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ある記憶喪失者の日常  作者: ねぶた
新章
329/329

「知るキンディ」開発秘話㉘

以下の曲を聞きながら読み進めますとホトケダ・サトシとイズミ・マネージャーのドライブの様子を想像する助けになるかもしれません。


     晴れた日のドライブで聞きたい疾走感溢れる洋楽Playlist

     https://www.youtube.com/watch?v=WnprRHAHvDs&list=RDWnprRHAHvDs&start_radio=1


休日の朝だった。


イズミ・マネージャーの車にホトケダ・サトシが乗り込んだ。


「……おはようございます、イズミン。」


「おはよう、ホトケン。今日は天気がいいな。」


ホトケダ・サトシの肩の上でラビィが腕を組んでいた。


「>(L*`д´)<……おはよう、って言わないの?アタシには?。」


「おはようラビィ。」


「>(L*`-´)<……まあ、いいわ。」


イズミ・マネージャーは機嫌よく車を出した。


ハンドルを握る手が、自然と馴染んでいく。


窓から風が入ってくる。


信号が青に変わる。


アクセルを踏む。


エンジンの音が少し上がった。


「……いい音だな。」


思わず呟いた。


「……何ですか?。」


「いや。……久しぶりに遠出しようと思ってな。」


「どちらへ。」


「……峠の方を抜けて行こうかと思う。」


「峠、ですか。」


「空いていて景色がいいんだ。」


「ああ……それはいいですね。」


「>(L*`-´)<……峠。」


ラビィが静かに繰り返した。


「どうした、ラビィ。」


「>(L*`-´)<……別に。」


イズミ・マネージャーはゆっくりとアクセルを踏み込んだ。


道が広くなり、前が開けた。


「……ああ。」


小さく声が出た。


「……イズミン?。」


「……なんでもない。……ただ、気持ちいいな、と。」


「>(L*`-´)<……なんかいつもより精彩な顔色してる。」


「ほう?、そんな顔をしているか。」


「>(L*`д´)<……してる。」


イズミ・マネージャーは笑った。


「もしかしたら昔を思い出したからかも知れないな。」


「>(L*`-´)<……ふーん。」


ホトケダ・サトシは窓の外を見た。


景色が流れていった。


「……いい天気だな。」


「……そうですね。」


「>(L*`-´)<……まあ、悪くないわね。」


三人分の、穏やかな時間が流れた。


     ◇


しばらく走ったところで、イズミ・マネージャーが口を開いた。


「そういえば、ホトケン。」


「はい。」


「カワイ君の件、上手く収まってよかったな。」


「そうですね。」


「誤解が解けてよかった。」


「……はい。」


「>(L*`-´)<……。」


ラビィが少し首を傾けた。


「君もそう思うだろう?。」


「はい。あの場で説明できてよかったと思います。」


「カワイ君もちゃんと判ってくれたようだったしな。」


「はい。」


「>(L*`-´)<……。」


ラビィがまた少し首を傾けた。


「あの後、カワイ君と顔を合わせたが、普通に挨拶してくれたよ。」


「自分もそうでしたよ。」


「いい子だな、カワイ君は。」


「……そうですね。」


「>(L*`-´)<……ふーん。」


「どうした、ラビィ。」


「>(L*`-´)<……別に。」


「何か言いたそうだが。」


「>(L*`-´)<……別に。」


「遠慮しなくていいぞ。」


ラビィはしばらく黙っていた。それからぽつりと言った。


「>(L*`-´)<……ねえ、あそこのカフェ、気になるんだけど。」


「……え?。」


「>(L*`д´)<ちょっと寄ってよ。ドライブついでにカフェ寄るのって普通でしょ?。」


「いや、まあ、普通だが。」


イズミ・マネージャーは車を路肩に寄せた。


「ホトケン、ちょっと寄っていくか。」


「……はい。」


三人はカフェに入った。


席に着くと、ラビィはホトケダ・サトシの耳元に近づいた。


「>(L*`-´)<……ねえ。」


「何だ。」


「>(L*`-´)<……カワイさんって、本当に誤解が解けたと思う?。」


「……解けたと思うが。」


「>(L*`-´)<……アタシ、あの子の顔、見てたんだけど。」


「……どうだった。」


「>(L*`-´)<……解けてないと思う。」


ホトケダ・サトシは少し止まった。


「……なぜそう思う。」


「>(L*`-´)<……説教されてる時のカワイさんの顔、ちゃんと見てた?。」


「……見ていたが。」


「>(L*`-´)<……鳩みたいに頷いてたじゃない。」


「……そうだな。」


「>(L*`-´)<……アタシ思うんだけど、あれって納得した顔じゃなかったと思うのよ。」


「……どういう顔だった。」


「>(L*`-´)<……嵐が過ぎるのを待ってる顔。」


ホトケダ・サトシはしばらく黙っていた。


「……そうか。」


「>(L*`-´)<……アタシの勘違いかもしれないけど。」


「……いや。」


「>(L*`-´)<……何?。」


「……君の顔を読む力は、かなり信頼している。」


「>(L*`-´)<……ふーん。」


ラビィはぷいと横を向いた。


しかしその耳が、わずかに赤かった。


     ◇


※1


イズミ・マネージャーがメニューを眺めながら言った。


「……二人は何にするんだね?。」


「……コーヒーで。」


「>(L*`д´)<……アタシはケーキ。」


「ラビィは食べられるのか。」


「>(L*`д´)<食べられるわよ!。アタシを誰だと思ってるの!?。食事機能搭載の最新型よ!?。」


「……そうだったな。」


「>(L*`д´)<……ホトケンは自分が作ったくせに忘れるの?。」


「おっと、すまない。」


イズミ・マネージャーが静かに笑った。


メニューを注文した後、ホトケダは席を立った。


「イズミン。自分、ちょっとトイレに行ってきます。」


ホトケダを背中を見送った後、イズミ・マネージャーはラビィに話しかけた。


「……ホトケンは昔、女性関係でなにかあったのかな?」


「>(L*`-´)<……なに?突然。」


「うん。先程のカワイ君の件、あの時、ホトケンはカワイ君の行動を見てカワイ君に激高してたんだよ。」


「>(L*`-´)<怒ってたとは思うけど、激高?。」


「そう、むしろ怒られているカワイ君が可哀そうになるくらいにね。……思わず止めさせようとか考えたよ。」


「>(L*`-´)<でも止めなかった……。」


「うん、折角自分の為を思って行動してくれている事を考えたら、止められなかったよ。……それによくよく考えると働き盛りの適齢期で、女っけ一つ感じられないなっていうところが気になってきてね。」


「>(L*`-´)<……なるほど、で、過去に女がらみで何かあったかもって思ったわけね?。」


「そうなんだよ。ただ、切り出すきっかけも掴めてないしね……。もし、何かあったのなら力になってあげたいと思っている。本人がその気なら女性を紹介する事だってできる。」


「>(L*`-´)<……なるほど、ホトケンの婚期とか、そう言う将来を案じているのね?。……判った、何かわかったら連絡入れるわ。」


「お、やってくれるかい?。……頼むよ。」


「>(L*`д´)<……『別にアンタの為じゃない』って言いたいけど、持ち主の幸せがあたし達の幸せだもの。」


「うん。よろしく。」


「>(L*`д´)<アイアイサー♪。」


そこへホトケダが戻ってきた。


「お待たせしました……。先程遠くから見えてましたけど、随分話し込んでましたね?。」


「うん。会話も妖精型ドロイドの経験値だ。成長してもらう為にもお互い話さないとな。」


「へえ……、確かに会話も重要ですもんね。どんな話しをしたんです?。」


「うん。一人の男の子の行く末を見守るには、どうしたらいいかってね。」


「>(L*`∀´)<そうそう♪。」


「へえ……、ああ、イズミンのお子さんですね?。男の子いましたもんね。……あ、注文したものが届いたようですよ。」


イズミ・マネージャーとラビィは互いにアイコンタクトを取った。


     ◇


ラビィはケーキを一口食べた。


「>(L*`-´)<……おいしい。」


「よかった。」


「>(L*`∀´)<今日のデートコースとしては、まず星1つ上げてもいいわ。」


「そうか、ありがとう。」


「>(L*`д´)<でも、また1つなんだから、二人とも気を抜かないことね?。」


「「承知いたしました。お嬢様。」」


「>(L*`д´)<……星をもう1つ上げたくなる位、いい返事ねぇ?。でも、安売りはしないわよ?」


窓の外に、山の稜線が見えた。


イズミ・マネージャーはそちらをちらりと視線をむけた。


※1 のところで以下のBGMを聞きながら読み進めますとカフェでくつろいでいる雰囲気を感じられるかも知れません。


     カフェで流れるジブリメドレー【作業用BGM】

     https://www.youtube.com/watch?v=1mzHhu9uE0c&list=RD1mzHhu9uE0c&start_radio=1


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