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14 見てたの?

 八重子さんの話によると、この世界(アストリア)の世界樹は私が思っていた物とは少し違っていた。

 まず、世界の(いしずえ)的な存在では無く、神様が創った特別な神木って感じ。

 昔はそんな物は無かったらしいのだけど、いつからか魔素溜まりが多くなり、この荒れ地のような場所が出来始めてしまったそうだ。

 挙げ句、人や魔物にも悪影響が出だし、神様は神獣を創造されたという。

 神獣の存在にによって、魔素が循環されているらしいのだが、その神獣の力の源が世界樹らしい。


『要するに、世界樹を傷つけるという事は、神獣を傷つけるという事さ。神獣が居ないとこの世界は魔素に侵されてしまうから、守らなければ成らないんだよ』


 だからといって、魔素を無くす事はできない。

 それは、この世界自体が魔素で成り立ってるからだそう。


 そんな八重子さんの説明を、なるほどと思った私。

 だがしかし、どうして私がここから離れられなくなったのかが、全く理解出来ない。


『世界樹が新たに生まれたって事は、新たに神獣が生まれるって事さ』


 世界樹は希少な素材が取れる。 

 葉は万病を治す薬になるし、実は若返りの効果が有る。

 そして枝や幹で作る物は神器となるため、知られれば間違いなく狙われるが、もし万が一世界樹が傷付けられたり切り倒されれば神獣が消滅してしまい、神の怒りに触れこの世界が崩壊してしまう。

 いくら私が創った世界樹だとしても、同じように神様はお怒りになるだろうとの事。

 だから世界樹を守らなくてはならないのだと、八重子さんは言う。


『いつも言ってるだろう? 自分のしでかした事の責任は自分で取るんだよ』


 それを言われちゃあ、何も言えない。

 元々は神様のせいでしょう? とか、八重子さんの説明不足なんじゃ? なんて少しは思う所もあったが、確認を取らずに創ったのは紛れもなく私だ。


『カエデがこれから生きるこの世界を、カエデのために守らなくちゃね』


 八重子さんがポツリと言ったその言葉で私の負の感情は無くなってしまったしね。

 我ながら単純だけど、それだけ八重子さんの存在は、今も昔も私にとって大きな物だって事。


「神獣って、どこに生まれるの?」


『う〜ん、そこまではちょっと分からないね』




 * * * * * * * *


「わわわっ〜!? これは〜困りましたね〜」


 間延びした話し方だが、アストリア(神様)は真剣に困っていた。

 自分の不注意でこの世界(アストリア)に落としてしまった異世界の子が心配で、様子を見ていたのだ。


 咄嗟に自分の神力を注いで、彼女が世界に馴染めるように体を創り変える事は出来たが、魔力を渡す事が出来なかった。

 アストリアが創った『便利アイテム』と、付けた加護をうまく使ってくれたら何とかなるとは思っていたが、まさか新たな世界樹を創ってしまうとは……。


「さて〜、どうしたものでしょうか〜。魔の森にある世界樹は喜んでいるようですね〜。頑張って根を荒れ地まで伸ばし始めました〜。ナビゲーションの八重子さんでしたっけ〜? 彼女がきちんと説明してくれて〜助かりましたね〜」


 アストリアは深くため息を付くと、嬉しそうになにやら作業を始めた。


「とりあえずは〜、世界樹が増えた事で〜世界に影響が出ないように〜調整しましょうか〜。あとは〜どんな神獣がいいですかね〜」


 調子っぱズレの鼻歌のように、語尾を間延びさせるアストリア(神様)はどこか楽しそうだった。

お読み頂き有難うございます。ブックマーク・評価の方よろしくお願いします。



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