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狩りの才
親バカ?オーガバカ?です。
ギアは、たぶん天才だと思う。
親バカと笑われてもいい。
これは、ほんとだ。
ヒグに狩りを教わり始めた時は、もちろん弓矢の持ち方すら分からないし、全然、矢を飛ばせなかった。
足元に矢を落としてるだけで、俺は笑いをこらえるのに必死だった。
ギアは、真面目にヒグに手取り足取り教わってるから、邪魔しちゃ悪いだろ。
初めは野うさぎだって、当たらなかった。
だが、みるみるうちに上手くなり、たった1ヶ月で、野生の猪を仕留めたのだ。
まだ7才の人間の子供がだぞ。
ヒグの喜びようは、とんでもなく異常で、顔も怖すぎてみんなドン引きしてたけど。
ヒグも、ギアが喜ぶ顔が見たくて、毎日、かなり多くの獲物を狩るところをギアに見せた。
おかげで、食糧難は乗り越えられそうだ。
ギアが来てから、ダンジョン村では、笑いが耐えなくなった。
魔素は相変わらず減っていて、俺たちは先細りだけど、ギアがいれば、もう気にならなかった。
そして、あいつらが来た。
いつも通りの勇者御一行。
こんな、ほのぼのハッピー話を書いてみたかったんです。