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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

聖女に好かれてるけど、俺は詰んでる…[リライト版]

作者:Seseal
最新エピソード掲載日:2026/04/11
ある春先の日、アルムとそのクラスメイトたちは空間震に巻き込まれ――元素魔法と神秘に満ちた異世界レトレンへと落ちていった。だが、超常の世界にあってもなお、アルムはどこか冷めていた。どんな世界であろうと関係ない。人の形をした怪物であれ、獣であれ、異形であれ――本質は何も変わらない。

彼はずっと一人ではなかったことを知っている。それでも、自分がそんな優しさを受けるに値するとは思えなかった。自分に色を与えてくれた者たちへ――今こそ、その恩を返す時だ。とりわけ、この新たな世界の鮮烈な恐怖の中で――生き延びるために。

そして道の途中で、色が庭へと滲み始めた。緑は芽吹き、青は塗り重ねられ、赤は蕾のように宿る。彼の心臓が、初めて奇妙な鼓動を打った――平穏な大都市イリフェルに辿り着いたその時、彼はアメテリーに一目惚れしたのだ。

見知らぬ一人の少女――その正体は帝国の聖女だった。

(これを追い求めてもいいのか?)

彼は冷静に、可能性を見据える。だが、彼のような人間にとって変化は容易ではない。洗われたばかりの刃が、再び血に染まるまでにどれほどの時間がかかるのか。

――

銀灰色の髪とピンクアメジストの瞳を持つ優雅な聖女は、帝国屈指の光魔術師として知られていた。かつては常に姉の影に隠れ、研究と剣の道に没頭し、亡き祖母の遺志を継ぐことを願っていた少女――そんな彼女が、恋に落ちた。

相手は異邦人。柔らかな金色の瞳に、漆黒の髪。どこか抜けた表情をしていながらも、不思議と人を惹きつける存在。

初めての恋に戸惑いながらも、アメテリーはただ一つ確かな想いを抱いていた――もう一度、彼に会いたい。

だから彼女は願う。同じ場所で、同じ時間に、再び巡り会えることを。

今度こそ、彼の名を知り、自分の名を知ってもらうために。

たとえこの恋が実らなくとも――その光が、彼の灰色の世界を、確かに照らすように。
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