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サカナはオカに生きられぬ
それからローズマリーにもホンダマモルにも、サンライズは一度も会っていない。
瀬戸内にいるのか、ブラジルに渡ったのか、全然違う場所で暮らしているのか。生きているのか死んでいるのかさえも。
案外目と鼻の先にいたりして、そうだったらどんなに嬉しいか。頭の血腫もあっさり取れて、すごく元気になった彼がヨコハマのどこかで、ソフトクリームを巻いているのかメロンパンの屋台でもやっているのを想像してつい、目元が緩んでしまう。そういうことが妙に似合いそうだ、女の子を冷やかしたりして。
だったらオレは毎日買いに行ってやるのに。しかし相変わらずのロン毛なんだろうな、と時々脈絡もなく思う。
それなのに……ぱっと見た目とあそこまで中身が違う人には、今まで会ったことがなかった。
すごく、真面目な人だったなあ、どこまでも素直で、一途にまっすぐで。
やはりああいうのが海の男だったと言うのだろうか。
時々歌を聴くたびに、蘇る、あの表情が。そして何も考えていないような、それでいてすべてを悟ったあの眼差しも。
辛い別れだった、というわけではないが、思い出すたびにやはり、胸が痛むのはどうしようもない。
そういうものなのだ、オカに生きていく限りは。
了




