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ずっと母と妹に搾取されていたことに気付けたので縁を切りました  作者: 朔晦 月陽


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招待状


リュシュが帰って少しした頃、結婚式の招待状への返事が続々と届いていた。

王都ではなく辺境の地で式を挙げることもあり、あまり大規模な結婚式ではないので招待客もそれほど多くはない。招待状を送った家からお断りの返事がくることもほぼ無い。ほぼ無い、のだが、我が家ローゼンフィル侯爵家からは2人欠席との返事が来た。

はぁ、と私は手紙を手にして溜め息をついた。


「お茶をどうぞ」


ローゼンフィルからの手紙を私に渡した時点で察していたのか、ライナは私の溜め息と同時にいい香りのする紅茶を手元に置いてくれた。


「ありがとう、ライナ。結婚式、ローゼンフィル侯爵夫妻は欠席で、お母様だけが参列しますって」


ロベルト様はまぁ来ないだろうと思っていた。本来出席するべきではあるが、当主がそう長く家を空けられないという納得の理由がぶら下がっているのだ。元婚約者に出席して欲しいはずもないので、こちらは断ることを前提のお誘いだ。


「リリエンヌ様も欠席ですか?」


ライナの怪訝な顔に苦笑してしまう。


「ええ、忙しいのだそうよ?」


妹は忙しいわけもないし、家族なのだ。さすがに断られるとは思っていなかった。辺境に来るのが嫌だったのだろうとは思うが、一応辺境伯の結婚式である。国境を守っている家の結婚式なので国としてもそれなりに重要で、そこの結婚式に参列できるとは名誉なことでもある。

現に、王都で式を挙げないので、参列は非常に残念ですが結構ですよとぼかしまくった手紙を王家に送ったところ、行きたいのは山々だがどうしても難しく、されど辺境伯への祝いを王家が行かないなんて無礼はできないので私と王太子の代わりに第三王女を行かせるので勘弁してくれ、というような手紙がこちらも恭しい書き方で来た。

第三王女はリリーと同い年でまだ結婚はされていない。政略結婚だが隣国の婚約者ととても仲が良いと聞いている。この婚姻でシュルベストと隣国の辺境地の関係性も良くなってくれることを期待している。それもあって第三王女が来るのだろう。

政に大きく関わっているわけではないが、蔑ろにしていいわけではない第三王女が参列するのだ。そのような式を、姉の結婚式を、欠席するのはどう捉えられるか分かっているのだろうか。


「リリエンヌ様のことですから、何も考えず辺境は遠くて行きたくないとおっしゃったのでしょうね」


優秀なライナはこの欠席の意味を正しく理解し、また、リリーのことも正しく理解していた。


「そうでないことを祈るわね。せめて妊娠しているとかであって欲しいわ。まぁそれも無さそうだけど」

「何故ですか?」

「お母様が早く来るって。結婚式より1週間前ぐらいにこちらに来るって手紙にあるわ。2日3日前で十分なのにね?話があるから早めに来るって。もしリリーが妊娠してたらお母様がリリーを置いて無駄に長く辺境に来るわけないわ」

「なるほど。お話ですか……良いお話でしたら良いんですけれど……」

「そうねぇあんまり期待できないけど、お祝いとか嫁入り前の心得とか、そんなものだったらいいわねぇ」


2人してわずかな希望を口にした。わずかな希望と分かりつつ、どうしようもないので私は温かい、心も温まる紅茶を飲み干した。



お読みいただきありがとうございます

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