これが微笑ましいと思えてくるのは、仕方のないことなのでしょうか?
……因みに、狼達はというと。
「はぁ……、はぁ……。この辺まで来れば、大丈夫か?」
狼は公園を出て、ある程度離れた場所で立ち止まった。
「おーい、大丈夫か闇代?」
狼は闇代を下ろすと、仰向けに彼女を寝かせる。
「……なんとか」
闇代は表情を歪めながらもそう答える。
「にしても、面倒なことになったな」
狼は闇代の隣に座り込むと、苛立ちながら頭を掻き毟る。
「……狼君」
「何だ?」
「やっぱり、無理なのかな?」
「何がだよ?」
苛立っているせいか、闇代に対する返答も素っ気無い。そのため、闇代は躊躇っているようだったが、それでもこう続けた。
「あいつを、殺さずに倒すのとか。そもそも、あいつを倒すのとか。……だって、お優さんにも倒せないみたいだし、やっぱり―――」
「無理じゃねえよ」
狼は力強く答える。
「少なくとも、優は間違いなく最強だ。そりゃ、手加減が難しくて手こずってはいたみたいだが……。それでも、どうにもならないなんてことはない」
「でも……。それだと、わたしはただの足手纏いだよ。あいつを倒すのも、わたしの役目なのに。わたしが向き合わないといけないのに。でも、全部他人任せ。わたしがここにいる意味だって、ないじゃない……」
「そう思うんだったら」
彼の声に、闇代は言葉を止めた。
「お前はお前にできることをしろよ。俺は俺ができることをする。嘆くのは、全部やってからだ」
無論、彼に出来ることなど限られている。だが、ない訳ではない。―――こうやって、闇代を励ますことだって出来るのだ。
「……なんだかわたし、狼君に助けてもらってばかりだね」
闇代は起き上がると、さっき撃たれた右足を押さえる。
「待ってて。すぐに治して、また戦うから」
「治せるのかよ?」
「うん。霊術の応用でね」
その言葉を証明するかのように、足の傷口はみるみると塞がっていった。
「ね?」
「……」
呼びかけるも、狼とぽかんと口を開けて固まっている。
「あれ? もしかして狼君、驚いてる?」
「……ああ。お前がほんとに除霊師だって知ってな」
「それって、何気に失礼だよ」
むくれる闇代を見て、狼は思わず笑ってしまった。
「何で笑うの?」
「さあな」
何故笑ってしまったのか、彼自身も分かっていない。ナレーターの予想では、闇代が元気を取り戻したためだと思うのだが。
「まあ、焦る必要はねえよ。無策で挑んで勝てるとは思えんし、とりあえず対策くらいは考えねえとな」
狼はそう言いながら近くに腰掛けた。
「そうだね、何か手を考えないと」




