解決策
村人たちの心配をよそに、ギアは育っていきます
俺は、会議で食料について議題にした。
みんな、ギアに食わせる為に、最近では自分達が食う分を減らしてることを俺は知ってる。
おかげで、スケルトンのジョーイも、痩せてきてる。
あ、あいつは元から骨か。
とにかく、食料を増やす方法を考えることになった。
しかし、なかなか良い案も思いつかず。
みんな、ウンウン唸っていた。
そんな中、ヒグが喋り出した。
いつも寡黙なヒグの話を、みんなじっと聞いてる。
「3日で、当面必要な量を用意してくる。俺に任せろ」
ヒグは、自信ありげに言ってるけど、そんなん出来るの?
みんな思ったことは同じだったようで、口々に、無理だ、とか、どうやってなど言い始めた。
みんなを静めて、ヒグに聞く。
「なんか方法あんのか?」
「ああ、山の向こうに、狩りを出来る場所がある。そこで、獲物を狩ってくる」
なるほど、とみんなが納得した。
ヒグは、狩りの名人だ。
オークだから、外にも出れるし。
すると、ギアがとんでもないことを言い始めた。
「僕も行きたい!」
会議中が、どよめいた。
「何言ってるんだ、ギア。狩りは危険なんだぞ」
ヒグが、ギアをなだめている。
あんな優しい顔出来たんだ、オークって。
「前に、ヒグが畑の近くで野うさぎ狩ってるとこ見たよ。狩りって、カッコイイ!僕も大きくなったら、ヒグみたいに狩りが出来るようになりたい」
ヒグが、見たことも無いような、デレデレした顔になってる。
その顔、こぇー。
「仕方ないな。だが、やはり危険だ」
そう言うヒグに、分かりやすくギアがしゅんとする。
「だから、ギアに護衛を付けよう」
パッとギアが顔を上げる。
「僕も行っていいの?」
嬉しそうな顔しちゃって。
「ああ、ただし、護衛から離れないこと」
ギアは、満面の笑みで、頷く。
「うん!僕、絶対約束は守るよ!男だもん!」
微笑ましい。
あー眼福。
ヒグが、ギラッと俺の方を見る。
「そんな訳だから、お前が護衛な」
あ、俺ね。
だろうと思った。
自分が恵まれてることに感謝