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いつか魔王になろう!  作者: Red/春日玲音
第一章 魔王になろう

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※SS 魔王城のMerryXmas! ~準備編~ 

ショートストーリーです。

ハロウィン向けに考えていたのですが、結局1か月過ぎてしまい……、でも勿体ないのでクリスマスの序章として使わせてもらいました。

 

 「くりすますぅ?」

 「そう、クリスマスよ!」

 カナミが、またおかしなことを言いだした。

 

 「カナミ、この間も、何か変な事言ってましたわよね?確か……はる……はれ……はろういん……でしたっけ?」

 ねぇねが、そう言ってくる。


 「あ、アレは……ははは……。」

 カナミも思い出したのか、ねぇねから目をそらして誤魔化している。

 そう、あの時はひどい目にあった。


 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇


 「ハロウィンよ!世間はハロウィンなの!」

 全ての悪夢は、このカナミの一言から始まった。

 「カナおねぇちゃん、はろうぃんってなぁに?」 

 ソラがカナミに聞く。

 「ハロウィンっていうのは、悪魔やお化けに仮装して悪戯したりお菓子をもらったりするパーティの事よ!」

 「仮装……ですか?」

 ねぇねが周りを見ながらカナミに聞いている。

 私も周りを見てみる。

 カナミが言う悪魔とかお化けとかって……。


 私達は今、魔族領にいる。

 魔族領では、カナミの言う姿形の種族が普通に存在しているのに、その姿に変装することにどういう意味があるんだろう?  

 「えっと、えっと……。」

 カナミも、ねぇねの言葉に困惑している。


 「アレは、また考えなしに言い出したんだな。」

 気づくと、隣ににぃにがいた。

 「にぃに、はろうぃんって何すか?」

 「あぁ、俺達の世界にあったお祭りでな、元々は色々な意味があったんだけど、要はバカ騒ぎをする口実だよ。」

 にぃにがそう説明してくれる。

 にぃにとカナミがいた世界というのは、私には想像もつかないけど、そう説明してくれるにぃには、決まって遠い目をしていた。


 「でも、仮装ってなんなのじゃ?」

 いつの間にかちゃっかりと隣に座ったエルが聞いてくる。

 向こうでは、カナミがねぇねとソラに「仮装とは!」と熱演しているので、飽きてこっちに来たのだろう。

 「俺達の世界では、この魔族領にいるような種族は想像の世界でしか存在しなかったんだ。で、そう言う存在が悪さをするって信じられていて、変装した子供たちが「お菓子をくれないと悪さするぞ」って言って、大人からお菓子をもらって回っていたんだよ。」

 「そうなんすね……でも、だったら変装するのはソラだけじゃ?」

 私は疑問に思ったことを口にすると、にぃには笑って、私の頭を撫でてくる。

 「言ったろ?バカ騒ぎをする口実だって。昔はそう言うものだったらしいんだけど、今では誰もが変装を楽しんだり、集まってワイワイするための口実……つまり、理由なんて何でもいいんだよ。」

 

 「そうっすか……つまりカナミはパーティがしたいって事を言いたいんすね。」

 私はようやくカナミが言いたいことを理解できた。

 パーティで騒ぐのは、私も嫌いじゃない。

 特に最近はみんな忙しくて、昔みたいに常に一緒にいるって時間が少なくなってきたからね。

 「そうだな、カナミもたまにはみんなと一緒に騒ぎたいんだろうな。」 

 私が思っていた事と、同じようなことをにぃにが口にする。

 「そう言う事なら私も手伝うっすよ!」

 私はにぃにそう伝える。

 「あぁ、頼んだよ。」

 にぃにはそう言って、魔王城の方へ戻っていく……これから人族の領土へ向かうらしい。

 最近、にぃにも忙しいみたいで、魔王城にいる事が少ないけど、移動の合間に、こうやって顔を出してくれる。

 たぶん今も息抜きに顔を出してくれたんだと思う……けど、ちょっと寂しいな。


 「だから「とりっく、あ、とりーと」って言ってセンパイを襲うのよっ!」

 「分かったよ、カナおねぇちゃん。格好はサキュバスの人たちみたいでいいんだね。」

 「そうそう、ソラちゃんは分かってるね。」

 ……カナミたちも話が盛り上がっているみたい。

 なんか、不穏な計画が聞こえた気もしたけど……ま、いいか。


 「とにかくパーティなんすよね。獲物取ってくるっすよ、メインは何がいいっすか?」

 私はカナミにメインディッシュになる肉の種類を確認するけど、何でもいいみたいなので、ビックボアと、トロ-鳥にしようと思う。

 にぃにに教えてもらった、トロー鳥のから揚げは、私の最近のお気に入りだからね。


 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇


 「結局、パーティで大騒ぎしたっすけど、その後皆で「とりっくあとりーと」って言ってにぃにの寝室へ飛び込んで失敗したっすよね?」

 私がそう言うと、カナミは気まずそうに目を背ける。


 「アレは……そう、ハロウィンは子供のお祭りだから、アダルトな展開には向いてなかっただけなのよっ!」

 反論を思いついたようで、カナミがそう言ってくる。

 「だけど、クリスマスは違うわ。クリスマスの晩は愛を確かめ合う聖なる夜なのよっ!」

 どうや!~って顔でカナミがそう言ってくる。


 「とにかくっ!ハロウィンでは失敗したけど、クリスマスまではまだ時間があるからね、じっくりと準備して、最高のクリスマスをやるわよ!」

 私達は、互いに顔を見合わせて、仕方がないなぁという顔で、カナミに頷く。

 なんだかんだと言ってみんな騒ぐのは好きなのだ。


 「で、具体的にはどうするの?」

 「それはねぇ……。」

 ……こうして、カナミ主導で、私達のクリスマスパーティに向けての準備が始まった。


クリスマス編はクリスマス前後に投稿……出来ればいいなと思っています。

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