#38 キラメキに、つつまれて その3
「リタイアだ」
先に口を開いたのは優だった。
SSS本選出場を決めた直後
突然、意識を失ってしまったゆうき
あれから、まる一日
彼女の意識が戻ることはなかった。
あの時、意識を失い倒れたゆうきを抱き止めた時
驚く程、彼女は軽かった
「せっかくココまで来たのに・・・」
残念そうに真由美がつぶやいた
「ちょっと!!どういうこと!?」
叫び声と共に、控室に飛び込んできたのはハルカ
そのまま、ゆうきのそばへと歩み寄っていく
その怒りとも悲しみとも取れない表情で、声を荒げて言葉を続ける
「こんなところで、投げ出すつもりなの!?」
肩を掴んで更に言葉を続ける
「そんなことじゃ、あなた・・・」
言葉を詰まらせ肩を震わせる
「おわりだよ・・・」
優が結論を下す。
「簡単に言わないで!!」
「お前に何が解るんだよ!?」
お互いの感情が、ぶつかり合う
「わかるもん!」
その目に涙が溢れていた
「だって・・・・」
そのまま優を睨みつける
「・・・・・・」
優も、目をそらさずに受け止める
「私も同じだもの」
消え入りそうに吐き捨てた
そして、ゆうきを抱きしめて言った
「待ってるから・・・・」
「あの空のてっぺんで、待ってるから!」
それはハルカの新たな決意表明でもあった
「絶対に、追い付いてきなさい・・・」
「それまで、勝負は待っててあげるわ」
涙を拭って振り返る
「あなた達も」
「待っててあげて・・・」
そのまま部屋を出ていく
「そのつもりだよ」
真由美がその背中に応える
「だって、大事なライバルだから・・・」
「そうです!」
月乃と蘭も力強く応えた
そして俺たちの挑戦は幕を下ろした。
それでも星は輝きを放ち続ける
幾千のキラメキを、その身に受けて
その行く末は、また別の物語。




