第36話 ヒカリが遊びに来るらしい
部屋に帰り皆に今日の話をしたら、皆お腹を抱えて笑い出した。
「あはは、私も見たかったな~♪ スズカちゃんに会いたくなっちゃった」
「しっかし、リラさんの行動力って凄いわね~。一等地のマンションの部屋10件とキャバクラが出来るお店買っちゃったのよね? しかも数分で」
「いえ、大した手間ではありませんので問題ありませんでしたよ」
「私はずっと見てましたけど、みんな驚きのあまり金魚みたいに口をパクパクしてましたよ♪」
「僕、改めてお金の力って凄いなって思いました。リラさんが居なかったらこんなに上手く出来ませんけど」
「ところで、今日だけで幾らぐらい使ったのかな?」
「色々押さえるのに30億ほど使いましたが、半分ぐらい返って来るかと思います」
「それでも30億なんだね、2兆持ってる三日月君って凄いね」
「本人は全然実感湧かないんですけど、そう考えると凄いですよねー」
「私もヨウ君に貰ったお金の使い方分かんないけど、親に家でも買って上げようかな~」
「そうね、私もそれぐらいなら買って上げても良いんだけど、言い訳が難しいのよね。本当の事言ったら目の色変えそうなんだもの」
「でも、良い家って言っても1億ぐらいだよね?」
「そうよね、なんか1億が大金に思えなくなっちゃってるわね・・・」
「仕方ないわよ、だって100億持ってるんだもの1/100よ? 1万円なら100円よ?」
「ツドイさんは、親に何か買うとか?」
「僕色々あって、しばらく親とは会ってないから」
「あれっ? 喧嘩でもしてるのかな?」
「喧嘩とかじゃないんだけど、結婚しろって煩いかな」
「「ある、ある」」
「僕もう色々な乗り物に乗せてくれる、三日月君の奴隷で良いんだけど」
「ブッ!? ツ、ツドイさん! 奴隷って言う言い方はやめましょう」
「召使が良い?」
「却下です!」
「子分?」
「駄目です!」
「舎弟?」
「同じです!」
「愛人?」
「ブッ!?」
「じゃ愛人で!」
「許可してません!」
「妻は駄目だよ? アヤメさんが居るだろ」
「「ブッ!?」」
「どーして、私が妻なのよ?」
「好きだから?」
「す、好きだけど・・・」
「えっ?」
「あっ? えっとその、嫌いじゃないって意味よ?」
「・・・・・・・・そう・・・・・・です・・・・・・か」
「あっ? もうそんなに落ち込まないでよ、好きよ、大好きよ」
「ホントですか?」
「そんなに喜ばないでよ・・・照れるでしょー」
「あーもー! ハーレムで良いんじゃない?」
「フフ~♪ そうですね♪」
「リラさん達の親は何も言わないの?」
「私達の親は事故で他界してますから、姉妹二人きりですよ」
「そうだったの、ごめんなさい」
「フフ、もう昔の事ですから、お気にせずとも」
「僕リラさんとノノさんとは、ずっと一緒に居ますから家族みたいなものですよ」
「ヨウ様、嬉しいです」
「ヨウ様、ありがとう」
「もうハーレム決定だから、此処に居る6人が家族じゃないですか」
「その言葉には、ちょっと抵抗がありますけど、そうですね僕も皆とずっと一緒に居たいです」
「先の事は分かんないけど、今はそれで良いんじゃないかな?」
「んふふ♪ そうね、もう生きていくだけのお金は十分あるし、後は人生を楽しむだけだもんね」
「僕も、それに同意だね」
「フフ、良いですね楽しみながら生きるのも」
「フフ~♪ 最高じゃない?」
「僕も大賛成です!」
初めて皆と深い話をして幸福感に包まれていると、妹のヒカリからメールじゃなくて電話が入った。
ピンッポポポポポンッピポンポンッ!
「あっ? すみません妹からみたいです、ちょっと出ますね」
「良いわよ」
「もしもし、どうしたんだ電話って珍しいじゃないか?」
「もしもし、お兄ちゃん? 私休みに入ったから遊びに行くね」
「えっ? ヒカリ一人で来るのか?」
「うん、一人で大阪旅行する~♪ どうせそっちには、お兄ちゃんが居るしね」
「あっ? そうだ、どうせ狭い部屋だろうけど、私一人ぐらい泊めてよね? 我慢するからさ」
「我慢って、お前な~」
「だって~、そっちは宿泊代高そうなんだもん。一人で泊まるのは心細いしさ、良いでしょ?」
「ま、まあ良いけど、いつ来るんだ?」
「明日よ、明日の昼頃到着する予定なの、駅まで迎えに来てね。お兄ちゃん♪」
「なっ、なに? バカッ、ヒカリ幾ら何でも突然すぎだろ?」
「ニャハハ♪ 本当は明日の予定じゃなかったんだけど、友達が遊べなくなっちゃって予定が空いたから明日にしたの。
良いでしょ~、お兄ちゃん?
予定が合わないなら、そっちで時間潰しとくからさ。
お願いします~」
「・・・・・ちょっと待ってろよ、全く・・・すみません、皆さん。明日妹が田舎から遊びに来るらしいんですが、ダンジョンは午前中だけでも良いですか?」
「「「「「・・・・・・それでもダンジョン行くんだ?」」」」」
「フフ、ヨウ様らしいです」
「まあ、良いわよ♪ ヨウ君の妹さんにも会ってみたいしね」
「観光するでしょ? 僕運転するよ」
「初対面なのに大勢で行くのも変ね、私は部屋で待ってるわ」
「じゃ、お姉ちゃんとツドイさんだけで良いんじゃない?」
「ヨウ様さえ良ければ、どうなさいますか?」
「すみません。妹に付き合わせちゃうけど、リラさんツドイさん良いですか?」
「僕は勿論良いよ」
「はい、お供させて頂きます」
「ありがとう、ごめんね」
「もしもし、それで昼の何時頃着くんだ?」
「えっとね、大阪駅だよね?」
「そうだけど大阪駅って凄く広いんだぞ? 絶対迷うぞ?」
「えええ~~? どうしようお兄ちゃん・・・」
「到着時間教えてくれたら改札口で待ってるから、それなら迷わないだろ?」
「うん、そうする、ありがとう、お兄ちゃん♪」
「たぶんね、そっちに着くのは13時頃だと思う」
「全く・・・お金あるのか? 何泊するんだ?」
「うん、お金はママに貰ったよ、何泊するか考えてないよ? 飽きたら帰る」
「こらこら、こっちの都合も、ちょっとは考えろよな?」
「お願い、お兄ちゃん、きっと直ぐ飽きるからさ」
「・・・分かったから気を付けてな、変な奴に着いて行くんじゃないぞ」
「も~、分かってるわよ。私も子供じゃないんだからさ、いっぱい美味しい物食べさせてね~。楽しみにしとくよ」
「分かった、分かった、じゃメールして来いよ」
「うん、ありがとうお兄ちゃん♪ 会えるの楽しみだよー。じゃねー」
「ふぅ~、全くヒカリの奴勝手なんだから」
「んふふ♪ ヨウ君も、しっかりお兄ちゃんしてるのね」
「我儘な妹で苦労してるんですよ」
「でも、すっごく慕われてるのが分かるわ、ヨウ君良いお兄ちゃんしてる証拠よ」
「ん~、やっぱり妹は可愛いですから、ついつい甘くなっちゃいますね」
「ヒカリちゃんね、明日会えるのが楽しみだわ」
「すみませんが、宜しくお願いします」
それからも、色々な話をお酒を飲みながら皆と過ごし眠りに着いた。
翌朝、何時もの時間に起きてダンジョンへ繰り出した。
とりあえず何時もより時間が少ないので地下10階のボスを倒し<言語理解>のスキルとエリクサーを取得し、一度オーブで戻ってから地下20階のボスを倒しに行った。
2回目となれば地下20階のトロルキングも更に簡単に討伐する事ができた。
2回目の<超回復>スキルとエーテルを取得した。
それからは、時間が来るまで有用なスキルとSPオーブを搔き集め、間に合うように大阪駅へ向かった。
大阪駅へ着くと僕とリラさんだけ降ろして貰い、ツドイさんは皆を送ってから、また戻って来てくれるそうだ。
本当にありがたい、ヒカリから到着時間のメールが届いたので急いで改札口へ向かうと、キョロキョロと周りを見ている田舎娘を発見した。
僕は大きく手を振りヒカリが僕に気付くようにしてやると、会心の笑顔で此方へ走って来た。
「お兄ちゃん、良かったー♪ 私どっちに行って良いのか分からなかったよ~。広すぎだよ~」
「あはは、だから迷うって言っただろ? めちゃくちゃ広いんだからな」
「ホントだね~、もう駅じゃないよ。デパートだよ~、どれだけお店があるのよ~? と、ところでお兄ちゃん・・・隣に居るすっごく綺麗な女性は? ま、ま、まさか、お兄ちゃんの彼女さんなの?」
「バ、バカ! リラさんは、お兄ちゃんのパーティメンバーで、お前の観光に付き合ってくれるんだぞ」
「初めまして。私は天満リラと申します、ヨウ様とはパーティメンバーとしてお仕えさせて頂いております。これから宜しくお願い致します」
「は、はい、お兄ちゃんが何時もお世話になってます。私、お兄ちゃんの妹でヒカリって言います。此方こそ宜しく願いします」
「フフ、ヨウ様に似た可愛い妹さんですね」
「お、お兄ちゃん? 様付け? お仕え? こ、こんな女優さんみたいなボンキュボンの?」
「落ち着けヒカリ」
「フフ、ヨウ様には大変お世話になりましたので、私が勝手にお仕えしヨウ様とお呼びさせて頂いているだけなので、どうかお気になさらずに」
「そ、そうなんだ・・・やるわねお兄ちゃんも、実は大阪ではモテモテだとか?」
「バ、バカそんな訳ないだろ? リラさんは上品でお兄ちゃんの方がお世話になりっぱなしなんだ、ヒカリも失礼の無いようにしろよ」
「そうよね、お兄ちゃんだもんね、あんまり迷惑掛けちゃ駄目よ?」
「バ、バカ」
「フフ、本当に可愛らしい妹さんですね、ヨウ様にそっくりです」
「えへへ! 褒められちゃったし」
「あ~、もう良いから行くぞ」
「あっ? ちょっと待ってよ~、こんなとこで置いて行かれちゃ迷っちゃうよ~」
「フフ、どうぞ此方へ」
「ありがとう、やっさしー♪ お兄ちゃんには勿体なーい」
「本当に置いていってやろうかな・・・」
「うそ、うそ、お兄様~」
「あっ! こらっ! 抱き着くな、恥ずかしいだろ」
「えへへ! 良いでしょ? 久しぶりなんだから、これでも会えて嬉しいんだからね」
「・・・まあ、お兄ちゃんも、元気そうなヒカリに会えて嬉しいけどさ」
「えへへ! お兄ちゃん変わってなくて良かった、都会に住んだら変わるって言うもんね、ちょっと心配だったんだ」
「そんな事ないぞ、お兄ちゃんはこれでも冒険者生活で強くなったんだぞ?」
「はい、はい、それより何処へ連れてってくれるの?」
「ちょっと待ってろよ、それより先にもう一人紹介しておくから。あっ、来てくれてる。すみませんツドイさん紹介しますね、こいつが妹のヒカリです」
「初めまして。僕、三日月君と同じパーティメンバーのツドイです。宜しく妹さん」
「ほえっ? 背たかーい、モデルさん? 綺麗なのに僕っ娘? ギャップ萌え? お兄ちゃんと同じパーティ? ハーレムなの? お兄ちゃん?」
「そう、僕ハーレムメンバーの一人」
「ブッ!? ツ、ツドイさん! 兎に角、今日ドライバーをしてくれるツドイさんって言うんだ、ヒカリもお礼言っとくようにな」
「こんな綺麗な人が、運転手してくれるの?」
「そう、僕三日月君のお抱え運転手!」
「お、お兄ちゃん?」
「と、兎に角、お礼、お礼」
「お、お兄ちゃんが何時もお世話になってます、私は妹のヒカリって言います。今日は宜しくお願いします」
「うん、じゃ出発だね」




