古墳の建設
古墳の建設
代官の交代後、浅間山の噴火の振動が、佐久平に襲いかかっていた。
日に日に高まる噴火の予兆は、美和に至っても同仕様も無かった。
豪族どもはさらに何も出来ない。
揺れが起きて、噴煙が上がっても、風の関係で灰が落ちてくる。
厳しい自然の脅威は、なすすべが無かった。
浅間山の縄文の森でも、同じで、小屋を灰がかからないようにするぐらいで、むしろ冷静であった。
そして長子が代官になって3年目。
夏前、大きな噴火が起きた。
ドカンという大きな音とともに、ゴォーという火が空に吹き上がり、暫くしたら灰が降って来た。
集落でも豪族たちでもただ小屋や屋敷の中に引きこもった。
美和は、これは神の祟りなのではない、小屋に引きこもり、時を待つのだ。冷静になれと声を上げていた。
もちろん、これは、山彦や婆様がカンタを通して伝えた事。
しかし、代官になった長子は、美和の言葉として、大きく捉えた。
そして、噴火が収まり、田んぼには灰が被ったが、秋の収穫は無事に終わった。
それを見ていた父である前の代官が亡くなった。
長子である代官は、美和の進言もあり、翌年から墳墓を作る事にした。
集落の農民を田植えの合間を見ながら始まり、夏には佐久平の集落全員の活動として、墳墓の建設が行われた。
豪族は、何も言えなかった。彼らの集落から農民が動いても、それは仕方がない事とした。
先代の代官の墳墓が出来て、安心が広がった。
美和も祠ができて以来、気の休まる日々が続いていた。
50歳に美和はなっていた。
そんなある日、長子の代官に向かってボソッと発言した。
「自然は怖いのぉ、抗えない。
佐久平は、豪族が生まれ、たくさんの勢力が生まれたが、近畿圏の支配は大きく、強い。そなたも今後は頑張るのだぞ」
美和は、静かに眠りにつくように、静かに亡くなった。
代官は、美和がもたらした佐久平の平和を神の御心であったとした。
母の美和の墳墓も佐久平の集落全てを集めて建設することになる。
佐久平の豪族は、代官の動きに準じたが、それは勢力の打つかりには、ならなかった。
こうして佐久平には、沢山の墳墓が生まれたが、時代は違う方向で進んでいた。
佐久平は、夕日が入ると真っ赤に染まった。
風は吹いていなかった。




