11話:一条家、住む国を決める
翌朝。
俺達、一条家は次の街へと到着した。
時刻まだお昼と言うこともあり、昼食を食べてから宿を取った。
「少し色々な国とかの情報を集めないか? 流石にこのまま旅をするって訳は行かないし」
「それもそうだな」
俺の提案に父さんは頷いた。
「そうね。少しは落ち着ける街でも探さないと」
「そうだね」
か
みんなも賛成のようだ。
「今日から二手に別れて情報でも集めるとしよう。それじゃあ、夕飯までは宿に集合しよう。伊織と舞、俺と母さんで分ける」
父さんの提案に俺達三人は賛成し別れた。
「お兄ちゃんどこで情報を集めるの?」
「図書館かギルドになるだろうな」
「定番ね」
「そこしかないだろ?」
「それもそっか。獣っ娘いないかなぁ~」
「ここにいるわけ──」
俺は「ないだろ」と言いおうとして固まった。
だって獣人がいたのだから。
だが……
「あれって……」
「ああ」
ボロボロの服を着た男の子。
頭には耳が生えており、お尻辺りからは尻尾が生えていた。
だがそうではないのだ。
「奴隷……だよね?」
「だろうな」
首輪に繋がれた鎖が、その男の子が奴隷だと物語っていた。
酷い傷にアザもある。ムチで打れたような、蚯蚓脹れもあった。
「酷い……」
「だな、でもこれが異世界だ。先を急ごう」
「……うん」
それから、近くの人に図書館の場所を聞いて向かった。
着いた場所はこじんまりとしている図書館だった。
中に入ると人気は無いに等しかった。
街の人はこういう所にはあまり来ないのだろうか?
そんなことを考えながらも、俺と舞は職員だろう人に尋ねる。
「すみません、本を探しているんですが」
「はい。どのような本でしょうか?」
「社会的な事が載っている本を探しています。あと周辺諸国の情報が載っている本を探してます」
「それならこちらにありますよ。着いてきて下さい」
職員さんの後に続いて俺と舞も移動をする。
少し移動すると立ち止まった。
「ここにあるのがそうです」
「ありがとうございます」
職員は立ち去って行く。
「さて、探すとしますか」
「うん!」
舞もやる気のようだ。
それから夕方まで二人して読み漁った。
そこから得られた情報は多かった。
これで、この世界のある程度の基礎知識は身に付いたはずだ。
「俺達が住めるような国はここか?」
地図の一点を指さす。
「……メェルメニア王国?」
「ああ、そこは亜人の差別をしていないって書いてある。奴隷はいるにしろ、人種差別がない国の方がいいだろうって思って」
「なるほどね。戻ったら提案してみようか」
「それがいいな」
こうして俺と舞は図書館を後にし宿に戻った。
宿に着き、家族で夕食を食べながら今日得た情報を話した。
「そうか。俺達もその国がいいと思っていた所だった。幸いにこの国のお隣の様だしな」
「そうね。差別がない方がいいし、獣っ娘がいるなんて素晴らしいわよ」
父さんと母さんも同じような意見だったようで安心した。
そうと決まれば移動となるのだが、徒歩だとまだまだかかりそうな距離だった。
「みんな、馬車を買ったらどうかな? 次の国って言ってもそれなりの距離があるようだし」
俺が言おうとする前に舞が提案した。
「実は俺もそう思っていたんだ。金はあるんだし」
舞の提案に俺は同意した。
「それが一番だな」
「そうね。でも誰も馬車を運転出来ないわよ?」
そこは問題はないだろう。
「大丈夫。俺が小説を書く際に体験してきたからある程度は馬車を操れる」
「そういえば行ってたな」
父さんが思い出したようにそう言った。
「でもあまり覚えてないから最初からになるだろうけど……」
「習えるわよ」
「そうね」
「それもそうか」
こうして俺達一条家は、馬車を購入することになるのだった。




