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新しい物語  作者: 熊さん
第二章:豪族の種
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隠れ水田

隠れ水田



縄文の森の山彦には、集落を隠すとともに、もうひとつの計画を考えていた。


森のなかで、米作が出来ないか、という事であった。


森の外から見えない所を選んで、岩を除き、土を足して、水田の形を真似して作っていた。

水は、森に流れる川を使った。

集落の何人かにも手伝ってもらっていた。


夏、秋にかけて、集落にも言って長とのコミュニケーションをとっていた。


カンタがもたらす、屋敷と情報と引き換えに、米作りの相談もしていた。

そして、秋の収穫も森の者を連れて、手伝い、種籾をもらうことができた。


一方、カンタは屋敷で、美和の新たな姿を見ていた。

美和が薙刀のような長い棒を使って、兵達と稽古をしていることであった。

カンタとは直接の接触は無かったし、強さも測れなかった。


しかし、不気味な動きだ。

山彦は、その報告を聞いて感じていた。


冬に入り、山彦は、また八ヶ岳の石を交換するために、朝早く、屋敷の横を通り過ぎた。

あの美和が一人で長い棒を振り回しているのを見た。


その鋭い動きに、美和への威圧感の原因が分かったような気がしていた。


しかし、その後、カンタから兵との練習にも美和は出てこなくなったと報告があった。

カンタは寒いからと報告したが、山彦には違和感が残った。


年が明けて、縄文の森でも苗床を作る作業が始まった。


そして田植えだ。

いまでいうと一反ぐらいのものであったが、順調に育っていた。


一方、佐久平の集落では、集落の長が、それぞれの集落に交代で集まり、代官たちや兵達の支配の様子を話し合うようになっていた。


それは代官たちの支配から逃れるというよりは、情報交換をして、自分たちの集落を守るための必然的な動きであった。

縄文の森の諜報戦力に刺激されたからかも知れない。


結局、その年の縄文の森での稲作は、半分ぐらいしか出来なかったが、新しい食料に皆は喜んでいた。

山彦は、若い奴にも、学ばせる事も考え、集落との交流を密かに続けるのであった。


こうして年が過ぎ、翌年になって、美和の懐妊のニュースが飛び込んできた。

カンタは、屋敷では大騒ぎです。

と、報告してきた。


山彦は、静かな動きを感じていた。

何が動いているのか分からなかったが、不穏さは増すばかりであった。


縄文の森の隠れ水田は、今回は上手く育っているようだった。

稲穂は黄色く輝き、金色の稲穂が風に吹かれ、大きく波打っていた。


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