↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ダンジョン村は今日もにぎやか  作者: わたあめ☆
27/43

勇者?

ギアの気持ち、ここまで、ほとんど出てなかったですよね。

みんながバタバタと動いている間、僕はぼーっと立っていた。


今、オーガのカイは、なんて言った?


勇者が来た?


それで、みんなは、何だか周りを急いで片付けて、地面に印の付いてるところや、その近くに武器を持って立ち始めた。


「みんな、、、何してるの?」


僕が尋ねると、ジョーイがびっくりしている。


「ああ!えーっと、これは、その、、、なんだ、、、ギア!お前はマイティのところに行ってくれ!何か用事があるって言ってたから!!!ほら、急いで!」


ジョーイが、僕をグイグイと押して、下の階に行かせようとする。


「ねえ、さっきカイが勇者って言ってなかった?」


ジョーイの肩がビクッと揺れる。


「ギアは、あんな奴らと関わらなくていい。俺たちも、怪我なんかしないから、安心してくれ。マイティも歳だろ。寂しがるから、ちょっと行ってやってくれ。ここは大丈夫。みんな上手く逃げるし、カイやサーヤもいる。心配しないで」


ジョーイは、明るく笑って、みんなも同じように明るく、何でもないことのように笑って僕を下に送り出した。


僕は、ここにいても、みんなの邪魔になりそうだ、と判断して、下に降りていった。


マイティのところに着くと、カイとマイティが話していた。


カイは、汗だくだった。


「本当に勇者が来たんだな」


「ああ!だから、前のように上手くやられた感じにして逃げろよ。宝箱の中のギアの剣は、どっかに隠しておこう。薬草は、、、無いから、適当に麦でも詰めとく」


そんなことを言いながら、カイが宝箱から、見たことも無い美しい剣を取り出した。


そうして、剣を宝箱の後ろの岩山の隙間に押し込んだ。


今、僕の剣って言った?


宝箱に夢中で麦を詰めるカイとマイティに、ゆっくり近付く。


「大丈夫?」


僕がそう声をかけると、2人ともびっくりして、僕を振り返る。


手に持った麦を落として地面に散乱させている。


僕は麦を拾って、宝箱に入れる。


「手伝うよ。僕も、みんなの家族でしょ?」


そう笑うと、2人とも、しばらくポカンとした後に、大きく頷いた。


「そうだ!もちろん、ギアは俺たちの家族だ!!!」


カイが抱きついてきた。


マイティも、頬ずりしてくる。


感動すると、いつもこうなる。


「じゃあ、今、何の準備をしてたか、教えて?僕、もう子供じゃないよ。昨日15になったでしょ」


そう言うと、2人は視線でコミュニケーションを取って、カイが溜息をついてから話し出した。

これもカイの癖だ。

大切なことは、溜息ついてから話すんだ。


「ギア、お前の夢を壊すようで言えなかったが。俺たちの仕事は、ダンジョンの魔物だ。勇者たちが来たら、とりあえずやられたフリをして、ここの宝箱を持ち帰ってもらう。それが、俺たちの仕事なんだ」


カイは、一息に話した。


「ごめんな、俺らは、そういう存在なんだ。お前は人間だから、こんなことに関わるな。あの岩山の後ろ辺りに隠れてれば気付かれないから」


そうわざと明るい声で話すカイに、僕は震えた。


「なんでそんなこと言うの?」


僕の震える声に、カイがハッと僕を見る。


「僕は家族って言ったじゃないか!ボクもみんなと一緒に戦う!その為に訓練したんだ!」


勢い良く言うと、カイとマイティは、困ったように笑う。


「いや、ギア、、、俺たち、戦うわけじゃ、、、」


「わかってる!適当に戦って負ければいいんでしょ!僕はここでマイティといるから、心配しないで」


僕が笑って親指を立てると、カイも諦めたように、頷いて上の階へ戻っていった。


残った僕は、マイティにこれまでのことを聞く。


半年に1回くらい、勇者たちが来ていたこと。


僕が前に勇者に会ってから入口を塞いで、来なくなったこと。


年々、魔素が減って、みんな弱くなってきてること。


それでも、みんなが勇者にやられることなんてないこと。


僕には安全なところにいて欲しいという皆の願い。


そういうことを聞きながら、僕は考えていた。


二度と勇者たちがこのダンジョンに来なくなる方法を。

そう思って書き始めたら、ちょっと裏のある感じになっちゃいました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。