13 やっちゃいました?
『……まあいいさ。苗にたっぷり水をやりな』
しばらく無言だった八重子さんは、何か諦めたような感じでそう言った。
なんだ、特に何も無いわけね?
失敗したかと少し不安になちゃったじゃん、びっくりさせないでよね〜。
それよりも今は水やりが先だ。
しかし、どうやってお水をあげようか? バケツなんてどこにも無いよね。
八重子さんはそのまま何も言わないから、少し考えて虹魔石を神力注いでまた創り、残ってる枝でたくさん水が入るジョウロを作成。
我ながらいいアイデアだ。
しかし、想像具現化はいい仕事をしてくれる。
蛇口の所……、呼び名は水道でいいよね。
水道でジョウロに水を入れていくんだけど、いつまで経ってもいっぱいにならなくてなんだか不安になった。
でもね、たくさん入る分には問題ないよねと思い直し、程々で止めて苗に水をかけてあげたんだけど。
水をかけた途端、気のせいか虹色に発光して、苗がぐんぐん大きく成って行く。
な、何で!?
膝丈までしかなかった木の苗は、驚いて見ている私の目の高さまで伸び、青々とした葉を幾つも付けて成長が止まったのだ。
心なしか、葉っぱが薄っすら虹色に発光してる気がしないでもない。
「や、八重子さん!? どうなってるの?」
『……虹色魔石を使った蛇口から出た水って事は、神力が多く含まれている神の水って事さ。そりゃあ、普通の苗だって成長は早いだろうね。ましてや、あんたが創ったのは虹色魔石で創造した苗だろ? 間違い無く普通の木じゃなくなるよねぇ……』
なんだか八重子さんの引きつった笑顔が浮かぶのは、気のせいだろうか?
「え? それじゃあ、これは何の木?」
『完結に言うと、もう一つの世界樹が出来ちまったって事さ……』
……世界樹ってアレの事かな?
何となく、嫌な予感がしてきたんだけど
「ねえ、八重子さん? 世界樹って、葉や実にはどんな病気も治せる力が有るって言われてる木の事、かな?」
『まあ、そういう事さ。困った事にね……』
あ、やっぱり困るんだ〜。
でも、できちゃった物は同仕様もないじゃない?
「……なんで困るの、かな?」
恐る恐る問う私に、八重子さんの返答は容赦ないものだった。
『分かってないんだろうから一応言っておくよ。私はね、ここであんたにある程度の経験を積ませたあと、しっかり準備をして町に移動するつもりでいたんだよ。けどねカエデ、あんたはここを離れられ無くなっちまったんだ』
え? なんで?
ここから離れられないって事は、ずうーっと1人きりの生活になるって事だよね?
まあ、もともと人と関わるのが苦手だったし、八重子さんがいるから今は良いとして……。
それでも、色々な生活用品とか、もの凄く困るんですけど?
……どうしたら良いの八重子さん!?
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