episode4-4
「で?お前がきたってことは何かあったのか?」
シアンはディアナに頭を下げ続けるエクルをみて少し呆れつつ、問いかけた。
「あ、はいっ!あの実はフィオラとヴィア様の会話を先日、なんというか……小耳に挟んだところ……………申し訳ありません、ここでは…話せません」
「はあ?困ったやつだな」
その姿を見かねてソラハはディアナの手を掴むと、シアンとエクルに深く頭を下げて伝えた。
「シアン様、エクル殿、私たちは席を外しますので、どうぞ」
「ソラハ殿…助かります」
ソラハ達が出て行った後、エクルは用心深く、公用語ではなくパタトゥライアの古い言語で話し始めた。
『では、話します』
『ルパ語は苦手なんだが…』
『諦めてください。……ヴィア様達の会話では1週間後、ドォーファがティスカに攻撃を仕掛けるそうです』
『じゃあ、俺たちはティスカを援助すればいいのか……ってそんな簡単な話じゃ済まなそうだな』
陛下と姉上のことだから、自分の頭では考えられないことをいつも言ってくる。しかも、ことが起こる1日前だとか、半日前だとか……。さすがにもう慣れて2人の頭の中を理解できるようになりたいものだが……そう考えると頭が痛くなってくるな。などど、シアンが考えていると、エクルの口から飛び出してきたのはやはり、驚くべき作戦であった。
『はい…。パタトゥライアはティスカでも、ドォーファでもなく、公国ニェジニャの味方につき、二国を一斉に滅ぼす気です』
『ニェジニャに……確かにドォーファと、ティスカの間にあるニェジニャは戦地になるだろうが…なぜ、そこなんだ。いや、ドォーファとティスカを一斉に滅ぼしたいという気はわかるが…それでは、ディアナとソラハ殿に対し恩を仇で返すことになるじゃないか…それに、姉上の婚約はどうなるんだ⁉︎』
『それについては…私もわかりません。シアン様…どうされますか?』
『決まっている。まず、姉上に会いに城へ参る。あとはそれが終わってから考えよう』
『……はい』
話が終わり身支度を整えて、先ほどの屋根裏部屋へ戻ると、ディアナの後ろ姿を視界に捉えた。




