空想が現実になるぅ!?
【読者の皆様へ!黒歴史技を大募集!】
見に来てくださりありがとうございます!
本作は、主人公、千乃の前世の厨二病ノートの妄想技が現実化してしまう異世界転生物語です。
あわせて、「皆さんが昔ノートに書いた悶絶級の最強技名」も感想欄で教えてもらえると嬉しいです
(作中で千乃が叫ぶかも!?)。
★ただいまゲリラ爆速更新のお祭り開催中!★
勢いに置いていかれないよう、ぜひ【ブックマーク登録】をして、一緒にこのお祭りを盛り上げてください!
ブックマーク・感想・評価
お待ちしています!
学校帰りの夕暮れは、不思議と世界の輪郭を淡く溶かして見せる。
橙色に染まる歩道。
長く伸びた制服の影。
電線の向こうから聞こえる鳥の鳴き声。
そんな何気ない景色を、千羽千乃はぼんやり眺めながら歩いていた。
「今日も普通だったな……」
普通。
平穏で、退屈で、少しだけ息苦しい日常。
毎日が同じように過ぎていく。
それでも千乃には、一つだけ特別なものがあった。
少し前を歩く、一人の少年。夜坂真銀。
その背中を、気づけばいつも目で追ってしまう。
話しかけたい。でも勇気が出ない。そんなもどかしい距離のまま、何ヶ月も過ぎていた。
「真銀、今日は……」
ようやく紡ぎかけた言葉は、最後まで形にならなかった。
甲高い金属音が、静かな夕暮れを真っ二つに切り裂いたからだ。
――キィィィィィッ!!
タイヤが悲鳴を上げる。制御を失ったトラックが、猛スピードで歩道へ突っ込んでくる。
「危ないッ!!」誰かの叫び。
その声を聞いた瞬間には、もう身体が動いていた。
「真銀ッ!!」考えるより先に。
恐怖を感じるより先に。
伸ばした両手が、真銀の身体を全力で突き飛ばす。
彼の身体が横へ弾かれた、その直後。
激しい轟音。
凄まじい衝撃。
世界が、真っ白に砕け散った。
痛みは、あとからやってきた。
熱いのか、冷たいのか、もうそれすら分からない。
身体の感覚が少しずつ遠ざかり、自分という輪郭が溶けていく。
視界の端から、ゆっくりと闇が広がっていった。
最後に映ったのは、真銀の顔だった。
驚き。
焦り。
信じたくないという絶望。
全部が入り混じった顔。
「千乃……!? 千乃ッ!!」
必死に自分を呼ぶ声。
けれど、その声も次第に遠ざかる。
まるで、深い水の底へ沈んでいくように。
(あぁ……)
不思議と、怖くはなかった。心残りがあるとすれば、一つだけ。
言えなかった言葉。
縮まらなかった距離。
その全部を、消え入りそうな小さな息に乗せる。
「……ありがとう、だいすき」
それが、千羽千乃の最後の言葉。
「千乃、俺も――」
真銀も何かを叫ぼうとしたが、その言葉が最後まで千乃に届くことはなかった。
視界が完全に閉ざされる、その寸前。空が割れた。
いや、割れたのは空ではない。世界そのものだった。
(死ぬときくらいは静かに死なせてよ…)
空間を引き裂くように走る裂け目。
そこから降り注ぐのは、光でも闇でもない、言葉では表せない“何か”。
そして――誰かの声が響いた。
優しく、どこか楽しげで、それでいて絶対に逆らえない圧倒的な存在感を宿した声。
『……やっと……見つけたわ』
その一言を最後に、千乃の意識は完全に途切れた。
「あなたの人生は終わりました」
唐突に告げられた、無慈悲な人生終了宣言。
ゆっくりと目を開ける。
そこは、白だけが存在する奇妙な空間だった。
空もない。地面もない。上下も前後も分からない。
その中心に立っていたのは、一人の美しい女性だった。
神と呼ぶにはあまりにも親しみやすく、それでも神以外とは思えない圧倒的なオーラ。
「でも安心して。あなたには“次”があるから」
状況がまったく理解できないまま、千乃は乾いた声を絞り出す。
「……は?」
あまりにも素直な一言だった。
女神は、くすっと楽しそうに笑う。
「あなたの中にあった“記録”。あれはただの空想じゃないのよ」
「……え?」
「あれはね、世界の外側に触れていた記録。チャネリングってやつかしら?」
理解が追いつかない。
首を傾げる千乃をよそに、女神はピースサイン混じりにさらりと言った。
ウザさ特盛のピース+ウインク+片足上げのキャルんポーズで。
「だから転生させるネ☆ 特別仕様で♡」
これ、いや、この方は本当に神なのだろうか……
頭痛を覚え始めた千乃の前で、空間がゆっくりと揺らぎ始める。
いよいよ異世界への旅立ちの瞬間。
そこで女神は、あ、と思い出したように付け加えた。
「ちなみに、あなたが厨二病を拗らせてた頃の“あのノート”」
一拍置いて、満面の笑みで告げる。
「そこに書かれた設定や技、全部そのまま異世界で使えるから☆」
千乃の思考が止まる。
数秒。
脳細胞が完全に停止したあと、前世の記憶が鮮明にフラッシュバックした。
――『我が名は漆黒の堕天王……紅蓮の炎よ、我が敵を焼き尽くせ(笑)』
嘘、だろ……?
あの黒歴史ノートの呪文や痛いオリジナル設定が、現実に……!?
「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっっっっっ!?!?(嫌ぁぁぁぁぁぁぁ!!)」
絶叫が白い世界に木霊する。
その魂の叫びごと、世界はまばゆい光に包まれた。
今後とも宜しくお願いします!




