サディスティク? そうでないと願いたい
……その頃、狼達はといえば。
「ったく、あいつどこ行きやがった?」
優を見失っていた。優が家を出て直ぐに追いかけてきたはずなのだが、何故これほど簡単に撒かれてしまうのだろうか。
「狼君狼君、多分こっち」
闇代が狼の袖を引っ張る。
「ほんとか?」
「うん」
除霊師と女の勘だろうか。頼りにならないと思うが。
「余計なお世話だよ!」
すんません。
「よし」
狼は、そちらに優がいると信じて走り出す。
◇
「とりあえず、徹底的に痛めつけてあげるね」
優は刀を真横に薙ぐと、それを振り上げる。
「雷天」
すると、その刀身に稲妻が迸った。刃の周囲に、紫電がちらつく。
「轟く雷鳴の如し!」
勢いよく振り下ろされた刀の先から雷が飛び出し、前方の二人に襲い掛かった。
「くっ……!」
男の放った弾丸と雷がぶつかり、その弾みで衝撃波が生じた。
「このっ……!」
続く女の銃撃。しかしそれも、優に切り伏せられてしまう。
「光天」
そして続けざまの攻撃。刀を二人に向けたまま、剣先に小さな光球を生成する。
「輝く空の如し!」
光球が弾け、辺りを眩い光が覆い尽くした。
突然の目晦ましに、異種族の兄妹は揃って視界を奪われてしまう。視野が戻る頃には、彼らの前に優の姿はなく―――
「轟く雷鳴の如し!」
「ぐわっ!」
「きゃっ!」
背後から優の電撃をまともに受け、二人まとめて倒されてしまっていた。
「はい、お仕置き終了」
そしてその二人を見下ろすように、優が微笑んでいたのだった。




