78/79
第76章:母との合流
「・・・おふくろ。茶太郎ちゃん、帰ってきたよ。ただいま。」
ぼくは、そういって、
木箱と壷にかけられた風呂敷をはずし、
茶太郎ちゃんの「お骨」を、慎重に壷から取り出した。
・・・注意しないと、
指で押しつぶしてしまうほど、
スカスカでボロボロの骨だ。
「・・・ここがね、おふくろ。茶太郎ちゃんの前脚。そして、ここがね・・・茶太郎ちゃんの鼻先だよ。」
・・・その鼻先の骨には、
焼け焦げた奥歯が、かろうじて付いていた。
それは・・・
ぼくが、茶太郎ちゃんの生前・・・毎日毎日、
なでてあげていた、愛しい愛しい「鼻先」だったのだ。
そうすると茶太郎ちゃんは落ちつき、
気持ち良さそうな、喜びの表情で、床の金網やマイクロファーバーにふせっていたものだ。
「ううっ・・・チャーくん・・・ちゃあくん・・・」
もう、おふくろは、
それ以上、何もいわなかった。




