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クインテット。ナイツ  作者: 恵/.
M―視える。ナイツ
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おまけ①―闇代と狼のその後一(ちょっとやりすぎたかも……)

 今回はちょっと(というかとても)やりすぎた感じなので、読まないほうがいいかもしれません。主に闇代のイメージが崩れるので。まあ、たとえ削除覚悟でも載せてしまうのですが……。


 ……闇代と一片が狼の家に来て、一週間ほど経過した。さて、皆はどうしていることか。とりあえず、狼と闇代のほうから見てみることにしよう。



「おい闇代!」

 狼は乱暴に扉を開ける。

「ちょっとぉ~、レディの部屋に入るならノックくらいしてよぉ」

 部屋の中では、闇代が床に寝転んでいた。室内には幼児向けの洋服があちらこちらに脱ぎ捨てられており、女性向けのファッション誌も散らかっていることから、どうもここは闇代の部屋となっているようだ。

「そうか。お前は『レディ』なんだな?」

 狼は米神に青筋を浮かべながら確認する。

「うん。清く正しく美しく、可憐でキュートな将来の夢は狼君のお嫁さんの飾闇代はれっきとしたレディだよ」

 自信満々に言う闇代。一体、どこからその自信が湧いてくるのだろうか?

「最後のほうには目を瞑るとして……。お前が自分のことをどう思っているのはよく分かった。だがな」

 狼は右手を闇代のほうへ突き出すと、

「こんなもんを男の洗濯物ん中に突っ込む奴を、俺は『レディ』とは認めない!」

 握られていた右手を開いた。すると握られていたものが、ひらひらと舞い落ちた。それは、可愛らしいデザインの、女性用の下着だった。

「あっ、それわたしの」

「お前が突っ込んだんだろうが!」

 怒鳴る、を超えて叫ぶように突っ込む狼。

「んもう、言ってくれればあげたのに」

「いらん! 寧ろ、二度とこんなもん見せるな!」

 そういうと狼は、自分の部屋へと戻っていった。


  ◇


「はぁ……」

 狼は部屋に戻るなり、ベッドに寝転んだ。

「まったく。一旦家へ戻る前に、フルボッコにしてくれたあいつと、同一人物とは思えないぜ」

 闇代が実家に帰る際、彼女は狼に制裁(私刑)を加えていた。罪状は『パンツを見たから』なのだが、寧ろ今は自分から見せているような状態だ。

「……闇代の奴、俺相手じゃなかったら今頃どうなってたことか」

 口では色々言いつつも、ちゃんと彼女のことを案じている様子の狼。まあ、それも仕方ないであろう。何せこの数日間、闇代はずっとこの調子なのだから。

 例の一件以来、彼女は狼に好意を抱いたようだ。それはいいのだが、問題は闇代のアプローチの仕方だった。


  ◆


 ……三日前。


「狼ー、そろそろお風呂に入ってください」

「了解」

 優に言われ、入浴の支度をする狼。着替えやバスタオルを用意すると、風呂場へと向かう。

「ふーっ、今日は風呂入ってさっさと寝るかな」

 脱衣所で服を脱ぎ、所定のかごに脱いだ衣類を入れると、手ぬぐい片手に風呂場の戸を開ける。

 手ぬぐいに石鹸をつけて泡立てていると、戸の向こうから声がしてきた。

「狼君?」

「闇代か?」

 手を止め、戸のほうを向く。戸の曇りガラスには、ツインテールのシルエットが映っていた。

「何か用か?」

「えっとね、お背中流してあげようかなって」

「いらん」

 即答すると、泡立て作業を再開する狼。

「どうして? 背中とか、洗いにくいでしょ?」

「普通に届く」

 狼は腕が長い上に体が柔らかいので、背中を洗うのにも不自由しない。

「遠慮しなくていいのに」

「遠慮じゃねえ」

 言ってる間に、狼は体を洗い終えたようだ。

「つーかもう洗い終わったから、とっとと失せろ」

「はーい」

 そして、曇りガラスのシルエットが消えた。

「ふーっ」

 湯船に浸かり、思わず溜息を漏らす狼。彼は肩まで浸からず、半身浴するタイプのようだ。

「おまたせー」

「ぶっ!」

 すると突然、バスタオルを身に纏った闇代が、風呂場に入ってきた。

「何で入ってきてんだ!?」

「え? お風呂でいちゃいちゃしたいから」

「する気もないし一緒に入る気もないから……、とっとと出てけぇぇ!」

「きゃっ!」

 狼の一喝に、闇代が外へ飛んでいく。

「ったく、何考えてるんだか……」

 後になって分かったことだが、この日彼が穿いていたパンツが、何故か行方不明となっていた。


  ◇


 ……その翌日。


「ったく、何か暑いな……」

 まだ六月なのだが、この日は少々暑かった。先日まで涼しかっただけに、狼はアイスバーを咥えて暑さを凌ごうとしていた。

「おっと、もうなくなっちまった」

 暑さでアイスが溶けるのが早く、それが零れ落ちないようにと気をつけていたら、かなりハイペースで消費してしまったようだ。

「けどまあ、一日に何個もアイス食うわけにもなあ……」

 他の方法で涼もうと考えつつ、不要となったバーをゴミ箱に捨てる狼。

「……って、何やってんだ闇代!?」

 ふと振り返れば、闇代がゴミ箱を漁っていた。

「何か間違えて捨てちまったのか?」

 しかし彼女はそれに答えず、やがてお目当てのものを探し当てたようだ。

「はぁ~。これを、さっきまで狼君が……」

 うっとりとしながら手にしていたのは、さっき狼が捨てたアイスのバーだ。

「いただきま~す」

 そして、それにパクリと齧り付く。

「おい! 何しとんのじゃ!?」

 狼の叫びも聞かず、闇代は恍惚としながらバーを舐めている。

「……狼く~ん」

 その光景に、狼は最早寒気すら感じていた。


  ◇


 ……更にその翌日。


「ただいま、っと」

 狼は学校から帰るなり、テレビの前で寝転がった。傍らに落ちているリモコンを操作し、夕方からやっているドラマにチャンネルを合わせた。

「ただいまー」

 直後に闇代も帰ってきた。

「狼君、もしかして……」

 かと思えば、手に持っていた鞄を床に落としてしまう。

「ん? どうした?」

 一方狼はドラマに夢中で、闇代の異変に気付かない。

「こんなところで横になってるってことは……いいんだよ、ね?」

「は?」

 振り返った頃には、時既に遅し。

「狼きゅーん!」

「わっ!」

 闇代が、狼に飛びついてきた。

「な、何しやがる……!?」

「はぁ……はぁ……はぁ……」

 狼の問いかけも、今の闇代には届いていない様子。馬乗りになったまま、息を荒くして、彼の制服に手を掛けている。

「ちょっ、おい!」

「あ、暑いよね? もうすぐ夏だし……。そ、それに早く脱がないとお優さんに怒られるし……」

 まるで何かに取り憑かれたかのように、狂気じみた行動を起こしていく闇代。対して狼は抵抗しようとするも、華奢な闇代に圧し掛かられているだけだと言うのに、まったく身動きが取れないでいた。

「ほ、ほら、お優さんに怒られちゃうから……」

「や、やめろ!」

 闇代の吐息が更に早くなり、あわやこれ以上書けない状況になるかと思われた。

「……お前達、何をしているんダ?」

 そこへ丁度、一片も帰宅してきた。

 一片によって助け(?)られた狼は、彼に対してこれでもかというくらいに感謝したのだった。


  ◇


「……思い出しただけで頭が痛くなってくるな」

 そして今。ここ数日の出来事を回想していた狼だったが、そのせいで頭痛を起こしてしまったようだ。

 彼もさすがに黙っておらず、すぐに彼の保護者兼この家の家主である優に抗議したのだが、

「まあ、若気の至りですよ」

 の一言で一蹴されてしまった。まったく、そんなことで万が一のことが起こったらどうするするつもりなのだろうか。まあもっとも、狼が相手なら問題ないであろうが。

「これからずっとこんなんばっかだと、体が持たねえな……」

 ご愁傷様、としか言いようがない。

「日に日にエスカレートしてた思いきや、今日は割りと大人しめだったし……。どうなってんだ?」

 闇代が暴走するのには、何らかの法則があるのだろうか?

「ま、どの道大変なことには変わりないか」

 前途多難である。

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