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2.決行の時

詠唱の言葉を考えるのってなかなか難しいですね(汗

でも考えるの楽しいですね


―ヤジャラ村


夜の帳が下り家々に明かりが灯る頃…

私たちは村の広場に集まっていた。

村長達が出発する前にお見送り兼いない間に何か起こったときどうするかの確認をする。

まぁ、ちょっとした集会のようなものだ。

内容については長すぎて私は右から左なの。

魔法については知りたいしちゃんと聞いてるよ。ただ、興味のないものや薄いものはスーッて行っちゃうの。

今日の話も長いなーと思いながら終わるのを待っていると私が聞いてないのが丸わかりのようで宮殿に向かううちの1人が話しかけてきた。彼の名はエルトン。この村で5番目くらい?に偉い人。


「ローザ、私たちは宮殿から呼び出しで今夜から村を空けることになる。村に残された人の中で最も頼れるのは君になるだろう。夜は魔物達も活発になる。いくら村に私たちの防御魔法がかかっているとは言え何もないとは限らない。その時はローザが今まで習得してきた魔法で村を守るんだよ。」


「はい、村の事は心配しないで下さい。私だけじゃなく他のみんなもいるから大丈夫。王都でのお勤め、よろしくお願いします。」


彼はわざとらしく溜息をつくと、技術的には問題ないんだろうけど心配だと言い残すと村長の元へと戻っていった。

心配だなんて…まぁ、仕方ないのかもしれないな。

今はまだ見ぬ黒魔法がもう少しでこの手に届く事が待ち遠しくて心ここに在らずなのだから。


「そろそろ出発するぞー。」


その掛け声と共に村の入り口へと移動した一行。

朝のローブをまとった姿は旅芸人ならぬ旅魔法使い。これから数日かけて馬で王都に向かうらしい。実は一度、移動に魔法は使わないのかと聞いたことがあるのだが転移魔法はとても繊細で難しいらしく集団で行うのは不可能。個人個人でもかなりの確率で失敗に終わるらしい。

因みに、私も出来ない。習得することが出来れば色々と便利になるんだけれども…理想と現実は遠い。


こんな事を考えている間に宮殿へ向かう組は荷物なども積み終わったようで馬にまたがっていた。


「では、行ってくる。村の事はしばらく任せたよ。」


そう言い残し彼らは宮殿へと旅立っていった。

村残り組は彼らの背中が見えなくなるとちらほらと解散し、やがて広場は静けさだけが残った。



さぁ、出番です。


私は足早に村長の屋敷へ向かうと非常時用の通路へと入り込んだ。私は知っているの。村長さんの家の地下には色々なものがあって特別大きなものはここから地下に持っていく事を。だからここを進めば黒魔法の本に辿り着ける!

私の心には本のことしかなく、暗い通路で足元が悪かろうがなんのその。虫?蛇?コウモリ?それがどうした状態。

普段ならギャーだのワーだの騒ぐのに我ながら驚きだ。


恐るべし…。



ずんずん進んで辿り着いた先は村長宅・地下扉前(非常用)。案の定、鍵が掛かっており普通には開けられない。

勿論、押しても引いても横にスライドさせても開かないよ←…と、そう言うのは置いといて、ここで役に立つのが私の魔法。因みに今の私にあるのは白魔法だけなので使うのも勿論、白魔法。

私はそっと扉に触れると詠唱する。


「鎖に縛られし扉よ、我が声を聞き入れその内に秘められし真実を示せ。」


鍵のあたりが白く光り収縮する。途端に鍵が開き扉がゆっくりと解放される。開け放たれた先には村長さんが集めたであろうよくわからない品々が所狭しと置かれていた。

これは探すのに苦労しそうだと思いながら足を踏み入れた。

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