第309話 練馬区上級ダンジョンも制覇です
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僕達は刑事課でゆっくりした後、ダンジョンに行く事にした。
湯楽さんには、また遊びに来ると言い、手をブンブンと振りながら別れの挨拶をした。
「・・・改めて思うが、本当に悪魔みたいな奴等だな?」
「私達からしたら天使ですよね?」
「ああ、彼奴等が居たら警察なんて要らねえぐらいにな」
「もし、これが公表できたら、犯罪件数も少なくなると思いませんか?」
「恐ろしい冗談言うなよ。そんな事したらどうなるか想像つくだろ?」
「そうっすよね~ 犯罪組織は死に物狂いで殺しに行って、ゴミクズのように殺されるっすね」
ブルル! 「考えただけでも恐ろしいよ」
「警察は大丈夫っすっかね?」
「大丈夫な訳ねえだろ?」
「やっぱ見逃してくれてるんすか・・・私にできっかな、そんなこと」
「見逃してくれるほど酷く無かったと思いたいね、俺は」
「怖くて聞けないっすね?」
「馬鹿! そんな事、絶対に聞くなよ? それが引き金になるかもしれないんだからな」
「一応聞いておきたいんすけど、部長は何も悪い事はしてないっすよね?」
「してねーよ。俺の判断基準じゃな?」
「部長を捕まえたくたいっすよ?」
「馬鹿野郎! 法に触れる様な事はしてねえよ。だが、自分でも気付かねえ事があるかもしれないし、グレーな事ってあんだろ?」
「浮気っすか?」
「馬鹿野郎! そんな事してる暇があるかよ」
「そうっすよね~ 部長って部下を飲みに誘う暇もないっすからね」
「金もねーんだよ? しがない公務員舐めんな」
「そう言うお前は、大丈夫なのか?」
「大丈夫じゃないっすか?」
「なんで、疑問形なんだよ?」
「だって、冤罪は警察の罪っすよね?」
「・・・そう言う事か。それを言っちゃ警察官は全員犯罪者だろ?」
「だが、冤罪が決まったとしても、本当に冤罪だったかどうかは本人にしか分からんよ。誰かを庇って嘘の供述をするやつも居るぐらいだからな」
「それが、三日月には分かるんすよね・・・」
「だから、怖いんだろうが?」
「もしっすよ部長? 私が三日月みたいな能力を持ったらどうします?」
「また、頭が痛くなるような事を言いやがって・・・善良な市民にとっちゃ良い事なんじゃねえか?」
「私、友達が居なくなりませんか?」
「友達には能力を使わなきゃ良いだろうが?」
「そうっすね~ 部長なら変わらずに私の相手してくれます?」
「犯罪以外は目を瞑ってくれたらな? って、本気の話しかよ?」
「どうなるかは、私にも分かんないっす」
「勧誘されてるって訳か・・・まあ良いけどよ。それより、さっきから気になってるんだが・・・」
「メチャクチャ綺麗になったのは分かるが、何かおかしくねえか?」
「えっ?」
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
僕達は、また練馬区上級ダンジョンに行き、サクサクと階層を進めていく。
そして、初めて地下21階に辿り着くと、そこは亜熱帯フィールドだった。
「うわ~ ジャングルみたいなところね?」
「ですね~ 探検家さん気分になれますね」
「虫が多そう・・・」
「止めてよ~ 唯でさえ虫系の魔物が多いんだから」
「魔物なら良いけど、小さいのは嫌~」
「あはは、普通は大きな虫ほど駄目なもんでしょ?」
「大きい虫の魔物は倒していけば良いけど、小さいのはそう言う訳にはいかないでしょ?」
「なるなる。なら球体上の結界を張っておくとか?」
「それ良い~♪」×アヤメ達
「あはは、じゃそれで行きましょうか」
僕の提案で皆は球体上の<結界>を張り、小さな虫が寄り付かないようにして、快適にダンジョン探索に挑めるようになった。
一応僕も<結界>を張っておいた、僕も蚊とかは嫌だもんね。
木々は高く草花も多いので、僕達は道なき道を掻き分ける様に進んで行った。
<結界>が草を弾いてくれるので体に触れる事もなく、中々快適だ。
こうしてサクサクと階層を進めて行くと、地下22階で極彩蝶と言う名前の非常に綺麗な蝶々の魔物を発見した。
倒してみると極彩蝶の翅がドロップし、とても美しい翅だった。
何に使えるのか分からないけど、セツナさんへのお土産にしよう。
続く、地下24階ではミノウクロウラーと言う魔物に出会い、倒してみるとミノウワイヤーと言う糸がドロップした。
調べてみると、とても強度が高い繊維のようだ、これはフミさんへのお土産にしよう。
次々と見た事がない虫系の魔物に出会ったが、地下28階の針無蜂と言う魔物からはゴールドハニーがドロップした。
少し舐めてみると、メチャクチャ美味しいハチミツで、僕が一番喜んでしまった。
「んふふ、意外な食材が手に入ったわね」
「でも本当に美味しいわよこれ、こんなに清々しい甘さはちょっと無いかも?」
「確かにハチミツは喉に引っかかる程、甘いですからね」
「うんうん。このゴールドハニーって、凄く爽やかな甘さだもんね」
「また、シオが喜びそうだね」
「んふふ、間違いないわ」
「僕はホットケーキが食べたくなりました」
「それも良いわね、帰ったらシオに作って貰おっか」
「賛成~♪」×全員
僕達は気分を良くし先へ進んで行くと、いよいよ地下30階のボス部屋に辿り着いた。
何の躊躇もなくボス部屋に入ると、そこにはエンペラーシルクワームと言う、大きなクロウラーのようなレアボスが、糸の様なものでぶら下がっていた。
「なんか、ミノムシみたいね?」
「あはは、確かに」
「でも、こういう魔物は、糸がドロップするからフミさんが喜びそうね」
「フフ、では行って参ります」
「がんばー♪」×全員
次の順番はリラさんだったらしく、魔掌空拳ならぬ魔掌空剣でアッサリと斬り刻んで戦闘が終了した。
「お見事! リラさんも慣れてきましたね~」
「いえ、私では、まだ短時間しか持続できません。もっと練習しなくては」
「でも、発動は速くなってきましたよ?」
「ありがとうございます」
「フフ~ ではでは、お楽しみのドロップ品だよー」
「ふむふむ、やっぱり、幻透絹って言う布がドロップしてるわね」
「とっても綺麗じゃない。これはフミさんもきっと喜ぶわ」
「なるなる、スキルは<形状変化>って言う名前みたいですね」
「このダンジョンで手に入れたスキルは、<変装><色彩変化><形状変化>か~ ちょっと、関連性があるわね」
「変装は兎も角、職人さんが喜びそうなスキルですよね」
「うんうん。宝箱は金宝箱と白金宝箱ね」
「早速、開けてみよー」
「あはは、えっと金宝箱は防水リングですね、<鑑定>いっきまっす」
「※防水リング:自身から半径3メートルの水を弾く効果」
「へえ~ 傘代わりになって良いわね」
「海の底を歩けるようになったりして?」
「私達は<水中適応>スキルがあるから、あんまり使わないかも?」
「雨の日に有用なのは、間違いないわね」
「うんうん。じゃ、続いて白金宝箱いっくよー」
「んんっ? なにこれ、パンチングスライムって言うみたいだけど?」
白金宝箱から出てきたパンチングスライムは、台座の上に直径1メートルぐらいあるスライムが乗っている。
形はチェスのポーンに似ているだろうか、触ると少し硬いゴムのような感触だった。
「とりあえず、<鑑定>してみましょっか」
「※パンチングスライム:このスライムに与えられた物理・魔法攻撃力を計測し数値化するアイテム」
「うわ~ これって、ゲームセンターによく置いてあるやつじゃない?」
「あはは、魔法攻撃力も計測できるなら面白そうですね」
「冒険者や格闘家が喜びそうなアイテムね」
「確かに、これはクランメンバー全員のお土産に良いかもですね」
「クランにも置いといたら、訓練の目安になって良いかも?」
「ですね~ クランに設置しときますか」
「このダンジョンも制覇しちゃったわね」
「はい、でも色々と有用なスキルもあるから、もう少し通おうかな」
「んふふ、ゴールドハニーが、もっと欲しいんでしょ?」
「もちろんですよ? さって、帰ってからホットケーキといきますか」
「やたーーー♪」×全員
僕達は早速、帰ってから夕食時にクランメンバーに今日のドロップ品報告をすることにした。
「今日は、フミさんが喜びそうな物がドロップしましたよー」
「ほ、本当ですか?」×フミ
「私もみたーい」×セツナ
「って事は、繊維系か。おい、鉱石とかは無かったのか?」×ミナミ
「あはは、鉱石は無かったですけど、魔物素材は色々ドロップしましたよ?」
「よっし! くぅ~ 嬉しいじゃないか」
「宝石類は、ドロップしなかったんですかー?」×ヒメ
「あっ! 宝石もあったんだ」
「わーい、わーい♪」
「ねえねえ、食材もあるわよね? あるって言ってー」
「残念ながら昆虫系が多いダンジョンだったから、食材は1つだけなのよ」
「1つでも良いから見せてー」
「あはは、じゃ、フミさんからいきますねー」
「はい、待ち遠しいですわ」
「えっと、キングデススパイダーって言うレアボスからドロップした『魔攻糸』。
極彩蝶からドロップした『極彩蝶の翅』。
ミノウクロウラーからドロップした『ミノウワイヤー』。
エンペラーシルクワームって言う、レアボスからドロップした『幻透絹』ってとこですね」
「きゃああああああ! どれもこれも素敵ですわ♪」
「私にも見せてー、ちょっとで良いから~」
「セツナさんにも、後で全部見せますから」
「全部よ、全部見せてね?」
「はいはい♪」
「ミナミさんには魔物素材ですね、昆虫系ばかりだったから甲殻とかですけど?」
「これはサソリ系だな。中々の強度だ♪ これなら良い防具になるぞ」
「続いてヒメちゃんには、虹黄金虫からドロップした『レインボームーン』って言う宝石です」
「うわ~ すっごく、綺麗じゃないですかー」
「それ、取るの苦労したんだよね~」
「そうなんですか?」
「そそ、ヨウ君でも捕まえられなかったんだから」
「ええ~~~」×全員
「そんなの、どうやって捕まえたんですか?」
「一度は諦めたんだけど、ダンジョンアイテムシリーズの『虫取り網』っての入手できたから、それで捕まえてきました。
実質『虫取り網』がなかったら、捕まえるのは不可能ですね」
「それじゃあ、すっごく貴重品じゃないですか」
「そなのよ、鑑定結果が虹色に光り輝く超希少な宝石、所持すると自身の魅力が増大する効果がある魔性の宝石なんだって」
「ええっ! 魅力が増大って、ヤバくないですか?」
「あはは、男が蟻みてえに群がって来たりしてな」×ミナミ
「それが、これだけじゃないのよね~」
「まだあるんですか?」
「なんとなんと、虹王黄金虫ってのも居てさ『キングレインボームーン』って言う、大きな宝石がドロップしちゃったんだよ」
「ヨウ君、出して出して」
「はいはい、えっとこれですね」
「うはーーー!」×全員
僕が<虚空界>から『キングレインボームーン』を取り出すと、虹色に輝くその美しさに皆は息を飲んでいるようだ。
「とっても綺麗ですー♪ これカットしたら、もっと綺麗になりますよ?」
「なるほど、全部ヒメちゃんに渡しておきますから、自由に使って下さい」
「ありがとうございますー♪ 試しに指輪かネックレスにしてみますねー」
「にしし、試しにさコトエがこれ付けて外を歩いてみてよ?」
「ちょ、ちょっと待ってえな。そんなヤバそうなもん、ウチよう付けんわ」
「じゃ、イスズは?」
「ええ~ 私また追っかけられちゃったら、どうするんですかー」
「んふふ、普段から慣れてるから良いんじゃない?」
「だ、駄目ですよー」
「じゃ、最後に食材なんですけど針無蜂って言う魔物から『ゴールドハニー』って言うハチミツがドロップしました」
「キターーー♪ でっ、味見したんでしょ? どうだったの?」
「メチャクチャ、美味しかったです」
「あ~ん、スィーツ作っちゃうわ」
「あはは、全部渡しときますね、とりあえずホットケーキなんてどうですか?」
「良いわね、早速作っちゃうわ」
シオさんは小さなホットケーキを何枚も焼いてくれ、皆で試食することになった。
美味しそうに焼けたホットケーキに、たっぷりとゴールドハニーをかけて早速、一口頬張ってみる。
「うはっ! 美味しい~♪」×全員
「なにこれ、なにこれー」
「あ~ん、美味しいよ~」
「フフ、とても甘いのに、口の中で溶けいくような不思議な感覚ですね」
「ヨウ君ありがとー、これ色々な料理にも使えそうだわ」
「いえいえ、僕も美味しい物が食べれて幸せですから」
「あっ! そうそう。実は、ちょっと面白そうなアイテムもドロップしたんですよね」
「ま、まだ、あるんかいな? どんだけドロップすんねんな」
「あはは、『パンチングスライム』って言うんですけど、このスライム部分に与えられた物理・魔法攻撃力を計測し数値化するアイテムなんですよ」
「ほほ~」×全員
「面白そうじゃない?」×ソフィア
「うふふ、誰が一番攻撃力が高いか分かるわね」×アリーシャ
「攻撃力なら負けないぞ?」×ケリー
「私だって負けないわよ」×ベッキー
「おっと、私を忘れて貰っちゃ困るな」×アズサ
「パーティでの総合戦も、おもろそうやな~」×コトエ
「うふふ、パーティ戦なら私達が貰うわ」×リッカ
「ウチらも負けへんで~」
「戦闘なら兎も角、攻撃力だけなら私達も負けませんわ」×シュアン
「僕も頑張っちゃおうかな」
「ヨウ君は、駄目ーーー!」×全員
「ええっ!」
「ヨウはんはレベルが違い過ぎるから、あかんて」
「アヤメ達も禁止ね!」×ソフィア
「私達は良いんじゃない?」
「メダカの群れに、クジラを放さなくても良いでしょ?」×アリーシャ
「蟻の群れに、核ミサイル撃つようなものじゃない?」×リッカ
「攻撃をウィンクだけにして貰うとか?」×シュアン
「メチャクチャ言ってくれるわね、幾ら何でもそこまでじゃないでしょ?」
「僕、デスウィ〇クなんて使えないよ?」
「フフ、私達は見学にしておきましょうか」
「フフ~ ヨウ様の攻撃力が、どれぐらいなのか見てみたい気持ちもありますけどね♪」
「あかんあかん、そんなの見たら心が折れよるさかい」
「んふふ、ヨウ君は鼻息だけとか?」
「台風になるかも?」
「僕の鼻息は災害ですかー」
「あはははは♪」×全員
この日からクラン本部の訓練場に『パンチングスライム』を設置し、クランメンバー全員で一喜一憂することになった。
なかなか、この『パンチングスライム』は優れもので、物理攻撃や魔法攻撃を受けると、スライム部分に攻撃力が記載される。
流石にクラン本部の訓練場では、大きな魔法を撃つ訳にもいかず、精々魔法剣が主流になっていた。
だが、魔法攻撃が主体の者は攻撃範囲を絞る事になるので、良い訓練にもなっている。
今の所、最高得点を出しているのはケリーさんだ。
持ち前の腕力に加え、日頃から訓練している魔法剣やスキルの同時使用により僅差ではあるがトップにたった。
次点には驚く事に、職人さんであるミナミさんが躍り出ていた。
「どうだーーーーー♪」×ケリー
「また更新しやがったのか、よーし次で抜いてやるからな」×ミナミ
「なんで職人なのに、そんなに攻撃力が高いのよ?」×アリーシャ
「あはは、技術は兎も角、武器を使わせたら私の右に出る者なんていねーよ」
「生粋の冒険者が負けてられないわ」×ソフィア
「純粋な攻撃力なら、外人に勝つのはきっついでー」×コトエ
「そうね、自力の差ってとこかしら」×ユウカ
「腕力がある2人は分かるとして、なんでリッカが3位なの?」×シュアン
「うふふ、攻撃力は力だけじゃないんだよー、技も大事なのだ」×リッカ
「くぅぅ! 技と言われて、中国人の私達が負ける訳にはいかないわ」
「ぜぇぇえったい。抜いてやる・・・」×ソヒョン
「んふふ、皆盛り上がってるわね~♪」×アヤメ
「思ったより、良い訓練になってるみたいね」×ナギサ
「これギルドにも置いたら、皆喜ぶかもだね」×ツドイ
「なるほど、ギルマスにもお土産として幾つか進呈しましょっか」
「フフ、また貸しができますね」
「でも、きっと喜ぶと思いますよ?」
「ん~ どうせなら、もっと数を集めてからギルマスに頼んで、世界中のギルドに無償で配って貰うってのはどうですか?」
「そんな事したら、瀧見社長が世界中から感謝されちゃうよ?」
「たまにヨウ君は、私達が考え付かないスケールの大きい事、言うんだから~」
「フフ~ 瀧見社長には、世界一有名なギルマスになって貰おっか」
「今や大阪梅田ギルドは世界一の売上げになってるから、世界中の反感を減らす良い手かもだね」
「そかそか、良い恩返しになりそうですね」
「んふふ、瀧見社長の、狼狽える顔が目に浮かぶわ」




