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第301話 人間は偉くなると傲慢になる人がいますよね

評価やブックマーク等、応援して下さった全ての方、ありがとうございます。


 <ダンジョン攻略部隊 本郷視点>



「し、しかしですな、大臣」×本郷


「私は何も、そんなに無茶な事を頼んでいる訳ではないだろう?


私は唯SSランク冒険者に会わせて欲しいと、お願いしているだけなのだがね?」×大臣


「先ほどから何度も言っておりますが、会う理由をお聞かせ願いたいと言っているのです」


「何故、君に理由まで言わないといけないのかね? 子供ではないのだから察したまえよ?」


「彼は私の大切な友人ですから、理由も分からず紹介することなど出来ないのですよ?」


「私は遊びで来ているわけではないのだよ? 国の為に来ているのだ。


この意味が分かるかね? 何も君に頼まなくとも、警察庁長官に頼めば直ぐに会えるのだ」


「そ、そんな事は、お止めください!」


「私も事を荒立てたくはない。だから、君に頼んでいるのではないか。


彼が友人であると言うのであれば、紹介する事など簡単なことだろう?」


「友人であるからこそ、理由も分からず紹介などできないと言っているのです。


彼には我々も大変良くして貰っているのです。


彼との関係を壊すような事はできません」


「ふむ聞いておるよ、例のエスケープクリスタルは彼の持ち込みのようだね?」


「なんの事か、分かりませんな」


「ハハハ、隠さなくても良いだろう? それぐらいの情報は掴んでいる。


なるほど、なにせ彼は世界一の冒険者だ、その恩恵は計りしれないだろう。


君も1枚噛ませて欲しいと言う事か?」


「なにを・・・そんな事は、考えておりません」


「君との話しは長くなっていかんね、彼に会う事は国からの頼み事をするためなのだよ。


君がどうしても無理だと言うのなら、他を当たるだけだ。返答したまえ」


「ぐぅぅ・・・」


「彼を敵に回してはいけない、彼はとても優しい少年であるが、同時にとても恐ろしい少年でもあるのです。


下手に彼の逆鱗に触れれば、とんでもない事態になるでしょう。


どうか、ご理解いただけませんか?」


「フフ、わはははは! SSランクと言っても、たかが18歳の少年なのだろう?


何を大袈裟な♪ 君もダンジョンだ冒険だと遊んでいる内に、腑抜けたようだね?」


「貴方はダンジョンの恐ろしさが何も分かっていない。


高ランクの冒険者がどれだけ恐ろしい力を持っているのかもね。


彼はその中でも、間違いなくトップに君臨する冒険者なのです。


年齢や容姿などは冒険者にとって何の指標にもならない。


彼の事を侮る愚か者は、地獄へ落ちる罠のようなものだと思っても良いでしょう」


「君は正気かね? 何を馬鹿な事を?」


「フゥ~ 分かりました。彼を紹介しましょう」


「ようやく、分かってくれたようだね」


「しかし、勘違いされないでいただきたい。


私が彼を紹介するのは、貴方が下手に彼の逆鱗に触れないようにするためです。


彼に会うのでしたら言動には細心の注意を払って下さい。


総理よりもずっと格上の者と対峙すると思って間違い無いでしょう。


貴方の言動に、日本の未来が掛かっているのですから」


「ワハハハハハ! 十分に注意するとしようじゃないか♪ では、頼んだよ。本郷君」



 こ、この馬鹿野郎が、自分がどれだけ危険な事をしようとしているのか何も分かってはいない。


 私がこれだけ注意したのにもかかわらずだ・・・



「本郷社長、良かったのですか? あの馬鹿大臣、笑いながら出て行きましたよ?」×松田隊長


「良い訳がないだろう・・・だが、あの馬鹿大臣をほっておけば、間違いなく彼を怒らすだろうからな。


どれだけ役に立つか分からないが、せめて私が間に入るしかないだろう?」


「やれやれ、また、特大の厄介事が舞い込んできましたね。虎の尾どころか、ドラゴンの尾を踏む事はないでしょうに?」


「そのドラゴンも、彼にとっては猫のようなものだろう?」


「あの馬鹿大臣1人が、踏み潰されるだけなら良いんですけどね?」


「ああ、日本の中枢人物達が消えてなくなるのが、怖いところだな」


「はは、本郷社長から聞く初めての冗談だと良いんですけど?」


「残念ながら冗談ではない。自衛隊や警察が巻き込まれないように祈るとしよう」


「本当に笑えないですよ・・・」


◇    ◇    ◇    ◇    ◇


 <ヨウ視点>


 この日、珍しい人から電話が入った。ダンジョン攻略部隊の本郷さんだ。


 事情を聞くと、厄介な人物が僕に会いたがってるとの事だ。


 本郷さんは断ってくれても良いと言ってくれているが、その時は違う形で接触してくるだろうと助言してくれた。


 まあ、本郷さんには、お世話になっているし、人と会う事ぐらいお安い御用なんだけど、厄介事だと分かってるのが困りものなんだけどね。


 とりあえずは、事の顛末をアヤメさん達に伝える事にした。



「ふ~ん。あの本郷さんが厄介者って言ってるぐらいだから、断れなかったんだろうね?」


「あの方は、思考深い人ですから国のお偉方と思って間違い無いでしょう」


「そんな人をヨウ君に会わせる方が、リスクが高いと僕は思うんだけど?」


「あ~ 本郷さんが断ったら、違うとこから接触してくるって言ってましたね」


「なるほどね~ 自分が間に入った方が丸く収まると思ったんだ」


「フフ~ 本郷さんも苦労人ですね?」


「一応リッカ達にも伝えておく? 古巣だしさ」


「そうですね。伝えておきます」



 僕はリッカさん達にも事の顛末を説明すると、皆頭を抱えていた。



「それ、絶対にすっごい厄介な人だよ~ 大臣クラスの人か防衛庁長官とか?」×リッカ


「ん~ あんまり偉い人には会いたくないですね~」


「まあ、本郷さんの顔を立てて会うだけ会って、頼み事は断るってので良いんじゃない?」


「そうですね、そうしときましょうか」


「ごめんねヨウ君。本郷幕僚長も、今頃胃痛になってると思うんだよね」


「良いですよ。僕も大人の対応を心がけますから」


「ジトーーーーーーーー」×全員


「本当ですよ?」


「ヨウ君が、ブチ切れるに1000点」


「同じく2000点かな」


「同じく3000点だね」


「フフ~ 同じく4000点」


「フフ、では同じく5000点で」


「私は10万点賭けても良いかも~」×リッカ


「メチャクチャ厄介者じゃないですかー」


「あはは、でも覚悟しといた方が良いかもね」


「はぁ~ そうします」



 厄介事は早めに済まそうと思って、最短で予定を入れて貰うと、明日ダンジョン攻略部隊の本部で会う事になった。


 僕とアヤメさん達で行こうと思ったけど、リッカさん達も来てくれることになった。


 やっぱり、古巣だけのことはあり気になるんだろう。


 翌日、約束の時間通りにダンジョン攻略部隊の本部に到着すると、入口のゲートまで本郷さんが出迎えに来てくれていた。



「こんにちは、本郷さん。自らお出迎えとは恐縮しますね?」


「今回は無理を言って申し訳ない」


「いえいえ、僕達の事を思っての事だって事は、分かってますから」


「そう言って貰えると、ありがたいよ。SSランクになってからは、すっかり有名人だね?」


「目立ち過ぎて困ってるんですけどね」


「今回、呼び出されたのも、そのせいだもんね~」


「やっぱり、そうかな?」


「言っておくが、私は君達の事を宣伝するような真似はしておらんよ?」


「ほら~ やっぱりそうじゃない?」


「ん~ 有名税ですかね・・・」


「松田さんも、お元気そうで」


「ああ、今は元気なんだが?」


「そんなに厄介な人なんですか?」


「何を言って来るか、分からないのが怖いんだよ?」


「一応、大人な対応しようと思ってるんですけど?」


「なあ、リッカどう思う?」


「メッチャヤバいですね~ 核爆弾のスイッチでキャッチボールするぐらい?」


「ぐはっ! それは洒落にならねえって」


「リッカ。核爆弾はないわ?」


「ですです」


「そうね、ヨウ君の事を過小評価しすぎよ?」


「あら~」


「東日本沈没スイッチ?」


「日本沈没スイッチぐらいかな?」


「一体、僕をなんだと思ってるんですかー」


「あはは、まあリッカ達の言う事も分かるけどね」


「どうなっても、私達じゃ止められないって事かな?」


「まあ、止める気も無いんだけど、ダンジョン攻略部隊が心配ですね~」


「今の内に避難しといた方が良いですよ?」


「フフ、特に女性は離れておいた方がよろしいかと」


「リラさんまで~」


「念のためですよ。ヨウ様」


「ブーブー」


「んふふ、可愛い豚さんね♪」


「・・・松田君、我々以外は訓練棟に移動させておいてくれ」


「分かりました。その代わりに田中と高橋は呼んどきましょう」


「フフ~ 私達を覗き見した罰が続きますね~」



 僕達はしばらく避難? を待ってから、僕に会いたいと言う人の下へ行くことになった。



「あの~ 俺達は何故呼ばれたんですかね?」×高橋


「悪いな、お茶を入れる人間が欲しかったんだ」×松田隊長


「ブッ!? 俺達より、女性が淹れたお茶の方が旨いですよ?」×田中


「女性達は避難させたから居ないんだわ」


「「・・・・・・・」」


「恨みますよ、隊長?」


「あれれ! 私達のストーカーしてたぐらいのファンなのに、一緒に来たくないのかな?」


「勘弁して下さい。あれも隊長の命令だったんです」


「おいおい、俺じゃないだろう?」


「遺書を書く時間もくれない感じですね?」


「あの~ 僕を激しく誤解してませんか?」


「「そんな事ありませんサー」」


「なんで、敬語になるんですかー」


「あはははは♪」×全員


「いや、笑えねえんですってマジで」



 そんな話しをしながら本郷さんの社長室に入ると、ほぼ予想通りの人物が座っていた。


 やや小太りで、腹の出た60代ぐらいの男性だった。


 僕達が部屋に入ると、椅子から立ち上がり挨拶に来てくれた。


 だけど、なんか作った笑顔に見えるのは気のせいなのだろうか。



「お会いできて光栄ですな、SSランクの三日月君」


「こんにちはと言っても、こちらは名前も知らないんですけどね」


「ハハハ、私の事は総理の秘書だと思ってくれれば良い。立ち話もなんだ、座って話そうじゃないか」



 っと言ってもソファーの数が足りないので、僕とアヤメさん達がソファーに座らせて貰い、リッカさん達は後ろに待機してくれた。


 そして、高橋さん達が本当にコーヒーを淹れてくれたのを見て、少し笑いそうになってしまった。


 リラさんが<念話>で、この大臣の事を教えてくれた。


 どうやら、かなり評判の悪い人らしく、総理の秘書だなんて絶対にデマカセらしい。


 それなら、遠慮することもないかと思い、少し気分が楽になった。



「実際に見ると本当に若くて驚きだよ、それに女性達もテレビで見るよりも美しい」


「あの、僕に何の用があるんですか?」


「やれやれ、若いのにせっかちだね君は? それでは本題に入ろうじゃないか。


君は強運の持ち主だそうだね。いや、その若さでSSランクに上り詰めるほどだ、かなりなものと見受けられる。


おそらく君は、隠し部屋や宝箱を見つけるのが上手いのだろう?」



 はぁ~ 僕の見掛けで侮られるのは慣れてるけど、スキルオーブや魔法スクロールは、殆ど魔物からのドロップってのを知らないのだろうか。



「そこでだ。私は君がエリクサーの出品者だと思っている」


「なっ?」×アヤメ・リッカ達


「君は宝箱からエリクサーを発見したのだろう。


フフフ、君の様な少年がSSランクに成れるのは、そういう幸運でもない限り不可能だからね。


どうかね図星だろう?」



 僕はおろか、今この部屋にいる誰もが呆れかえって言葉がでなかった。



「はぁ~ 本郷さん。また特大の馬鹿を連れてきましたね?」


「なっ! なにを言うのだ、君は失礼じゃないかね?」


「す、すまん。私もまさか、こんな馬鹿な事を言うとは想像もできなかったのだ」


「本当だ! こいつは三日月君に会って何を言うのか、社長が聞いても全く答えなかったんだ勘弁してくれ」×松田隊長


「ヨウ様、今日は帰りましょう」


「待って下さい、リラさん。


でっ? 大馬鹿さんは、僕がエリクサーの出品者だとしたら、どうだって言うんです?」


「ぐぬぬ! なんと不遜な・・・まあ良いだろう。もちろん、何本か国に献上して欲しいのだ。


君も国に恩売っておいて損はないだろう。もちろん、これから私や総理も君の後ろ盾になろうじゃないか。


なにぶん、今君は世界一の冒険者なのだ。世界各国の要人から無理難題を言って来るかもしれない。


そうなったとき、我々が役に立つと思うのだがね」


「あはは、まさか、お金も払わないとは思いませんでしたね。本当に貴方の様な馬鹿が居るんですね、勉強になりましたよ」


「先程から我慢しておれば・・・君は目上の者に対して、口の利き方も知らんのかね?」


「あの~ エリクサーの出品者が出している表明も知らないんですか?


もし、僕が世界中にエリクサーの出品者を探してる者が日本の要人にいると言ったらどうなると思います?


きっと、エリクサーの出品者は二度とエリクサーを出品してくれなくなり、貴方は世界中から反感を買うでしょうね」


「そ、それは、君が黙っていてくれれば良いだけだろうが?」


「何故、僕が馬鹿を庇わなくちゃいけないんですか?


僕はこれでもSSランク冒険者ですからね、影響力もあると思うんですが?


貴方の馬鹿な発言により、世界中でエリクサーの救いを待っている人が絶望するでしょう。


これだけ言っても、馬鹿には理解できませんか?」


「う、煩い! 私の話を無下にした事を、後悔させてやる。


国家反逆罪・・・いや内乱罪だ! こいつはSSランクの立場を利用し、私を国家を陥れようとしている。


これは許し難き重罪だ! これは、未遂であったとしても執行される。決して逃がさんぞ。


わはは、残念だったな。私に不遜な態度をとった罰と思え♪」


「何を馬鹿な事を・・・」×本郷社長


「まあまあ、良いじゃ無いですか。でっ? 警察でも自衛隊でも呼んだらどうですか?


どうせ、馬鹿で老害なジジイ1人じゃ、何もできないでしょう?」


「ぐぬぬ! み、見ておれ、そんな口を利いていられるのは今のうちだけだ」



 顔も名前も知らない馬鹿なジジイは、必死になって電話をしている。


 今までどんな人生を歩んで来たら、こんな老害になるのだろうか。


 何故、人は権力を持ったら、こんな傲慢な奴がでてくるのだろうか。


 もうしばらく、この馬鹿が極まった老人を見ているとしようか。


 耳を澄ますとパトカーのサイレンが聞こえてくる、流石日本の警察は優秀だ。来るのが早い。



「み、三日月君・・・」×本郷社長


「大丈夫ですよ。たぶんね?」


「うわ~ いっぱい集まって来たわよ。一体、何台呼んだんだろうね」


「アヤメ? 一般人相手にメチャクチャしちゃ駄目だよ?」


「よく言うわ、ナギサも一般人を射殺しちゃ駄目よ?」


「ククッ! 馬鹿だよね~ 警察が何人居ても同じだよ」


「フフ~ リラ姉。両腕が良いかな、それとも両足かな?」


「フフ、殺してはいけませんよ、ノノ」


「あー、駄目ですよ皆さん。僕がやりますからね?」


「ブーブー」×アヤメ達


「あはは、アヤメさん達の方が可愛いですね♪」


「おいおいおい、本気かよ・・・」×松田隊長


「リ、リッカなんとか・・・って、お前達もなに戦闘態勢に入ってんだよ?」


「え~ だって、ヨウ君の敵は私達の敵なんだもの?」×リッカ


「うふふ、私達はもう組織に縛られていない、自由な冒険者ですからね」×マイ


「冒険者を舐めやがって、目にもの見せてやる」×アズサ


「うふふ、オークに比べたら楽なもんだわ」×キョウコ


「それって、オークキャッスルのことよね? 確かにそうだわ」×シノブ


「おーし! やったるぞー!」×ナナエ


「だから、僕のですからー、取っちゃ駄目ですー」


「あはははは♪」×アヤメ・リッカ達




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あちゃーこの狸 同落とし前つける気なんやろ、内閣総辞職かな
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