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トラブルメイカー -To Love Maker-  作者: TAMA-RUN
118/167

#118 ボーイ・ミーツ・ガール 2

夢を、みていた


その夢の中で

私は自由だった


どこへでも行けるし

誰とでも笑える


他の人たちにとっては

ありふれた自由


そんな自由でも

私にとっては大きな夢


そう、全てを投げ出して逃げ出した私には

有り余るほど大きな夢


私は気付いた

その夢が『嘘』だという事に


そして、その夢は

いつか覚めるという事に




「久しぶり・・・元気してたかしら?」


深紅のスーツを、身に纏う女性が一人

その愁いを帯びた瞳が、優気を見つめる


「か、母さん・・・?」


思わず硬直してしまうほどの出来事

その人こそ誰であろう『月真優気』の母親にして

世界屈指のファッションデザイナー『YURA』


その名を『月真優良げつまゆら


「きゃぁぁぁ~っ!?」

「暫く見ないうちに、イイ男になっちゃってぇ~!?」


見た目の優艶さと裏腹なテンションで、優気に抱きついて頬擦りしてくる


「ちょっ・・・なに・・・」

必死にあがく


「ささ!『おかえり』の、ちゅーを頂戴!」

言いながら、唇を近づけてくる


「するか!!」

思わず叫ぶ


「が~ん・・・!?」

よろよろとその場に膝を付く


「優ちゃんが・・・優ちゃんが・・・」

ほろほろと涙を流す


「優ちゃんがグレたぁぁぁ~っ!!」

電柱にしがみつきながら叫び散らす


「なんでだよ!?」


あまりにも過保護な、優気の母親

溺愛ぶりがそのテンションに現れている


「てか、親父は一緒じゃないのかよ!?」


彼の父親もまた、世界を股に駆ける『考古学者』である

あまりにも斬新な切り口から、解明されてきた歴史的貢献は

世界中から、講演を頼まれるほどの権威である


「真白さん・・・?」

彼女が、その名をつぶやくと同時に空気が変わる


「あんなロクデナシ、知りゃしないわ!!」


仮にもアンタの旦那だろう


「一緒に帰る約束も、すっぽかして・・・」

家族わたしたちよりも、仕事が大好きなのよ~っ!」

怒りから一転、子供のように泣きじゃくる


「おい!おい!」

確かにおやじは、のめり込みすぎることもある


「心配しなくても、きっと帰ってくるって・・・」

ここまで言って、ふと思う


「帰ってくる・・・?」

抱きついてきた母親の頭を、適当に撫でながら考える


「なんで突然・・・?」


二人が、突然帰ってきた

これは偶然なのか?


「優ちゃん!」


彼女の声が、優気を現実に戻す


「一体、何をしに来たんだ?」

疑問をそのままぶつける


「選びなさい」

突然、真面目な声


「私と来るか、真白さんと行くか」


突然の選択に、意図が理解できぬまま固まってしまった



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