第75章:帰宅
・・・茶太郎ちゃんの「骨粗しょう症」と老化は、
ぼくの想像を、はるかに超えたものだった。
こんな、ボロボロのしんどい状態で彼は、
つらい晩年を、痛みを、
ぼくと母に、言葉で訴えかけることもできずに・・・
ただひたすら、無言で、我慢して耐えていたのだった。
(茶太郎ちゃん・・・ねぇ、茶太郎ちゃんってば・・・)
もう、
DNAも破壊されて、白無垢の骨になってしまった茶太郎ちゃん。
そんな痛ましい姿になってしまったとしても・・・
それでもぼくには、
その骨が、まぎれもない、
いとしい茶太郎ちゃんであることには、変わりなかった。
ぼくは、
従業員女性にうながされるまま・・・
彼の「お骨」を、渡された竹の箸で、丁寧に拾い、
壷におさめていった。
粉のような状態になってしまった残りの部分は、
専用のブラシとちりとりで、丁寧に、掃き取り・・・
壷におさめた。
・・・その壷は、
いまの茶太郎ちゃんが入るには、
あまりにも大きすぎたし、
深すぎた。
壷の底のほうに、茶太郎ちゃんは・・・
こうして、眠ることになったのだった。
ぼくは、
従業員のお姉さん二人に、お礼を述べると、
壷を風呂敷でしばり、
木箱も、風呂敷で包み・・・
愛する茶太郎ちゃんとふたりきり、
ゆっくりと焼き場をあとにして・・・
仲良く帰宅の途についた。




