第305話 刑事さんを連れて遊びに行っちゃいました
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<警視総監視点>
「失礼します」×部長
「何か報告があると聞いたが、私は凄く嫌な予感がするのだがね」×警視総監
「その気持ちは、理解できます・・・」
「フゥ~ まさかとは思うが、何かとんでもない事をされたのかね?」
「はい、その通りです」
「よし、覚悟はできたよ。聞こうじゃないか」
「はい、三日月陽達が冴羽刑事のお手伝いだと言い、今日だけで厄介な未解決事件を7件処理してくれました」
「くはっ! ま、まさか、そうくるとわ・・・
いや、嬉しい誤算だと考えた方が良いか。詳しく聞いても良いかね?」
「はい、まず、あの逃亡中だった犯人の居場所を、写真を見ただけで即答してくれました。
私も半信半疑だったのですが、行き詰っておりましたので藁にも縋る気持ちで向かってみると見事に犯人が潜伏している家でした。
そして、我々が出掛けて帰るまでの僅かな時間で、6件の未解決事件の犯人達を捕まえ、署まで連れて来てくれました。
驚く事に、その中には8年も前の事件も含まれておりました。
しかも、ご丁寧に証拠物品を揃えて持ってきてくれましたよ」
「・・・ちょっと待ってくれ。理解が追い付かないのだが、それは現実の話しなのだね?」
「私も目の前で見てなければ、とても信じられません。頭がおかしくなる事を言っていると自分でも思います」
「いやはや・・・想像を絶するような、能力を持っているとしか思えん」
「おそらく、彼等から逃れる事など不可能なのでしょう。それに思考を読み取る能力があるとしか思えません」
「彼等には嘘も付けないと考えて間違いないと?」
「詳しくは分かりませんが、事の真偽については確実に分かるのでしょう。絶対に冤罪では無いと言い切っておりましたから」
「なんとも恐ろしいね。人を超越したような強さを持っているのは理解していたが、それどころではないようだ」
「しかし、彼等が警察に協力してくれれば、その恩恵は計りしれないでしょう」
「いや、これはそんな単純な話しでは、なくなるだろう」
「それは、どういう意味なのでしょう?」
「この署もそうだが、国の偉いさん方がもし犯罪に手を染めていたら、今回の件を聞いてどうすると思う?」
「なるほど。そういうことですか」
「人には1つぐらい秘密があるものだからね、それが犯罪であったなら全力で隠すだろう。
私でも正直に言うと、清廉潔白に生きて来た訳ではないからね。
犯罪になることは無いと思うが、出来れば知られたくないことも当然ある。
この件については箝口令とする。皆にもそう伝えておいてくれ」
「分かりました。私も日本が引っ繰り返るような事態は避けたいですからね」
「彼を怒らせたら、物理的にも社会的にも破滅しか待ってないだろうね。少し考えただけでも恐ろしい、本郷の友人だったことを神に感謝するよ」
「それと言い忘れていましたが、仕事を手伝ったからと言って、冴羽刑事を連れて行きました。許可しましたが、よろしかったですか?」
「冴羽刑事には悪いが、拒否などできんよ?」
「フフ、冴羽刑事も感謝しておりましたから、大丈夫かと」
「彼女もえらい人物に見込まれたものだね?」
「ええ、ですが分かる様な気もします。彼女には裏がありませんから」
「なるほど、彼等が気に入る訳だ。年を取っていくと、腹の中が黒くなっていかんね」
「それは仕方ないでしょう。世の中、清濁併せ吞まないと生きていけませんから」
「しかし、彼等がやっている事が正義だと思っているならば、これからが怖いね?」
「彼等も、清濁併せ吞んでいる事を願いますよ」
「ああ、これからも仲良くして貰いたいもんだ」
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
<ヨウ視点>
「でっ、そろそろ、私は何処に連行されるのか聞いても良いか?」
「えっとですね~ 僕達は冒険者なんですよ?」
「そんな事、知って・・・って、まさかダンジョンだとか言わないよな?」
「んふふ、冒険者が行くとこなんて、そこしかないでしょ?」
「それに、ヨウ君はダンジョン大好き人間なんですー」
「僕達も全員、ダンジョン好きにさせられたからね」
「フフ、ヨウ様のお陰ですね」
「ダンジョン大好き! イエー♪」
「イエー♪」×全員
「あはは、どーも1日1回はダンジョンに行かないと、落ち着かないんですよね?」
「・・・なんで、SSランクになったのか、分かったようなきがするよ。私も一応冒険者だけど、武器も防具も持ってきてないぞ?」
「そうですね、武器は何を使ってるんですか?」
「槍だが?」
「警棒じゃないんだ?」
「それは対人用だ。幾ら何でも魔物相手に短い得物持つ必要ないだろ?」
「僕の武器って、短剣ですよ?」
「はっ? 何かの縛りプレイか?」
「普通に短剣が使い易いんですよ」
「ヨウ君のは短剣って言っても、凶悪な短剣だかんね~」
「拳や蹴りの方が凶悪かもだね?」
「そっか、アレを見たら寿命が縮むもんね」
「フフ、何もかもが吹き飛びますから、爽快ではないですか?」
「大きい魔物相手なら、爽快ね」
「ハハ、帰って良いか?」
「心配しなくても、僕が持ってる槍を貸しますよ」
「そんな、心配じゃないんだが?」
「防具は私の予備を貸して上げるわ」
「ダンジョンに、行くのは決定なんだな?」
「湯楽刑事も少し強くなっといた方が良いでしょ?」
「そ、それはそうだが、私も警官の中では強い方なんだぞ?」
「一般人相手なら大丈夫かもだけど、冒険者相手なら厳しいんじゃない?」
「・・・なあ、大阪の冒険者って、そんなにレベルが高いのかよ?」
「最近レベルは上がって来てるわね、私達のクランメンバーなら皆リッカに近い実力を持ってるわ」
「聞かなきゃ良かったよ」
「まさか、クランメンバー全員が、今日みたいに簡単に犯人を捕まえられんのか?」
「あれぐらいなら、誰でもできるわよ?」
「くはっ! どんな強者の集まりなんだよ・・・なあ、ひょっとして、私も頑張ったら索敵みたいな事ができるようになるのか?」
「ん~ それは限りなく難しいかな?」
「私、程度の実力じゃ無理って事か・・・」
「実力の問題じゃないんだよね」
「じゃ、どんな問題があるんだ?」
「これ以上聞きたいなら、守秘義務が掛かるわよ?」
「分かった。私は刑事だ、秘密は守るよ犯罪以外ならな」
「本当に良いの? 命に係わる事だよ?」
「お、脅すなよ? 秘密を守れば問題ないんだろ?」
「そうだけど、後戻りはできなくなるからね?」
「分かった。もし秘密を守れなければ好きにしてくれ」
「クレセントの説明しても良いかな。ヨウ君?」
「良いですよー、でも勧誘は駄目ですからね?」
「んふふ、分かってるわ」
「じゃ、教えて上げるけど、湯楽刑事が私達のクランに入るなら、十分可能よ」
「そ、それだけで良いのか?」
「そう、でも、それが難しかったりして?」
「何か試験でもあるのか?」
「いいえ、そうじゃないの。私達のクランはヨウ君のハーレムクランなのよ」
「はあ?」
「ヨウ君を、心から愛する女性の集まりってこと」
「ま、まさか、あんた等だけじゃなく、あのリッカって人達もそうなのか?」
「もっと居るわよ?」
「くはっ! こんな綺麗な女性達を全員を囲ってるのかよ・・・」
「勘違いしちゃ駄目よ? 私達は1人の例外もなく全力でヨウ君に頼み込んで、ハーレムに入れて貰ったんだからね?」
「分かったかな? 私達のクランに入るには、心の底からヨウ君を愛し、ヨウ君が認めてくれた女性だけってこと」
「って事は、三日月陽がアンタ達を?」
「そそ、私達は全員ヨウ君に鍛えられたのよ」
「ヨウ君は過保護だからね~ 何があっても自衛出来るぐらい強くなって貰いたいんだって」
「それにしても、強く成り過ぎだろ?」
「んふふ、それはSSランクのヨウ君、基準だからね」
「まあ、他の理由もあるんだけど、私達はもっともっと強く成らないといけないのよ」
「まだ強くなんのかよ・・・でも分かったよ。私には敷居が高そうだ」
「湯楽刑事って、ヨウ君のタイプだからさ、可能性は高いんだよ?」
「嘘だろ?」
「フフ、そうじゃなければ、私達が気に入る訳がありませんからね」
「フフ~ ヨウ君のタイプって、年上➡巨乳➡眼鏡だもんね?」
「性格が抜けてますからね? むしろ、それが一番ですから?
それと、巨乳じゃなくて、せめてスタイルの良い女性って言って下さい」
「自分より背の高い人と、筋肉質の女性も好きだよね?」
「だから、一番は性格なんですー」
「あはは♪」×全員
「私、腹筋割れてるんだが、こんなの好きな男が居るのかよ?」
「おー、高ポイントだー♪」
「本気かよ・・・」
「ぼ、僕を見ないで下さい。そりゃ嫌いじゃありませんけど」
「にしし、ちょっと、ヨウ君に見せてあげてよ?」
「み、見せれるかよ?」
「ダンジョンの帰りにさ、クラン本部に持って帰っちゃおうよ」
「水着にさせちゃえば話が早いよね?」
「だから、私は物じゃねーっての、勝手に持って帰ろうとするなよな」
「あはは、とりあえず、ダンジョンに着いたみたいですよ」
僕達は、今通っている練馬区上級ダンジョンの前で車を下りた。
「湯楽刑事って、このダンジョンに来た事ある?」
「いや、ここは初めてだな」
「じゃ、地下1階からだね」
「地下1階からなら時間掛かんだろ? 無理に私を連れて行かなくても良いんじゃないのか」
「僕達と一緒なら、移動時間なんて気にしなくて良いよ?」
「そそ、ちゃんと運んであげるからさ」
「な、なんか嫌な予感しか、しねーんだが?」
「んふふ、気のせいよ」
僕達は周りの冒険者から注目を浴びながら、ダンジョンの中へと入っていった。
「とりあえず、地下10階のボス部屋まで、最短ルートで行きましょうか」
「ヤー♪」
僕達は湯楽刑事に武器と防具を貸して、練馬区上級ダンジョンの地下1階に下りて行く。
此処の地下1階は広大な草原フィールドなので、開放感があって気持ち良い。
「さって、まずは軽く走りながら魔物狩りしよっか?」
「そうですねー」
「湯楽刑事走れるかな? 無理なら僕がジープ出すけど?」
「これでも刑事なんだぞ。走れるに決まってんだろ?」
「んふふ、刑事は足で稼ぐって奴ね、本当だったんだ?」
「実際に1日中走り回ってる事も、少なくないんだよ」
「なるほどね~ それじゃ私達と一緒だね」
「フフ~ じゃ、最初は軽めにいきましょかー」
僕達は湯楽刑事の事を気遣い、本当にゆっくりと走り出した。
「はぁ? 嘘だろ・・・どこが軽めなんだよーーー」
「がんばー♪」×全員
「ち、ちくしょーーー」
湯楽刑事には、この速度でも少し速かったのか、必死になって走っていた。
ああやって、必死に走ってるとこを見ると、武蔵の事を思い出すな。今頃武蔵も頑張ってるかな~
<湯楽視点>
な、なんて奴等だ、魔物を倒しながらでも速度が全く落ちない・・・
だ、駄目だ。私とは根本的に何かが違う、いくらまだ魔物が弱いとはいえ実際に見るとハッキリ分かる。
おそらく、此奴等には私とスライムの強さの違いが分からないだろうな・・・
まるで、ウォーミングアップの様な動きが、私には全く見えない。
どれだけ底しれない強さをしてやがんだよ、これがSSランクパーティなのか。
彼奴等の言う通り、こんなレベルの冒険者相手じゃ、警察なんて無力としか思えないな。
そういや、質の悪い冒険者のゴロツキ共が、訳が分からない潰れ方をしていたな。
おそらく、こんなレベルの冒険者に潰されたんだろう・・・
ダンジョンが出来てから犯罪も増える傾向にあるが、こんな奴等がいるから抑止力になってるって事か。
私なら彼等を1度でも見たら、絶対に逆らわねえしな。
全くこれから警察は、どうなるんだよ。考えると頭が痛くなる。
「難しい顔して、どしたんですか?」
「うわっ! い、行き成り覗き込むなよな」
「あはは、疲れちゃいました?」
「疲れてねえよ」
「でも、そろそろペース上げますよ、大丈夫ですか?」
「・・・これ以上は無理だ」
「あはは、じゃ僕が運びますね♪ このペースじゃ時間が掛かり過ぎるので」
「はは、まさか、おんぶでもしてくれんのか?」
「それでも良いんですけど、空を飛んで貰います」
「う、嘘だよな?」
「えい♪」
「う、嘘だろおおおおおおおおおおおおお!!!!!」
<ヨウ視点>
僕は湯楽刑事を<念動力>スキルで宙に浮かして、ペースを上げて行った。
湯楽刑事は最初叫んでいたが、途中から諦めたのか声を押し殺しながら必死に耐えていた。
かなりペースを上げたので、地下10階のボス部屋にも直ぐに着いてしまった。
キリの良い所で、一度湯楽刑事を地面に下ろしてあげた。
「どうかな? 移動なんて直ぐだったでしょ?」
「ハハハ、な、なんだったんだ、あれは?」
「聞いて良いのかな?」
「いや、失言だ、言い間違いだ、寝言だと思ってくれ」
「そんなに全力で否定しなくても良いじゃ無いですかー」
「巻き込まれるのが怖くなってきたんだよ?」
「あはははは♪」×アヤメ達
「正直な人ね~」
「湯楽刑事なら、大丈夫だと思ったんだけど?」
「私を何だと思ってんだよ、私だって怖いものは怖いんだ」
「超高層ビルから綱渡りするより、怖いとこに突っ込んで来たくせに?」
「そだねー、自殺志願者かと思ったよ」
「フフ、頭で考えるより先に行動するタイプですね」
「僕が知る限り、ヨウ君の威圧に初めて向かっていった人だからね」
「あの~ まるで、僕が怖いみたいじゃないですか?」
「いや、怖いだろ?」
「僕は可愛いと言われているんですけど?」
「可愛いとか綺麗は怖いと同義語だって、認識を改めさせられたんだが?」
「あれっ? 何気に私達も入ってる?」
「いやいや、怖いだろ?」
「フフ、湯楽刑事。ボス戦をやってみますか?」
「それ遠回しに、死ねって言って無いか?」
「フフ~ 誤解ですよー」
「・・・ちなみに、ボスってどんな魔物なんだ?」
「たぶん、デススコーピオンかな?」
「死ぬ! 絶対に死ぬ! デスって、付いてるじゃないか?」
「フフ、冗談ですよ?」
「そういうとこが、怖いんだよ?」
「あはは、面白い人ですね。湯楽刑事は」
「ハハ、そんなこと、初めて言われたよ」
「んふふ、とりあえず行きましょか」
僕達はボス部屋に入ると、やはりボスはデススコーピオンで、湯楽刑事が怯えていた。
「あ、あんなのと戦うのかよ?」
「あれ? 見えなかったのかな? リラがもう倒しちゃったよ」
「はい?」
別に速攻って訳じゃ無かったけど、リラさんの斬撃によりデススコーピオンは光の粒子となって消えて行った。
「・・・ハハ、スゴイデスネ、ボスヲザコアツカイデスカ」
「なんで片言なのよー」
「ごめんなさい。許して下さい」
「ククッ! 拾われてきた猫みたいだよ?」
「んふふ、可愛いわね」
湯楽刑事はアヤメさん達から猫可愛がりされ、揉みくちゃにされていた。
「私は一応刑事なんだが?」
「知ってるわよ?」
「顎をゴロゴロするのを、止めてくれないか?」
「可愛いから駄目~」
湯楽刑事は皆から揉みくちゃにされるのを諦めたのか、そのまま先に進むことになった。
すると、地下13階で見知った顔に会う事になる。
パーティ『酔い桜』のランさん達だ。
「こんにちわ~ 頑張ってますね」
「み、三日月さん達じゃないですか、こんにちは」
「こんにちはです」×酔い桜
「ふむふむ、順調に結構強くなってきてるね」
「いえいえ、私達なんてマダマダですけど、お陰様で最近楽しくてしかたありません♪」
「それは、なによりですね」
「あっ! <回復魔法>取ったんだね、おめでとう」
「ありがとうございます。他のダンジョンに遠征して取ってきたんです」
「そっか、ここって魔法スクロールがドロップしないもんね」
僕達は頑張ってる『酔い桜』の皆さんを見て嬉しくなり、ダンジョンなのに少し雑談することになった。




