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エイリアン向け地球侵略マニュアル~~初心者でも簡単に攻略できる侵略方法大公開~~(表紙絵:ベクシンスキー)

 最近の宇宙人侵略モノは一体何だ? 『バトルシップ』しかり、『ロサンゼルス決戦』しかり。ここに出てくるエイリアンは恒星間航空を成し遂げたずば抜けた科学技術力を持つはずなのに、米軍が軍人魂を発揮したらあっさりとやられる。こんな奴らは地球を侵略する価値もないゴミクズ野郎である。『バトルシップ』。ただ単に侵略するだけなら隕石か特攻戦艦を光速でぶつければ、地球はほぼ壊滅状態。そこを悠々と攻めれば楽勝だったはずである。仮にこいつらの目的が(映画の断片的な描写から察するに)地球の偵察だけだったとしても、もっとうまくやれる偵察方法があったはずだ。

 『ロサンゼルス決戦』。宇宙から来たくせに戦いがローカルってどういうことだよ。しかも何かよくわからんうちにやられる始末。

 もう、筆者は切れた。こんな奴らに地球侵略を任せておけない。唯一上手くいきそうだったのは『インデペンデンスデイ』くらいなものだ。最後は惜しくも人類に敗れたものの、途中までは完璧な侵略を繰り広げてくれた。反重力で浮いているという設定の巨大円盤宇宙船。そして核兵器も完全に防ぐバリア。トドメの巨大レーザー砲。男のロマン全て完備労働基準法順守の素晴らしい職場だ。是非この宇宙船に就職したい。おそらくこのバリアは光速で宇宙を移動する際に、宇宙ゴミなどの衝突から円盤を守る働きもしていたのだろう。平和利用目的のバリアを戦争に惜しみもなく使うなど、侵略に対してかなり本気である。それもそうだろう、『インデペンデンスデイ』のエイリアンは、宇宙を放浪して地球など資源のありそうな星を略奪して文明を維持・発展させているのだから。山本弘氏は『こんなにヘンだぞ!『空想科学読本』』の中で「異星人が意味もなく人類絶滅を企むとか、明らかに頭の悪い奴が書いた脚本だ」と述べているが、筆者はそうは思わない。ヨーロッパ人は特に理由もなく、植民地の原住民を虐殺していったし、インデペンデンスデイのエイリアンから見れば、人類など資源のある地球に巣食うシロアリ程度のものだろう。エイリアンが人類撲滅を企む事自体、理由しだいでは十分ありうるし、究極的に理由がなくてもいい。そんなものはエイリアンの自由だ。死んだ人間だけがいい人間だ。それでいいではないか。

 まず、地球侵略するに当たって最低限必要な条件とは何だろうか。

 とにかくまずは地球へ来ることが出来る、ということだ。光速か、それに近い速度で移動できる宇宙船が必要になる。理由しだいでは、大陸間弾道ミサイルのような、「恒星間弾道ミサイル」なんかで地球を先に攻撃しておくのも効果的かもしれない。ただ、これはエイリアンの侵略目的が何か、動機は何なのかによって変わってくる。動機が地球への移住とかだったら、あまり大雑把な攻撃を仕掛けて地球の環境を破壊しまくるのは得策ではないだろう。あるいは鯨油のように、人間から何か資源を回収するような場合も、あまり無計画に殺しすぎると後が大変だ。鉱物資源狙いで人類はどうでもいい、というのであれば、恒星間弾道ミサイルは非常に効果的だ。だが、それなら地球でなくても、他に人類の住んでない惑星からいくらでも採掘できると思う。火星なんか、重力も小さいし、大気も薄いので天候もそれほど気にしなくていいと考えられる。なので鉱物資源狙いのエイリアンの方は、まずはそこらへんでガッポリ手堅く儲けてから地球侵略を開始するのがいいだろう。

 そうそう、宇宙船の話だった。宇宙船の性能がどれくらいかは重要だ。来るのがやっと、ということになると『第九地区』のように難民化する可能性もある。『第九地区』でエイリアンが遭難したのは宇宙船性能とは別の理由ではあるが。できればワープ航法まで確立されているとなお良い。『スターゲイト』や『マスエフェクト』のマスリレイのような、ワープ装置があって、その装置から装置へ移動するようなワープでも、あった方がいい。何かあった時のために援軍が急行できることは侵略するうえで非常な利点になるし、補給も楽になる。『インデペンデンスデイ』のような移住型エイリアンの方は、そのまま全軍を叩き込めばいいだろう。その場合は火星か月あたりに基地を作っておくと便利だ。

 何とか宇宙船は調達できたとしよう。次に大切なのは武器だ。この点でも『インデペンデンスデイ』の巨大レーザー砲は一つの参考例として非常に役に立つ。まず威力が素晴らしい。これは実用の観点からして当然だといえるが、見た目が美しいのも高評価だ。これによって人類側の士気をくじくことが出来る。そして最も評価されるべき点は、この巨大レーザーがクリーン兵器なことだ。

 人類の使った核爆弾は環境を汚染するが、このエイリアンが使ったレーザー砲は、核のような有害物質を撒き散らしたりしないようだ。それはレーザー砲から辛くも逃げ延びた生存者に、全く二次災害が発生していないことから推測される。地球から資源を採掘する以上、あまり有害物質を撒き散らしすぎると、自分たちにも害が発生するかもしれない。中々配慮の行き届いたエイリアンだ。

 つまり地球侵略の動機が、資源の採掘、地球への移住の場合、威力だけでなくクリーンな兵器かどうかも重要だということだ。

 と言って地球人のような通常兵器(アサルトライフルとか、ロケットランチャーとか)で、地球人と同じ土俵で戦うのは愚かな失策と言わざるをえない。『バトルシップ』も『ロサンゼルス決戦』も、そのせいでエイリアン側が結局は敗北している。地球は地球人の方が地形にも詳しく、その点地球人は確実に有利だ。もしこれを読んでいるエイリアンがどんだけFPS好きだったとしても、地上に降りたって銃撃戦だけは控えたほうがいいだろう。陸上戦は最後の掃討戦として行うのがベターだ。ないしは、もし人工知能が発達した科学技術を持つエイリアンならば、戦闘ロボットを送り込むべきだ。ただ、この場合は地球環境についてある程度下調べして最適な戦闘ロボットを開発して送り込むことになり、そのためにまずは地球とある程度外交を結んでおく必要がありそうだ。

 もう一つ、もっと手軽で強力な兵器が残されている。生物兵器だ。

 ヨーロッパ人がアメリカ大陸に上陸したとき、同時に旧大陸の疫病(ペスト、天然痘、赤痢など)がインディオを襲い、最も被害の多い場所で95%もの原住民が病死したという。

ならばエイリアンの進んだ科学技術で持って、最先端の病原菌を生み出して地球に散布することが出来たなら、ほぼ勝ったも同然である。『マスエフェクト』でも、効果は妊娠率を低下させるというものだがそういうウイルスをバラまいたというエピソードがある。無論、そのためには外交で地球と一時的に友好関係を結び、その間に地球人について調査するか、地球人を拉致するなどして人間に効く疫病を開発しなくてはならないだろう。運がよければ元々エイリアン母星にあるウイルスなどをバラまくだけで済むかもしれない。もし神や偽善者の気分を味わいたければ、ワクチンも同時に開発、頃合を見計らって地球人に配ってやればきっと神のように崇めてくれることだろう。是非ともゾンビウィルス何か開発してばらまけば、きっと面白い効果を得られると思うから、試してみる価値は十分ある。

生物兵器の欠点として、開発するとしてまで時間がかかるという点だろう。その間の補給線だけはキッチリ維持できるようにしておこう。あとは、『宇宙戦争』のように、逆に地球の菌やウイルスに返り討ちにされることにも十分注意だ。このようなことに対策を立てるためにも、次で述べるような外交などの手段を駆使して時間を稼ぐことも重要だ。

そして最後の手段が外交だ。「もう戦争なんてしたくない」、「けど地球の支配者になりたいな」というエイリアンもいることだろう。そのほか、時間を稼ぐために表面上の友好関係を持っておきたいという場合もあり得る。そういうエイリアンにうってつけなのが外交戦略だ。今の日本がアメリカの事実上保護国なのを見ればわかるとおり、ある程度外交でも緩い支配くらいは達成できそうだ。その時意外と大切なのは見た目だろう。『第九地区』のようなエビでは可愛げがないし、『プレデター』や『インデペンデンスデイ』のようないかにも「侵略しに来ました」的なルックスでは地球人に受けないし、何より地球人が友好関係を結びたいと思わないだろう。なので、できればパンダや羊、ハムスターのような可愛らしい外見をしていることが望まれる。キュートなルックスで擦り寄れば、馬鹿女も股をクパクパ開いて一石二鳥だ。そうやって地球人社会に潜入、内側から崩壊させることが出来れば占めたものだ。

そこまでいかなくても、地球人にペットとして飼われているのが一番幸せかもしれない。筆者もペットになりたい。


結局のところ、地球侵略には莫大な資金が必要になる。それだけに地球侵略には計画性を持って臨んで欲しい。それがこれからの宇宙人侵略モノに求められることであろう。


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