第63章:しめやかな通夜と、お葬式の準備(1)
「・・・つきましては、栗原さん。」
ここではじめて、尾形先生が重い口を開いた。
「茶太郎ちゃんの今後についてですが・・・正直、どうされるおつもりですか?」
「ぼくも、それについては、ずっと悩んでいたんです。いずれ近いうちに、茶太郎ちゃんがそういった時期を迎えることはわかっていました。
先生もきっと、茶太郎ちゃんの命が、そう長くないことは、わかっておいでだったんですよね・・・?」
「・・・・・・。」
「我が家では、歴代のどのペットも、例外なく、うちの庭に埋葬してきました。でも、茶太郎ちゃんだけは例外です。ぼくは彼を・・・」
「・・・火葬されるんですね?」
「はい。そして、彼のお骨を、いつまでも、ぼくの手元に置いておきたいのです・・・。」
「・・・そうですか。では、火葬場を紹介します。ここに、その連絡先が書いてありますので、よかったら参考になさってください。一般的なペット葬よりも、ずっと安く引き受けてくれますから・・・。」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
・・・先生が紹介してくれたのは、
矢板市郊外にある、
『しおや聖苑』という名の・・・
大きな火葬場だった。
実は、ぼくの父方・母方の親類、ほぼ全員が焼かれ・・・
ここで灰になって、
冥府に旅立っていったのであった。
茶太郎ちゃんを・・・
誰よりも愛しいパートナーを、
ぼくは、ここで見送ることを決意した。




