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はじまりの 終わり

ヴァリシオンとアルトシオ であい編 終わりです

フィオラシアが目覚めてから数日後。


三年の眠りは少女の体調に変化をもたらしフィオラシアは三日三晩高熱にうなされた。


月の乙女が無力な人間の証だ。やっと体調の回復したフィオラシアをともなってアルトシオはシリウスに乗り難民キャンプを目指した。


親友であるトーマに少女を紹介するために。その背中で少年は語る。


「戦いの先になにがあるのかは僕にもわからない。でも、ヴァリシオンが生きてる限り戦争が終わらないなら、僕はこの『光の大陸』を守るために戦う」


澄んだ少年の眼差しをまぶしげに見上げてフィオラシアは微笑む。


「見て、アル・・・」


二度のヴァリシオンの襲来により焼け野原になってしまった渓谷に、兵士と難民が協力して家々を築きあげている。


枯れ木とぼれぎれで造ったものではなく頑丈で暖かな煉瓦造りのちゃんとした家だ。


小川を引用してできた池にはアヒルたちが泳ぎ、数頭の豚や牛が水を飲んでいた。


「お姉様はここに新しく村を作ることをお決めになられたの。最も大切な水はあるんだし、炎に浄化された大地にはほらー」


少女が指さす先には力強く大地に芽吹く新しい生命たち・・・。


「この大地に新しく生まれてくる生命があるのなら、少なくても私達に戦う意味はあるんじゃないかしら」


愛しげに新芽に指ふれるフィオラシアの姿にアルトシオは頷いた。


「そうだね・・・」


戦争は確かになにも生み出さない。


けれど、この大地に新しく生まれてくるものがあるかぎり、


(僕は戦おう)


ー無力を無限にかえるためにー、


ーいつかこの世にふたたび『聖霊界』をとりもどすために、


ー僕はいく!

            

         

次からは アルトシオの両親の話になります こちらの話より長くなったのでわけます

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