聞く事にした。
「魔法生物は魔法に耐性はあるけど、完全じゃないわ、後は通常攻撃は受けると、体が小さいから飛んじゃうのよね。そうなると防御系かしら?」
「ふむ、優先は防御ね。刻印容量が残ったら、攻撃も増やすよ」
やり取りをしていると、錬金釜が光った。
「終わったみたいだね。どれどれ、上手くできたかな」
中身を一度、収納魔法で回収する
身長の兼ね合いでこの方法で取り出すのが一番楽なのだ。
万が一落ちると、私が素材になりかねないから…
「銀の腕輪、成功してるね。でもこんなに光り輝いてたっけ?」
私の知ってる腕輪よりも光っている
光が邪魔になるのでは、と思うほどだ。
「アニエス、また変なの作ったわね。それ魔法付与させたの?」
「いや、これから刻印付与させるけど、何も付いてないはずだよ。元々、効果ない腕輪だからね」
「ふーん、私が見てる感じだと、何かありそうだけど、よく分からないからいいわ」
どう言う事だろうか
眼に魔力を送って、魔力眼で腕輪を見る事にした。
すると、腕輪の光る箇所から魔力が発生して、それが腕輪で循環していた。
そんな効果ないはず、というより、これは一体…
鑑定ができないのが、悔やまれる
出来れば、様々解決する事もあるのに!
折角なので、魔力を生み出し循環する腕輪、永遠の銀輪と呼ぶ事にしよう
「アニエス、顔がニヤニヤして、気持ち悪いわよ」
「新しく作り出した喜びを邪魔された気がするよ」
「私が言わないと、気が付かなかったくせに偉そうね」
「うう…ま、まぁ、元々の目的の魔法刻印終わらせないとね!」
隣の刻印台に腕輪を置いて、魔法刻印を行う
標準的なシールド魔法を頭に浮かべた
魔法陣の一部を変えて、発動後にすぐ消滅に変更する
これで魔力消費を大幅に下げる事が出来るので、イメージを送り始めた。
「!!魔法刻印の魔力以上に持っていかれてる!」
「アニエス!凄い量の魔力が流れてるわよ!」
刻印台が光り輝くと、魔法刻印が完了した。
魔力の半分近くが、持っていかれた…
魔力減少による怠さを感じてきた
「はぁはぁ、マリー、これどうなってる?」
「アニエス、休憩してなさい顔が真っ青よ。えっと、この腕輪は色々ありそうだけど、私も全く分からないわ」
色々な事に気がつけるマリーでも分からないなんて…
悪い効果は、多分付いてないから大丈夫だよね
刻印台の腕輪を手に取ると、魔力眼で見てみる事にした。
「何これ、初めて見る魔力の流れだよ。魔力循環してるのは前からだけど、一定間隔で魔力が拡散してるね。常時発動の何かがありそうだけど…ちょっと試してみようかな」
魔法道具なので、サイズは装備する人により変化する
腕に付けてみると、しっかりサイズは私の小さな腕にピッタリとなった。
「重さも殆ど感じないね。魔力を持っていかれる感じもないね。ちょっと魔法を発動させてみようかな」
意識を腕輪に向けて、手を目の前に翳した。
目の前にシールドが発動して盾ができる
魔法の発動も問題ないけど、私のシールドは透明なんだけど、これ光ってるね
まぁ、成功したから良しとしよう
「アニエス、少し休みなさい。魔力かなり減ってるでしょ」
「そうだね、ちょっと休むよ」
リディアの魔法道具を作る前に休憩する事にした。
疲れたので、椅子に座ると自然と瞼が閉じてしまった。
お読みいただき、ありがとうございます。
よければブクマなどいただけると、転がって喜びます。
評価、いいね、ありがとうございます!
昔考えてた魔術と魔法の違いなので、見直しつつ少しでも分かりやすいように変えましたが、この世界はそうなんだと思っていただければ幸いです。
シャーリーがいない分、自由に過ごしてます。
何か気になる事や、こうした方が良いのでは、とかここはダメという所など、あればコメント頂ければ幸いです。




