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第1話 魔法使い(メイジ)になれないの?

初めまして、またはこんにちは!

本日より新作『魔法世界に転生したのに、魔法使い(メイジ)になれないの?』の連載を開始いたしました!

クラシックMMORPGのようなステータス割り振り、職業ジョブシステム、そして効率重視のスピードラン要素を詰め込んだファンタジー作品です。

ぜひ最後までお楽しみいただけると嬉しいです!

郊外にある小さな土の家の中に、新鮮な野菜の香りと、日光をたっぷり含んだ土の匂いがかすかに漂っていた。


10歳になったフリシア・バーハートは、自分の家族を穏やかな心地で見つめていた。両親はごく普通の農家だ。贅沢ができるほど裕福ではないが、毎日食べるものに困るほど貧しくもない。村の農家としてはごく標準的な暮らしぶりだった。


だが、物心がついてから毎日、畑仕事の手伝いや野菜の籠担ぎ、水汲みに肥料袋の運搬をこなしてきたおかげで、10歳にしては同年代の子供よりもかなり頑丈で力強い身体に育っていた。


(うーん……今の暮らしに不満はないけど、もう少しお金が稼げれば家も楽になるよね。お父さんもお母さんも毎日畑仕事で無理しなくて済むし、弟や妹たちにも毎日美味しいお菓子を買ってあげられるし!)


フリシアの頭の中には、幼い頃から妙な記憶が存在していた。それは前世の記憶——。

元の名前や自分の顔すらおぼろげだったが、自分が『ハードコアなネットゲーマー』だったことだけは鮮明に覚えていた。どんなオンラインゲームをやっても、魂に刻み込まれるほど極め抜いた職業はただ一つ、暗殺者アサシンだった。


しかし、今世で転生したのは剣と魔法の異世界!

そして今日こそが、彼女がずっと待ち望んでいた10歳の誕生日だった。


「何だって?! 冒険者になるだと、フリシア!?」


夕食の食卓の真ん中で、父親の大声が響き渡った。隣では母親がショックでスプーンを落としかけている。


「駄目よ! 危険すぎるわ!」母親が強い口調で反対する。「冒険者なんて、森の恐ろしいモンスターと戦う仕事じゃないの!」


「分かってるよ、お父さん、お母さん!」フリシアは慌てて手を振り、愛想笑いを浮かべた。「でもね、10歳の子供はギルドの規定で『薬草採取』や『街の草むしり』みたいな簡単な依頼しか受けられないの! 危険なモンスターと戦うなんて絶対ないから! 10代後半……15歳くらいになるまでは安全な仕事しかさせてくれないんだよ?」


説得と頼み込みを繰り返し、絶対に安全な薬草採取しか受けないと固く約束した結果、ついに両親も溜め息をつきながらギルド登録の許可を出してくれたのだった。


……


中央職業協会ジョブ・アソシエーション


ステータス鑑定と初期転職を司る街の巨大施設の中には、各職業の受付カウンターがずらりと並んでいた。


「はい、どうぞ。これが君の見習い冒険者カードだよ、フリシアちゃん」


受付の綺麗なお姉さんが、手のひらサイズの銅製プレートを笑みを浮かべて手渡してくれた。


「今はまだ『ノービス』っていう無職の状態だから、すぐに薬草採取に行ってもいいんだけど……まずはステータス測定カウンターに行って、初期スキルの習得と転職テストを受けるのをおすすめするわ。スライムみたいな低レベルモンスターの討伐もできるようになるし、何よりスキルがあった方が安全だからね」


「お姉さん、ありがとうございます!」


カードを受け取ったフリシアの瞳が輝いた。

彼女が迷わず向かったのは『魔法使い(スペルユーザー/メイジ)』のカウンターだった。胸の高鳴りは破裂しそうなほど膨らんでいた。


(前世では一生アサシンしかやってこなかったんだから! 黒レザーを着てナイフ片手に鉱山に潜伏する生活はもうお腹いっぱい! せっかく魔法世界に生まれたんだから……今世は絶対に『メイジ』一筋で行くんだから!)


真っ白な法衣に身を包み、後方から格好良く詠唱を唱えて巨大な火の玉で敵を吹き飛ばす自分の姿が頭を駆け巡る。


しかし……異世界の現実はあまりにも残酷だった。


「ごめんなさいね、ボクちゃん……ううん、お嬢ちゃん。メイジの転職試験を受けるための資格を満たしていないわ」


魔法カウンターの女性受付員は淡々とした声で告げ、ステータス鑑定の石板を押し戻してきた。


「え……っ!? な、なんでですか!?」フリシアは目を見開いた。「私、火をつけたり氷を作ったりする基礎魔法なら使えます!」


「基礎魔法の詠唱なら誰でもできるのよ」受付員は優しく説明した。「でもね、魔法使い系の転職基準は『魔法力『MAG』が最低10ポイント以上必要なの。でもフリシアちゃんは足りないわ」


フリシアは用紙に書かれた『MAG:1』という数字を、虚無の目で見つめた。


「あの……何か他に方法はないんですか……?」フリシアは弱々しい声で尋ねた。


「そうねぇ」受付員は親切に微笑んだ。「一つは魔法学院の3年制基礎コースに入学することね。初期MAGが低くても、鍛錬でステータスを伸ばせば合格ラインに届くわ。もう一つは、冒険者としてレベルを上げて、レベルアップ時のステータスボーナスでMAGが10に達するのを待つことね」


(3年……それにレベルアップで何年もかかるかも、だって……?)


フリシアはがっくりと肩を落とした。畑で必死に働く両親と、美味しいお菓子を楽しみにしている弟妹たちの顔が浮かぶ。


(そんなに何年も待っていられるわけないじゃない……!)


転職センターの真ん中で落胆する少女を見かねて、近くにあった近接戦闘系ファイターカウンターの職員たちが物珍しそうに声をかけてきた。


「どうしたんだい、お嬢ちゃん? 魔法カウンターで断られちゃったのかい?」ガタイのいい男性職員が大笑いした。「どれ、俺たちにもその鑑定石板を見せてみな!」


職員たちは石板を受け取り、そこに刻まれた数値を見つめた瞬間——驚愕で目を丸くした。


「うおっ!? なんだこのステータスは!?」


「おいおい冗談だろ……! なんだってこんな偏り方してんだ!?」


フリシアは指示された石板の数値に顔を近づけた。


【 個人ステータス鑑定結果 】

STR(筋力):10 (物理系基準達成)

AGI(敏捷):10 (速度系基準達成)

DEX(器用):5

INT(知力):5

VIT(体力):1

MAG(魔力):1


「MAGがたったの1なのに、筋力(STR)と敏捷(AGI)が子供のうちから基準値の10を超えてるだって!?」職員は自分の太ももをバシッと叩いた。「暗殺系やスカウト系の適正なんてズバ抜けて合格ラインじゃないか! あっちのカウンターに行けば、今すぐ『スカウト』に転職できるぞ!」


フリシアは手の中の石板を見つめ続けた。

誇らしげに主張している『STR 10』と『AGI 10』の文字。


10歳の少女の口元が引きつった。可愛いローブを着た大魔導士になるという夢は、瞬く間に粉々に打ち砕かれた。彼女は絶望のどん底から、長くて重い溜め息を吐き出した。


(STR 10…… AGI 10……)

(これ……完全にアサシンのビルドじゃないのよー!!)


フリシアは両手で顔を覆い、血の涙を流さんばかりの勢いで心の中で叫んだ。


(……今世でも、アサシンの呪縛から逃げられないのねーーーっ!!)


---


名前:フリシア・バーハート

職業:ノービス(Novice)

Base Level:1

Job Level:1

Skill:-

最後までお読みいただきありがとうございました!

せっかくの異世界転生なのに、まさかの前世と同じステータス構成に絶望するフリシアちゃんでした(笑)。


少しでも「面白い!」「今後のフリシアの爆速育成が気になる!」と思っていただけましたら、ぜひページ下部の【ブックマーク登録】**や**【評価(★★★★★)】**、**【フォロー】で応援していただけると今後の大きな励みになります!


本日はこの後、**18:00に第10話まで一挙投稿**いたしますので、ぜひ続けてお楽しみください! ✨

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