↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10歳で記憶喪失になったけど、チート従魔たちと異世界ライフを楽しみます  作者: 犬社 護
2章 家族からの別離(現世)

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
30/30

29話 コントラクトの代償  ※視点 フリード

爆睡している国王のベッドに証拠資料を提供し、隠れて会議に出席して、クザンやフェルデナンド家に対しての国の動向を大凡掴んだところで、任務完了と思い、久々に王都の食事を堪能していると、重大ニュースが入ってきました。まさか、咲耶がクザンの出資元フェルデナンド家の次女リリアーナ・フェルデナンドとは、いやはや驚きですよ。


会議終了後、臣下たちの雑談に聞き耳を立てていたことで、フェルデナンド家の居住場所については大凡掴んでいましたので、無事に目的地へ辿り着きました。


「早速、咲耶=リリアーナの証拠を見つけるため動きましょうか」


私はスキル[同化][隠密]を発動させ、敷地内に入り、周囲を散策し始めます。[同化]は[光学迷彩]の上位スキル。このスキルは、周囲の景色と完全同化できるため、こういった大きな邸への侵入も非常に楽になりました。


全く、貴族という身分付きの者たちは、見栄を張りたいのか、煌びやかで豪華な家が多いこと多いこと。この家を一目見た瞬間、そういった貴族共の権化と思いましたよ。咲耶は、この家で本当に生まれたのでしょうか?


おや、メイドたちが何やらヒソヒソと話し込んでいるようですね。こういう時の話というものは、決まって噂話なんですよね。早速、盗み聞きしましょう。


「どうしたのよ、浮かない顔して」

「ねえ、旦那様の部屋から、聞きたくもない内容が聞こえちゃったのよ」

「え…内容は?」


ほうほう、これは幸運ですね。

どんな話を聞いたのでしょう?


「途切れ途切れだけど、『奴との連絡が途絶えた』『奴の強さなら、スムレット山の魔物に、遅れを取らない』『まさか、生きているのか?』だったわ」


これは、当たりですね。


「それ、やばい内容っぽいわね。でも、そこまでしか聞いていないのなら、まだセーフよ。まさか、興味本位でその先を盗み聞きした?」


「してないわ。怖くなって、すぐ逃げたもの」

「なら大丈夫よ。忘れましょう」


メイドたちは話をやめて、そそくさと自分の仕事場に戻っていきました。

まあ、いいでしょう。

咲耶=リリアーナで間違いなさそうです。

あとは、物的証拠ですね。


メイドの出入りする扉から邸内に入り、スキル[空間把握]で邸内の配置を把握し、スキル[気配察知][魔力感知]で気配と魔力の位置を把握し、それらの情報をスキル[統合]でマッピング化させると、ステータスには邸内の地図と人々の居場所が記号となって丸わかりとなる。そこにスキル[解析]を使用することで、私が視認しなくとも、存在を感知できたものの名前が表示される。


いずれ、咲耶にも、この技術を習得させないといけませんね。

ひとまず、2階へ行きましょう。


2階へ上がるまでの道中、絵画や壺など、お高い調度品が沢山飾られていました。こういったものから、当主の趣味嗜好もある程度わかります。伯爵家だけあって、中々良いセンスをしていますね。


さて、ここからは本格的な探索を始めましょう。ステータスのマッピングで人々の現在位置を確認しつつ、調査したい部屋が無人であることを確認してから、スキル[透過]で壁をすり抜け、部屋へ入っていきましょう。


リリアーナは祝福を受けるまでは、幸せな生活をしていたはず。そして行方不明になって日も浅いですから、いくら無能者であろうとも、体裁を考えると、部屋の片付けなども行なっていないでしょうし、10歳なのですから、子供らしい部屋のはずです。


1つ2つと部屋を確認してはすり抜けていく。この作業を3回繰り返したところで、ぬいぐるみなどが置かれている子供っぽい部屋を見つけました。


「ここがリリアーナの部屋ですかね。念のため、スキル[解析]…ほほほ、当たりです」


荒らせば、メイドたちに勘付かれますから、奥の手を使いましょう。魔力消費が激しいので、あまり使いたくないのですが仕方ありませんね。この部屋程度であれば、問題ないでしょう。解析の範囲を部屋全体に設定、目的物は[写真]でいいでしょう。


「解析開始」


ほほほ、私ぐらい長生きしていますと、スキルの潜在性に関しては、ほぼ熟知していますし、ステータスレベルが高いほど、解析速度も向上します。スキルの潜在性に関しては、自身で気づいてもらわないといけませんが、今後はそれ以外の知識を、私やルウリ、ベイツの3人で教えていきましょう。


おや、解析の方も終了のようですね。

ふむふむ、机にあるようですね。

というか、家族写真が机上に飾ってありました。


この写真を拝見した限り、家族全員が笑顔で、幸福に溢れているのがわかります。しかし、この笑顔は無能者という事実だけで、簡単に引っくり返るようです。


「やれやれ、この写真を見れば、咲耶=リリアーナだとわかりますよ。この写真だけ貰っておきましょう」


物的証拠の写真を、私の空間魔法[アイテムボックス]へ収納できましたが、肝心のフェルデナンド家に、どういった罰を与えるかが問題です。城の会議では、貴族のパワーバランスを壊しかねない力を持ちつつあるフェルデナンド家の力を減衰させたいと、皆が口を揃えて言ってましたが、あのレストランの食品偽装だけでは、フェルデナンド家がどこまで深く関わっているのか、それ次第で大きく変化するでしょう。ここは当主の部屋へ行き、犯罪に関わる資料を調査した方がいいかもしれません。



○○○



フェルデナンド家の当主は、相当なやり手のようです。自分の執務室の横に隠し部屋を作り、そこに犯罪関係の資料を揃えているのですから。私がスキル[透過]や[空間把握]を所持していなかったら、見つけられなかったかもしれません。


「問題は、これらをどうするかですね」


む、どうやら当主がこの部屋へ入ってくるようです。1人の男が部屋へ入り、私を素通りしていきます。


「ユウキの役立たずが。奴が自ら死を選んだのか、リリアーナを見つけたが、その仲間に殺されたのか、どちらかわからんが、もう1人を街へ向かわせた方がいいな」


全く、仕事のできる男は、これだから困るのです。

対応が速いのですよ。

そうです!! 良い案を思い浮かびました。


奴はスキル[コントラクト]で、様々な人々を契約で縛っているはず。

契約の力を利用させてもらいましょう。

まずは闇魔法[ダークプリズン]で、この部屋を囲いましょう。


「なんだ、これは!? 闇の結界。誰だ、出てこい!!」

「ほほほ、結界に覆われたことで、流石に侵入者に気付きますか」


猫又の姿だと、後々面倒なことになるので、獣人の大人-黒猫型に変化しておきましょう。


「黒猫の獣人?」

「あなた、多方面で恨みを買っているようですね」


これは事実です。


「ふん、私を暗殺か?」

「おや、多少驚きはしたものの、意外に平然としていますね」

「貴様のような輩とは、何度も遭遇し、そして全てを撃退してきた。丁度いい、獣人を1人失ったところだ。貴様をその代わりとして使わせてもらおう」


奴は私を見据え、目に魔力が宿っていきます。

どうやら、使ったようですね。

しかし、私が平然としているものだから、かなり驚いているようです。


「なぜ、効かない?」

「ふふふ、私を舐めないでください。あなたの所持するスキルと魔法を全て理解しています。その上で、こうして姿を現したのです」

「もう一度!!」


諦めの悪い男だ。


「無駄ですよ。私も、スキル[コントラクト]を所持しており、ステータスレベルも、あなたより上です。この意味はわかりますよね?」


男はようやく状況を理解できたのか、近くに置いていた剣を抜き、私に斬りかかる。


「無駄なことを。ダークバインド」

「これは、闇の呪縛!!」


男は暴れるも、壊すことができず、遂には体力も尽き、息を切らす。


「言い忘れていました。私は、暗殺者ではありません」

「それでは何の用で?」


咲耶から遠ざけるためにも、この男には別の恐怖を与えましょう。


「私の依頼人からの要望を、ここで叶えさせてもらいます。スキル[コントラクト]を持っているのなら、私のやりたい事はわかりますよね」


私がニヤッと笑うと、男は自分が何をされるのか、ようやく理解したようです。全身を震わせ、顔が恐怖で埋め尽くされていく。良いですね〜その表情、私は好きですよ。


「誰か〜〜〜来てくれ〜〜〜侵入者だ〜〜〜〜」

「ここはダークプリズンの中で、隠し部屋の中ですよ。誰も気付きませんよ」

「ひ!?」

「私からの契約は、『これまで契約した者たちの呪縛を、24時間以内に全て解除すること』『解除後、コントラクトの使用を生涯禁止する』、この2つだけです」

「そんな…」

私の言葉を聞いた瞬間、奴は絶望を抱いたのか、諦めたようで抵抗しなくなりました。


「コントラクト発動!!」


私の手から、黒い鎖が出現し、奴の心臓に巻かれていきます。


「ああ、ああ〜〜〜」


男はコントラクトされたことを理解したようで、大声をあげ、気力を無くしたのか気絶する。先程調べた解析データの中から、この男のものを確認しましょう。


「おやおや、貴方は相当な悪ですね。コントラクトしたものの中でも、存命中の者は合計6人ですか。今後、この6人から命を狙われることになるでしょう。伯爵家当主としての力を使い、強い護衛を雇って、生涯守ってもらいなさい。それでは、私は失礼します」


プライドの高い人間ですから、死を選ばないでしょう。

今日以降、貴方はコントラクトの代償を支払っていきなさい。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。