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第38話 ヒカリの才能なのかな


「な、何これ? お兄ちゃん?」


「んっ? だからプールがあるって言っただろ?」


「プ、プールったって、こんなに大きいとは思わないわよ~、何これ? 凄すぎるよ~」


「広~い、嘘みたい大金持ちみたい、本当に此処で泳いで良いの?」


「ああ、夕食を食べてからな」


「あああ、私水着なんて持ってないよ~、どうしよ、お兄ちゃん」


「そっか、そりゃそうだよね、でも?」


「はい、既に御用意致しております、後でお選び頂けたら良いかと思います」


「流石リラさん、良かったなヒカリ。お前の水着も用意してくれてるって」


「ええっ? でもサイズとか?」


「リラさんの目測って凄いんだぞ、ちゃんとヒカリのサイズで用意してくれてるさ」


「すご~~い、でもやった~、ありがとう。リラお姉さん」


「フフ、どういたしまして」



 ヒカリはハシャイでプールを見ている内に、お寿司屋さんが来てくれたようなので、ヒカリを呼んで来る。


 魚座の職人さんは何時もの様に仕込みをしてくれているようだ。



「へっ? お兄ちゃん? お寿司の出前なんだよね?」


「そうだぞ? お寿司の出前じゃなくて、お寿司職人さんに来て貰ったんだ、好きなの注文して良いぞヒカリ」



 大阪に出てきて驚きっぱなしのヒカリが、今日一番驚いたのか口を大きく開けて固まっている。



「さっ! ヒカリちゃん。用意出来たみたいよ、食べよっか?」


「はい、回らないお寿司屋さんが家に来てくれるんだ・・・」


「あはは、今日一番驚いたみたいだな、食べないのか?」


「そ、そりゃ驚くよ~、食べる食べるって、私タマゴが良い」


「んんっ? せっかくのお寿司なのにタマゴなのか?」


「お兄ちゃん分かって無いな~、お寿司屋さんはタマゴで決まるんだよ?」


「そうなの?」


「お嬢さんのおっしゃる通りです。寿司屋の味は玉で分かると言われています」


「へえ~、ヒカリにそこまで味が分かるとは思えないけど・・・」


「ブ~、失礼だよ、お兄ちゃん」


「あはは、出来たみたいだぞ」


「わーい、いただきまーす・・・・・・えっ?」


「どうしたんだ? 美味いだろ?」


「美味しいどころじゃないよ~、めちゃくちゃ美味しい~♪ 私が今まで食べた中でも、ダントツに美味しいわ♪」


「ありがとうございます」


「へええ~、僕も魚座のお寿司には驚いたけど、タマゴまで美味しいんだ」


「凄いよお兄ちゃん、ふっくらしてるのに弾力があって噛み応えと言い、味と言い最高~、これはマゴチね! それに砂糖が全然入ってないのに上品な甘みが良いわ」


「へっ?」



 僕はヒカリが何言ってるのか分からなかったが次の職人さんの言葉に驚く事になる。



「お、驚きました・・・確かにウチではマゴチのすり身を使っております」


「ふふ~ん、そうでしょ」


「・・・ねえ、普通タマゴに入ってるすり身魚の味なんて分かるもんなのかな?」


「分かる訳ないでしょ?」


「次はタイが良いな、お兄ちゃん」


「分かった分かった、すみませんタイ1つお願いします」


「はい、お待ちを」



 しばらく待つと、タイのお寿司に大喜びのヒカリが少し恥ずかしいぐらいだった。



「凄いすごーい、お兄ちゃん松皮造りよ?」


「皮付きの事か? 良くそんな名前知ってるなヒカリ」


「えへへ! テレビで見たことがあるの、一度食べて見たかったんだ~、


いただきまーす♪ モグモグ・・・お、美味しい~、凄く美味しい♪


お兄ちゃん此処って凄いお寿司屋さんね?


真鯛も美味しいけど、微かに香るこの匂いって昆布ね、湯引きを昆布出汁でしたんだ。


凄くタイに合うわ。それに、此処に来る前に包丁を研いでくれたのね、流石プロって感じよ」


「も、申し訳ありませんでした。以後気を付けます」


「ううん、良いのとっても美味しいわ♪」


「・・・リラさん僕ヒカリの言ってる事が分からないんだけど?」


「フフ、私には分かりませんでしたが。おそらく、お寿司に少し包丁の鉄臭さがあったのでしょう、ヒカリ様は食通ですね」


「・・・ヒカリって、唯の食いしん坊じゃなかったんだな」


「お兄ちゃん、褒め方が微妙なんだけど?」



 それから魚座の職人さんは、何時もより必死でお寿司を握ってくれている。半面ヒカリは大絶賛していた。


 僕が思っている以上に凄い職人さんだったようだ、ヒカリがそれを教えてくれたのが意外だったけど。


食事が終わり職人さんが挨拶をしてくれた。



「今日は御指導いただきありがとうございました、より一層精進致します」


「今日はすみませんでした。ヒカリが色々言っちゃって」


「いえ、お嬢様は凄い味覚の持ち主ですね、感服しました」


「お詫びと言ってはなんですが、何時もよりお代に色を付けときますね。仕込み代だと思って下さい」


「いえ、とんでもない! 今日はお代をいただかなくても良いぐらいですので」


「ヒカリは大喜びでしたよ? 僕も改めて凄いお店だと思いました、だから取っといて下さい」


「・・・ありがとうございます、またお呼び下さい」


「はい」



 魚座の職人さんは丁寧な対応で帰っていった。気持ちの良い対応に腕だけではなく立派な職人さんだと感心した。



「ふぅ~、お腹いっぱーい、すっごく美味しくて吃驚しちゃった。ありがとう、お兄ちゃん」


「満足してくれたらお兄ちゃんも嬉しいよ。そうだ、これもヒカリに買っといたんだ」


「うわ~、これって1つ300円もするチョコレートじゃない? すごーい流石社会人ね」


「ふふん、やっとヒカリにも分かったみたいだな」


「これ高くて買えなかったんだよね、普通に買えちゃうのって凄いな~、お小遣い月3000円なんだもん買えないよ~」


「えっ? お兄ちゃんも3000円だったんだぞ? なんでヒカリも同じ値段なんだ?」


「ふふ~ん、そりゃ私一人になったからだよ」


「お兄ちゃんがヒカリぐらいの時は2000円だったのにな、まっいっか無駄使いするんじゃないぞ?」


「分かってるわよ~、もう子供じゃないんだよー」



「ねえアヤメ? なんか私ほっこりした気分なんだけど?」


「・・・私もよ、どうしてもヨウ君が超大金持ちに見えないわ」


「300円・・・その100倍出しても、あのお寿司食べれないよね?」


「フフ~、それもヨウ様の魅力ですよ」


「僕、一人っ子だから兄妹が羨ましいね」


「フフ、この会話を聞いていると、ヨウ様の家庭が幸せなのが良く分かります。此方まで幸せな気分になれますね」



「さっ、お兄ちゃんプールプール♪」


「もう行くのか?」


「もっちろん♪ 早く行こ~」


「分かったって、アヤメさん達も行きませんか?」


「そうね、皆で行こっか」


「ありがとうございます」



 こうしてヒカリのために夜のプールを楽しむ事になった、僕がさっさと着替えてプールで待っていると、ようやくヒカリが水着に着替えて出てきたようだ。



「う~、お兄ちゃん、この水着恥ずかしいんだけど・・・」


「なんでだ? 良く似合ってるぞ」


「だって、ビキニじゃない? 田舎じゃこんな派手な水着着ないよ~」


「あはは、そうだよな♪ でも、もう直ぐ恥ずかしく無くなるって」


「えっ? どうして?」



 プールでヒカリと喋っているとアヤメさん達もプールへ来てくれた、相変わらず皆メチャクチャ良いスタイルをしている。


 特に最近ステータスを上げているせいか、以前にもましてスタイルが良くなっているし、何故か胸も大きくなってるような・・・


 ヒカリもアヤメさん達のビキニ姿を見て驚いているようだ。



「綺麗・・・皆さん凄く綺麗だし、スタイル良いから見惚れちゃいそうです」


「んふふ、ありがと♪ ヒカリちゃんも可愛いわよ」


「うわ~、大人の女性だ~、お兄ちゃん本当にこんなに綺麗な女性達と一緒に暮らしてるの? ハーレムなの?」


「バ、バカ・・・そんなんじゃないぞ」


「あはは、ハーレムで良いんじゃない? 皆ヨウ君の事が好きなんだしさ」


「こ、こら、ナギサ。何もヒカリちゃんの前で言わなくて良いでしょ」


「うわ~、うわ~、本当にお兄ちゃんのハーレムなんだ? しかも、こんなに凄い女性達が・・・」


「・・・なんで、ジト目でお兄ちゃんを見てるんだ?」


「ママに何て言おうかな・・・「お兄ちゃんは大阪で綺麗な女性達とハーレム生活だったよ」かな?」


「ブッ!? 言い方が悪すぎだ」


「あはは、ヨウ君の両親が驚きそうね?」


「ナギサさんからも、ヒカリに何か言ってくださいよー」


「んふふ、ヒカリちゃん大丈夫だよ♪ まだ誰にも手を出してないから」


「えっ? えっ? うわー♪ うわー♪」


「ナ、ナギサさんーーーーーーーーーーー」


「にひひ♪ 冗談よ冗談!」



 顔を真っ赤にしていたヒカリも皆とプールで遊び、満天の星空を見ながら優雅にビーチチェアに座っている。


 リラさんが、フルーツの盛り合わせとジュースを持って来てくれたので、ヒカリは大ハシャギだ。



「あ~、私幸せ~、まさかお兄ちゃんの部屋がこんなに素敵だったなんて夢みたいよ?」


「見直したか?」


「うふふ~、ソンケイシマスー」


「なんでカタコトなんだよ?」


「本当に尊敬ものだよお兄ちゃん、大阪で苦労してないか心配だったけど、メチャクチャ頑張ってたんだね、なんか凄い体になってるしさ。


寂しがってるどころか、こんなに綺麗な女性達に囲まれちゃってるし、生活は超豪華だし。私の方が寂しくなっちゃったよ」


「あはは、でも最初はダンジョンも一人で頑張ってたんだぞ? その時は寂しかったけど、今は此処にいる皆が助けてくれて助かってるんだ」


「皆綺麗だしスタイルなんて抜群だけど、とっても強いんだぞ?」


「うわ~、もう完璧超人だよ~、でもとっても安心したわ、良かったねお兄ちゃん良い人達と巡り合えて」


「うん、そうだな神様に感謝しないとな」


「ところで明日は昼まで寝るんだろ?」


「ん~、寝ちゃうかも?」


「兄ちゃんダンジョンに行くから昼過ぎまで、此処で大人しくしてるんだぞ」


「うん、分かった・・・でも昼過ぎなら寝てるかも~」


「・・・相変わらず寝すぎだぞ」


「えへへ! 育ち盛りだから休みだと寝ちゃうんだよね、お姉さん達程じゃないけど私も胸とか大きくなったでしょ?」


「ブッ!? 分かる訳ないだろ?」


「そうだよねー・・・こんなに胸の大きな女性達に囲まれてたら、私の胸なんて分かんないよね・・・トホホー」


「も~、良い話してるなと思ったら、ヒカリちゃんも高校生にしたら大きい方じゃない?」


「大人になったら私達より大きくなるかもよ?」


「そ、そうかな~、お兄ちゃん巨乳が好きだから、私なんて全然見てくれないんだよー、大きくなったらちょっと嬉しいかも♪」


「「「「「ほほ~」」」」」


「こ、こらっ! ヒカリ。なんて事言うんだよ」


「だって、お兄ちゃんのコレクション巨・・・モゴモゴ」



 とんでもない事を言いだす前に、ヒカリの口を手で塞ぎ喋れない様にした。



「プハッ! ごめんって、もう言わないから許して~」


「どうやったら、その言葉を信じろって言うんだ?」


「あはは、ホントに言わないってば~」


「にひひ♪ 良かったわねヨウ君、私達の胸が大きくて♪」


「ナ、ナギサさん~、違いますからね?」


「お兄ちゃん、嘘は駄目よ?」


「ヒカリ~~~~~~」


「「「「「「あはははははは♪」」」」」」



 この日はヒカリが明日早めに目が覚めても良いように、テレビの点け方や食べ物があるところを教えてから寝る事にした。




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ヒカリちゃんの隠れた才能発見! 神の舌を持つ少女!! 将来は料理人や料理研究家などになっても良いかもですね~。
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