フロウ
音の正体は気になっていたものの、様々な検査を受ける羽目となった美佐には、その事をじっくり考える暇もなかった。しかし、医者たちの努力は徒労に終わり、半ば見放されるようにして美佐は退院した。
自宅に戻った彼女は、努めていた会社から1か月の休暇を与えられ、今度は暇を持て余すようになってしまった。
彼女は都心のマンションで一人暮らしをしていた。本来なら半年以内に退去する予定だった部屋だ。その後は新しい部屋で英真と同居を始めるつもりだった。部屋に戻ってきた初日は、英真のいない寂しさと戦っていたため音のことは忘れていた。それにもう一つ、美佐には考えなければならないことがあった。
「英真に自慢できる人生を送る」
数日前、美佐が英真の写真を前に誓ったことだ。
しかし、具体的にどうすればいいのか、まだイメージが掴めていなかった。英真の後を継いで看護師になればいいのか。しかし、人見知りな性格やずっとデスクワークだった体力が、看護師業務に向いていないことを物語っている。
英真なら「そんな難しく考えないで、美佐らしく生きていけばそれでいい」と言うだろう。実際それでいいのかもしれない。清廉潔白が物理現象に影響しない世界だからこそ、平穏無事に生き抜く事自体が奇跡といえるのかもしれない。この宇宙では、正義や実直が必ず報われるとは限らない。そんな荒々しい波の中で、可能な限り「不幸」を遠ざけることができれば、十分人生を全うしたことになるはずだ。そして、天国で英真と再会したら「あなたがくれた命のおかげで、とても幸せな人生を送れたよ」と言う…のか?
(冗談じゃない)
美佐は自分の考えに憤った。どんな顔をして英真に「幸せだった」というのか。それではまるで、英真の存在は必要なかったと言っているに等しい。そんなこと、口が裂けても言えるわけない。
もっと英真を感じられるような、英真と2人で成し遂げたと思えるような、そんな人生を送りたい。
しかし、それが具体的にどういうものなのか、その日の美佐は納得できる答えを得ることはできなかった。
それからしばらく経ったある日の朝、朝食を食べながら携帯端末でニュースを見ているとき、「エイリマン、今度はベイブリッジを破壊!」という見出しが目に入った。まるで都会に大型怪獣が現れたかのような煽り文句につられて記事を読み始めたが、併載された写真を見て、自分が漏らした言葉に驚愕した。
写真は救助された人が携帯端末で撮影したもので、ビルとビルをつなぐ橋の上で仁王立ちになっているエイリマンの姿だった。
「なんか私にもできそう」
実際は身体の各器官から送信される感覚神経情報を、エマニが身体能力値に応じて補正しているのだが、美佐には、まるでスポーツ選手が同じ種目の選手を見て、そのプレーと自分の能力を比較しているような感覚として認識された。
「はぁ? 何言ってるの私…」
しかし、他人から聞いた事故の様子からして、自分が無傷であることや、病院に担ぎ込まれた当初は脊椎を損傷していて首から下を動かせなかった事実が、今のつぶやきを荒唐無稽と断じることを許さなかった。潜在意識が(なにか変だ)と言っているのだ。
そのとき、改めて音のことを思い出した。
朝食を食べ終えて食器をキッチンに戻したあと、美佐は部屋の中にあるすべての電気製品から電源コードを引き抜いた。携帯端末の電源は落とし、窓もカーテンも閉じ、念のため部屋の照明まで消してから、ソファに座った。耳を済まして一切の音が聞こえないことを確認すると、病室で音が聞こえた直前の言葉を口にした。
「英真に」
直後に電子音が聞こえた。しかも、前回と同じように耳元で鮮明に。今度はキッチンに移動してから「英真に」と言ってみたが、さっきとまったく同じ音量と距離感で電子音が鳴った。
「なんなの、この音は?」
ため息交じりにそうつぶやくと、今度は女性の声がした。
「これはコマンド入力の待機音です」
その声を聞いた美佐は、不思議と動揺も狼狽もせず、むしろ強烈な好奇心が湧き上がった。
「あなたは誰?」
「私はエマニです」
「人?」
「いいえ、支援AIです」
「どこにいるの? どうやって会話してるの?」
「エマニ本体はシャトルに搭載されており、亜空間通信によって送受信を行っています。その通信を脳内に埋め込まれたチップがに送信しています」
「脳内って、私の脳内?」
「はい」
美佐は棒立ちのまま、ここまでの情報を必死に消化しようとしたが、これだけの情報で理解することは不可能だと悟った。カーテンと窓を開け、落とした電源をかたっぱしから戻した。そしてソファに座り直すと、支援AIに詳細を説明するよう要求した。
しかし、支援AIは応答しなかった。
「どうしたの? まだいる?」
返答はない。
「エマニ?」
すると、再び電子音が鳴った。
「会話が途切れたけど、もしかして通信が切れてた?」
「いいえ。通常は一定期間送受信がない場合、エマニはコマンド待機モードを終了します。待機モードを再開する場合は改めてエマニを呼んでください」
「呼んだ後にどれくらいコマンド入力がなかったら、待機モードが終了するの?」
「基本的には10秒です。また、コマンドと認識できない呼びかけの場合には応答しません」
なるほど。だから病室では応答しなかったのか。あれはコマンド入力というよりは独り言に近かった。コマンドとは、すなわちエマニへの命令なのだ。
「わかった。まだ待機モード?」
「はい」
「じゃあ、私に何があったか詳しく教えて。そして、あなたの使い方や何ができるかも。っていうか、知りたいこと全部教えて」
「なんでも聞いてください」
それから丸一日かけて、美佐はあらゆる質問をエマニに投げかけ、エマニはそれらすべてに答えた。情報には一切の制限が設けられておらず、タイカの正体とエフェル星の話題が出てきた頃から、美佐はエマニの情報がフィクションなのではないかと疑い始めたほどだった。
「異星のことなんて話していいの? 国家の中枢にいる人とかならそういう情報を聞いても驚かないだろうけど、一般の地球人に異星の話題は刺激が強すぎるんじゃない?」
「情報はロックされていません」
「何か意図があって情報をオープンにしてるの? 実は言っちゃいけないこととか設定されてるんじゃない?」
「エマニが保持している情報に制限はありません」
「じゃあ、これまではどうだったの? サイボーグ化した他の人にもすべての情報を提供した?」
「あなた以外にサイボーグ化した事実はありません」
「ほんとに? 私が初めてってこと?」
「はい」
現時点でわかったこと。自分が生きている経緯。すでに生身ではないこと。エイリマンの正体はタイカで、自分にも彼と同じ能力が備わっていること。そして、タイカが自分をサイボーグ化しなかった場合、一生首から下を動かせなかったこと。
一方で、わからないことは一つ。なぜエマニの機能を停止しなかったのか。日常生活を送るだけならエマニは必要ない。むしろ、エマニを使えることで、本来担う必要のない「能力に対する責任」を負うことになる。もしかして、タイカはわざとエマニの機能を残したのか。サイボーグ化するかわりに、その能力で善行を行えと言っているのか。
しかし、たとえそういう意図があるとして、自分には従う義務はない。英真を失ったばかりなのに、なぜ他人のために時間を費やさなければならないのか。しかも、経験したことのない失意を抱えたまま。
その時、まるで条件反射のように、千尋の言葉を思い出した。
「天使とは美しい花をまき散らす者ではなく、苦悩する人々のために戦う者である」
英真が看護師を目指した動機だ。そして、彼女はそれを実践していた。生きている自分にできることは、英真の遺志を受け継ぐことなのではないか。
美佐は再び口を開いた。
「エマニ。私にもタイカと同じような活動できる?」
「可能です」
美佐はエマニの件を千尋に話した。音の正体と自分の置かれた状況、そしてタイカやエフェルのことも。
最初は驚いていた千尋も、美佐の携帯端末を通じてエマニと会話したことで、美佐の話を理解するに至った。
美佐はその上で、「私にもエイリマンと同じことができるんなら、私なりのやり方で人助けをしてみようと思う」と伝えた。
すると、千尋は目を輝かして「大賛成!」と言った。
「英真なら絶対そうする。だって、あの子それがしたくて看護師になったんだし」
美佐にとっても、それだけの理由で十分だった。
(よし、私は英真の代理になろう。そうすれば英真も喜んでくれるだろう)
千尋の家を後にした直後から、美佐の特訓が始まった。
エマニはタイカが蓄積してきた経験を美佐に伝授した。重力制御方法や介入手段はもちろん、有機化合物とナノマシンを組み合わせたコスチュームの展開と収納方法に、マスクを使用して自身の身元を隠す方法など、ヒーロー活動特有のスキルも紹介した。
コスチュームやマスクについては、美佐もそれほどこだわりがなかったので、当初はエイリマンと同じマットブラック基調のボーイッシュっぽい意匠だった。ところが、その姿から介入対象者が美佐をエイリマンと誤認し、その後に美佐の地声を聞いて「いつから女性になったの?」と問われてしまった。そこで、美佐はエイリマンとの差別化を図るため、基本的なパーツ構成はエイリマンのものを踏襲しながらも、コスチュームをミニスカート風のデザインに変更した。更に、介入先の民家で見かけた大理石の女神像を気に入り、外装の色調も白磁のような艶のある質感に変えてみた。
実際にコスチュームを起動し、ビルのガラス窓を姿見代わりにして自分を写した。
「エマニ。このコスチュームどう思う?」
「地球では元来白磁の彫刻は高級品として重用されているので、あなたの姿を見た人はその意匠に気品を感じる可能性が高いです」
これで、美佐のヒーロー像が完成した。最後に残されたのはヒーロー名だ。
美佐はエマニにいくつか案を考えてもらったが、どれも当たり障りのないステレオタイプのヒーロー名で、自分にふさわしいと思うものではなかった。キャラクターの名前には、蜘蛛やコウモリのように、そのキャラクターの個性を示す特徴が必要なのだが、美佐の外見は普通の地球人で、特殊能力もタイカの二番煎じだ。
美佐がエマニの提案をことごとく拒否すると、エマニも知恵を巡らせたようで、美佐に「そもそも、ヒーロー活動をしようと思った動機はなんですか?」を尋ねた。
「特殊能力があるってわかったから」
「それは単なるきっかけではないですか? 特殊能力とヒーロー活動を結びつけた動機のようなものがあると思いますが」
「そういうことなら英真だね。あの子の遺志を継承したい」
「それはどういう遺志ですか?」
「ナイチンゲールの言葉らしいよ。『天使とは美しい花をまき散らす者ではなく、苦悩する人々のために戦う者である』」
「フローレンス・ナイチンゲール。西暦1800年代に活躍した看護師ですね。ただ、今の格言はナイチンゲールが直接言った言葉ではなく、後世に脚色されたものです」
「えっ? そうなの?」
「検索してみましたが、原典の確認ができません」
「え〜っ…」
なんてことだ。英真が人生をかけた言葉は創作だったのか。
「完全なでっち上げなの?」
「いえ、似た言葉が日記に残っています」
「どんな内容?」
「日記の前半部分には確かに『美しい花をまきちらすものが天使ではない』という言葉がありますが、後半は次のように書かれています。『看護婦、病院付きの女中、掃除人のように、誰からもお礼ひとつ言われずに、人の嫌がる仕事をして、汚いものや、汚れた水を始末したり、患者の身体を洗い清めたり、その他なんでも、健康の助けになることをして、回復の邪魔になるものを取り去る人々こそ天使なのである(*)』、と結ばれています」
美佐は救われた気持ちになった。創作とされる格言も、まったく無関係ということではないようだ。それどころか、日記に記された文章の方が、英真の決意を現しているように思う。
もしかしたら、英真は格言が創作であることを知っていたのかもしれない。歴史好きなら誰でもそう思う。偉人はなぜその選択に至ったのか。それを知りたくて歴史を勉強するのだ。ナイチンゲールについても、なぜ彼女がその考えに至ったのか知りたくなったはずだ。その結果として日記にたどりついた。
ナイチンゲールはけして「戦い」をけしかけたのではなく、相手の状況を理解した上で、その人に適した「無償の奉仕」を説いていた。
千尋には一般に知られているわかりやすい格言を伝えたが、実際に英真の決意を促せたのは、出典先の日記だったのかもしれない。むしろ、そう理解すれば英真が看護師を志望した動機も諒解できる。美佐には、それこそ英真の人柄に即したものに思えた。
やはり、これをヒーロー名の由来にしよう。
しかし、さすがに「天使」をヒーロー名にするのは恥ずかしい。かといって、「ナイチンゲール」も固有名詞として有名すぎる。
「エマニ。フローレンスの愛称って、どんなものがあるの?」
「代表的なものは『フロイ』『フロウ』『フローリー』などがあります」
美佐は言葉の響きが気に入って「フロウ」を選んだ。
お膳立てが整っていざ活動を始めようとした矢先、思わぬところで問題が持ち上がった。その問題とは、美佐とエマニの思想の違いによるものだ。
エマニの思想とはすなわちタイカの思想であり、タイカは介入対象者を差別せず、生命的な危機の度合いを優先していた。実際に介入対象リストは老若男女問わず、今まさに事件や事故に巻き込まれている人が含まれていた。
しかし、美佐はそれに納得しなかった。
「生命の危機が迫ってるからといって、それ以外を軽視していいわけないじゃない。それよりも、その時点で命の危険はないかもしれないけど、八方塞がりで本当に苦しんでる人だっているでしょ。その人たちは今対策を講じてあげないと、結果的に命が予備屋化されることになりかねないよ」
「つまり現在の介入条件を変えたいということですか?」
「そうだね」
「では変更するパラメータを指定してください」
「パラメータねぇ…」
美佐は「生命危機に直面していないが、八方塞がりな状態」を具体的なイメージに落とし込んでみた。要は、起こった事件を探すだけでは不十分なのだ。土に隠れている種を探すのは難しいが、花が咲くまで待つ必要はない。しかし、今の介入プログラムは花に限定して分析している。それを種まで広げればいいのだ。種を探すためには、畑を常時監視して、種が撒かれる瞬間を捉えればいい。
「エマニ。あなたは24時間休みなく情報分析ができるの?」
「可能です」
「じゃあ、その時点での介入対象を選別するんじゃなくて、常に情報を分析して、悪事を働きそうな人を洗い出して」
「具体的にどういう分析ですか?」
「例えば凶器になりそうなものを買ったとか、意味もなく定期的に深夜の街を徘徊してるとか、ソーシャルメディアにNGワードを書き込んでるとか、とにかく悪事を働く予兆みたいなものを分析しておけば、そいつがいよいよ行動を起こし始めた時にアラート出せるんじゃない?」
「その分析自体は有意義だと思いますが、対象は事件に限られます。災害や事故の場合はどうしますか?」
「そっちはタイカに任せる。だって、人間の特性を実体験として理解してないと、込み入った人間関係はわからないよ。タイカみたいな異星人ならよけいにね」
その日から、エマニは過去にも遡って膨大な個人情報の分析を始めた。過去犯罪を犯した人間と同様の言動を検索キーとして、それらを統計化した上で、犯罪行為に移行する可能性を介入パラメータに組み込んだ。
そして、エマニによって最初に提示された誘拐事件が、美佐にとって真のヒーローデビューとなる。
その日、数日かけたエマニの情報分析が完了し、要注意人物を数十人ピックアップした。その中で、一人の人物に「連続殺人犯の可能性大」という警報が出ていた。
「やっぱりね。実際に犯罪犯すまで待たなくたって、本人の気づかないところで尻尾を出すもんなんだよ」
美佐が意気揚々とエマニに最優先監視を命じたところ、数日後に対象者が行動を起こす。エマニによると深夜に車で外出したという報告だった。また、対象者はそのときドライブレコーダーを停止したらしい。
「エマニ。そいつの車を常時監視する方法ある?」
「上空に小型ドローンが24時間体制で監視中います」
「さすが用意周到だね。そいつはきっと拉致する相手を探してるはずだから、特に路地や人気の少ないところに入ったり、女性の後ろを徐行しているときは教えて」
自体が動いたのはそれから数時間後だった。対象者が2度同じ道を走り始め、その途中で路地に車を止めた後、狙いを定めていた女子高校生を羽交い締めにしてトランクに押し込んだ。
対象者が車を走らせた頃にはエマニのアラートが出ており、美佐は現場に急行した。
その頃には自在に飛べるようになっていた美佐は、高高度を一直線に対象車両へ向かい、ものの数分で補足した。
しかし、車を停止しようと急降下を始めた時、エマニが警告を発した。
「トランク内の女性は固定されていない可能性があります。今車を急停止させると、その反動で負傷します」
「遠隔操作でエンジン止められない?」
「外部接続用の受信装置が見つかりません」
たぶん犯人が自分で取り外したのだろう。遠隔操作はアクセスIDさえわかれば警察にもできる。それを警戒したのだ。
「なるほど、悪事働く気満々だったわけだ」
こうなったら犯人が自発的に車を止める以外にない。美佐は停止と同時に急速降下できるよう、エネルギーを臨界状態で維持した。
しばらくすると、車が減速してコンビニの駐車場に入っていく様子を小型ドローンが捉えた。
美佐は車が停止した瞬間を見計らって超音速で降下した。着地と同時に窓ガラスを突き破って男の胸ぐらを掴み、そのまま車外へ引きずり出す。そして、男を地面に押し付けながら、コンビニの前であっけにとられている男女のグループに向かって声をかけた。
「トランクの中に女性がいるの。助けてあげてくれる?」
空から突然現れた白い女性型のロボットみたいな人物が、身体と同じような白いマスクに赤い目だけを光らせているが、エイリマンを見慣れているのか、唖然とはしているものの特に驚愕することもなく、素直に美佐の頼みを受け入れて、トランクから気を失ってる女性を救出した。
「この子どうしたの?」と、見物人の一人が美佐に尋ねる。
「拉致られたのよ。この変態男に」
美佐に取り押さえられてから喚き散らしていた男も、美佐が手から薬剤を投与したために意識を失った。見物人たちが女性を介抱している間、美佐は男を運転席に座らせると、車を持ち上げてエキゾーストパイプを引きちぎり、それで男を拘束した。
「エマニ。こいつの額に一生消えない入れ墨みたいなもの入れたいんだけど、何か方法ある?」
「ナノマシンを注入すれば細胞を直接染色できます。ナノマシンは細胞分裂に伴って移動するので、皮膚の新陳代謝によって消えることはありません」
「それ最高。どうすればいい?」
「描画する文字を指定した上で、手のひらを額に当ててください」
美佐は手のひらを犯人の額にあてると、すぐに皮膚が焼ける音がして、犯人の顔が歪む。手を離すと「私は性犯罪者」という文字がどす黒く描かれていた。
女性を介抱していた若い男が覗き込んできて、犯人の額を見た途端笑い出した。
「なるほど。これじゃ再犯したくても誰も近寄らないな」
「でしょ。これで引きこもってくれたら一番いいんだけどね」
「ところで、あんたがエイリマンか? 見た目がちょっと違うけど。ってか、エイリマンって女だった?」
「違うよ。私はフロウ。れっきとした地球人よ」
「地球人? エイリマンは違うの?」
「えっ? 知らなかったの?」
「そりゃ普通じゃないとは思ったけど、自分では何もいってないからな」
「そうなんだ。もしかして、余計なことばらしちゃった?」
「じゃあ、やっぱりあいつの仲間なんじゃん」
「違うってば。まぁ、話せば長くなるんだけど。ごめん、もう行かないと。あとはよろしくね」
「おいおい。正義の味方は後始末しないのかよ」
「正義の味方は忙しいんだよ」
そう言って美佐は逃げるように飛び去った。
(*)ナイチンゲールの格言について
引用先「【検証】ナイチンゲールが本当は言っていない「名言」1
https://note.com/kuga_spqr/n/nf4a73b25d279




