表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

244/302

第243話 たまには派遣冒険者も良いかもです 天満リラ編


 <リラ視点>



 ガチャ!



「この部屋で待機だ、大人しくしとけよ」×リーダー


「普通の人来い! 普通の人ー!」


「なにを以て、普通なんだよ?」


「メンドクサイ人じゃなかったら、それで良いわ」


「随分と敷居が低いな?」


「私はアナタと違って、現実を知ってるのよ?」


「世知辛いよな・・・」


「おっ! 来たみたいだぞ?」


「やたっ!」



 ガチャ!



「皆様大変お待たせ致しました。こちらが回復職希望の天満リラさんです」×受付嬢


「初めまして天満リラと申します、皆様宜しくお願い致します」


「「「「「はっ?」」」」」


「き、来た! 本当に美人でセクシーな女性・・・ってか、いやいや想像を遥かに超えてるだろ?」


「き、綺麗・・・こんな綺麗な女性って、本当に存在するんだ?」


「あ、あの、何か間違えていませんか?」


「うふふ、いいえ。気持ちは分かりますが、本当に回復職の冒険者ですよ。


私が身を以て確認致しましたから、間違いありません」×受付嬢


「す、すまない、俺がこのパーティのリーダーだ。今日は宜しくお願いします」×リーダー


「こちらこそ、宜しくお願い致します」


「今日は、上級ダンジョンの地下11階に行こうと思うんだが、それで良いだろうか?」


「はい、結構です! 回復魔法のタイミング等、希望がありましたら、お聞かせ願えますか?」


「ああ、分かった。時間が勿体ないから、歩きながらでも構わないか?」


「はい、大丈夫です」


「お、おい、リーダー! こんな美人に歩かせて良いのか? タクシー呼んだ方が良いんじゃないか?」


「フフ、お気遣いありがとうございます。ですが、徒歩で結構です」


「そ、そっか。いや、そ、それなら良いんだけどな」


「なにキョドってんのよ? まあ気持ちは分かるけどね・・・」


「笑顔ヤバい・・・」


「駄目だ・・・聞いてないし」


「ねえねえ、天満さんって絶対、都会の人だよね?」


「都会と言えば都会でしょうか、拠点は大阪にありますから」


「「「「「うはっ!」」」」」


「や、やっぱり大阪なんだ~ 関西弁じゃないから確信が持てなかったけど」


「大阪の冒険者って皆、天満さんみたいに美人なんですか?」


「フフ、ありがとうございます。それはどうでしょう?


私のパーティメンツは、私よりずっと綺麗な女性達ですから」


「ないないない、天満さんより綺麗な女性なんて想像つかないよ?」


「フフ、本当ですよ?」


「うはー、一回で良いから見てみたいよな~」


「お前ら、そんな事より打ち合わせの方が先だろ?」


「そ、そうね、あまりにも驚き過ぎて忘れちゃってたわ、流石リーダー♪」


「全く・・・すまないな、天満さん」


「フフ、いえ楽しませて、いただいておりますので」


「では、簡単に説明だけしておくが、魔物はオーガを予定している。


俺達のパーティでは、盾役が2人いるので、攻撃を受けた回数か合図を決めて回復して欲しいんだ。


オーガの攻撃は強力なので、盾で受けてもダメージを食らうんだ、そうだな3回受けたら<ヒール>してくれるとありがたい。


戦闘前にMPが枯渇しそうなら、声を掛けてくれたら良い。


分け前は6当分でお願いしたいが、不服なら交渉に応じよう」


「いえ、6当分で結構です。パーティ資金をストックしているなら、7当分でも構いませんよ?」


「ヒュ~ 美人だし、知的だし、セクシーだし、良識があって、思いやりまであるなんて完璧過ぎる♪」


「アンタは、黙ってなさいよ?」


「いや、嬉しい申し出だが、平等に6当分でいこうか?」


「分かりました」


「俺達は何度もオーガと戦闘しているので慣れている。天満さんは俺達が守るから安心して欲しい」


「それは頼もしいですね。ありがとうございます」


「天満さん。リーダーは既婚者ですからね、俺は独身ですから!」


「なんの話をしているんだ、お前は?」


「すみません天満さん。この馬鹿は無視してくれて良いですから」


「フフ、面白い方ですね♪」


「お、俺も独身ですからね?」


「私も独身ですー♪」


「アンタまで何言ってるのよ?」


「だって、天満さんなら女性でも良いかなって?」


「頭が痛くなってきた・・・天満さんごめんなさい。真面なのはリーダーと私だけみたいです」


「フフ、楽しそうなパーティで安心しました」


「馬鹿な事言ってないで、もうすぐだ。戦闘準備しとけよ?」


「「「「了解!」」」」



 フフ、本当に面白いパーティに当たりましたね。


 まずは、お手並み拝見といきましょうか。


 ダンジョンへ到着すると、クリスタルで地下11階へ進み最初のオーガに遭遇したようですね。


 都合の良い事に1体だけのようです。



「さあ、初戦だ気合入れて行くぞ」×リーダー


「おう、何時も通り盾が前後で挟むぞ」


「OK!」



 何回もオーガ戦をしていると、言ってただけの事はありますね。


 盾役が交互に入れ替わり熟練を思わせる戦闘で、徐々にオーガにダメージを重ねていき、危なげなく倒し切りましたか。


 リーダーの指摘も的確で、アタッカー役の彼女達も見事な連携ですね。



「フ~ 天満さん<ヒール>ありがとう。やっぱ、回復職が居ると違うわ~」


「全くだ! それに天満さんの<ヒール>は、回復量が多いね?」


「ありがとうございます。皆さんも連携の取れた良い戦闘でしたよ」×リラ


「ありがとう。天満さんから見て、何か気付いた事があったら遠慮なく言って欲しい」


「そうですね・・・では、僭越ながらオーガの弱点は首の後ろなのですが、戦闘中は狙い辛いと思います。


なので、もう1つの弱点である、脇腹を攻撃すると戦闘が楽になるかと」


「「「「「ええっ!」」」」」


「オーガって脇腹が弱点なの?」


「はい、特に武器を振り上げた時が、狙い目かと存じます」


「なるほど! よし、次の戦闘から試してみるぞ」


「「「「了解!」」」」



 次の戦闘が始まり、今日会ったばかりの私の助言を聞き入れてくれ、脇腹を集中的に攻撃し、先ほどの半分程の時間で戦闘が終了した。


 あまりに早く戦闘が終了したので皆、戸惑いの表情をしていたが直ぐに喜びの表情に変わっていった。



「驚いたな・・・何度も戦闘したオーガに、こんな弱点があったとは」


「おい、これなら盾1枚で行けるんじゃないか?」


「ふむ、試してみる価値はあるだろう、天満さんありがとう」


「いえ、皆さんの実力です」


「よし、良い感じだ、次行こうか」×リーダー


「それでしたら、あそこの林に2体のオーガがいますので、試すには丁度宜しいかと」


「うわ~ 天満さんって目が良いのね、私には見えないんだけど」


「・・・俺にも林は見えるがオーガは見えない、とりあえず行ってみよう」



 私の言う通り進んで行き、近づくにつれてオーガ2体が視認出来たようですね。



「うわ~ 本当にオーガが2体いた。凄いわ天満さん、凄い視力ね」


「・・・いや、あのオーガは、先ほどの位置からは完全に死角になっていた筈だ。何故分かったんだ?」


「フフ、女性に詮索するのは、野暮と言うものですよ?」


「・・・それは失礼した。忘れてくれ」


「さあ、行くぞ」


「「「「了解!」」」」



 皆はコツを掴んだようでオーガ2体に盾役が1人付き、少し時間は掛ったが無傷で倒し切ったようです。


 やはりリーダーだけではなく、他の皆さんも経験を積み重ねた冒険者なのが伺いしれますね。



「皆さん、お見事でした」


「ありがとう天満さん。先ほどから連戦なんだがMPは大丈夫かい?」×リーダー


「はい、MP枯渇するようであれば、報告するのは忘れてはいませんよ?」


「天満さんは、ひょっとして・・・いや間違いなく高ランクの冒険者ですよね?」


「フフ、別に隠している訳ではありませんが、自分から言う訳にも参りませんので御想像にお任せ致します」


「なるほど、重ね重ね失礼」


「いえ、お気になさらず」


「それよりも、ここからは3体以上のオーガが多くなるようです。念のためバフをお掛けしても宜しいですか?」


「えっ? バフって、ゲームのバフ?」


「はい、そうです」


「「「「「ええっ?」」」」」


「そ、そんなことも出来るの、天満さん?」


「フフ、とりあえず全員のステータス値を2倍に致します。一度体感なさいますか?」


「・・・それが本当なら、是非」


「分かりました」



 私は検証し把握した<強化魔法>を、皆さんに掛けていった。


 <鑑定>でステータス値を調べ、丁度2倍になるように調整していく。


 私の経験上、5倍ぐらいまでが限界でしょうか。


 それ以上になると、制御出来なくなる可能性が高いですね・・・



「うおお! マジで体が軽くなった・・・」


「うわわ! 剣が軽いよ、こんなに速く振れちゃう」


「こんな魔法、聞いたこともないんだが?」


「フフ、知っている事が全てではありませんし、見たことがあるものが全てではありません。世の中は広く深いものですよ?」



 ゾクッ!



「・・・天満さんが信じられないぐらい綺麗なのが、分かったような気がするよ?」


「褒めても何も出ませんよ?」


「バフだけでも十分さ」



 ステータスを2倍にした事で、動きに違和感があるみたいですが、徐々に慣れてきたのか戦闘スピードが格段に上がってきましたね。


 やはり、順応力の高い良いパーティの様です。



「皆さん、少し宜しいですか?」×リラ


「ああ、リラさんのお陰で、すこぶる順調だよ」×リーダー


「それは良かったです。ですが、支障ないのかと思いましたが、やはり痛めている所が動きを阻害しているようですね」


「まさか、それが分かるのか?」


「はい、盾役の2人は手首を、女性の2人は膝や足首、リーダーさんは首を痛めてますよね?」


「「「「「・・・・・・・」」」」」


「お前ら痛い所があれば、申告しろと言ってるだろ?」


「リーダーこそ、首を痛めてるって言ってるぞ?」


「あはは、凄いな~ 私の膝なんて殆ど分からない筈なのに?」


「フフ、思い切り戦闘出来るように、全て治してしまいましょう♪」


「「「「「えっ?」」」」」



 私は軽度ながら皆さんが痛めている個所を、丁寧に<ヒール>で治していった。



「・・・手首が痛くねえ、嘘だろ? 特級ポーションでも治らなかったんだが?」


「強力な攻撃を盾で受け続けていたため、慢性的な怪我になっていたのでしょう。


そういう痛みは回復ポーションでは治りにくいですから。


皆さん、我慢はあまり良くありませんよ?」


「・・・軽い頭痛があったんだがスッキリしたよ、首が悪かったんだな。


しかし、俺達の戦闘を少し見ただけなのに大したもんだ、ありがとうリラさん」×リーダー


「フフ、お礼には及びませんよ、皆さんには稼いで貰わないといけませんので」


「そろそろ、ステータス2倍にも慣れたでしょう、3倍に引き上げますね」


「「「「「うはーーー!」」」」」


「マ、マジで?」


「あはは、結構スパルタだったりして?」


「うふふ、頑張るしかないわね」



 怪我が治ったため本来のパフォーマンスを取り戻し、更にステータスを引き上げた事により、戦闘スピードが上がっていく。


 既に4体のオーガ相手にも苦戦することなく、倒せるようになってきたようです。



「ねーねー、リラさんって回復職がメインじゃないの?」


「お前何を言ってんだよ? こんな凄い回復魔法とバフ貰っといて不服でもあるのか?」


「不服なんてある訳ないでしょー! だって、回復職なのに杖とか装備してないんだもの。


普通なら最低限の自衛もあるから、護身用の杖とか装備してるじゃない?」


「フフ、なるほど。それは盲点でしたね」


「ま、まさか、本当に回復職がメインじゃないのか?」×リーダー


「はい、私はどちらかと言えば前衛でしょうか。アタッカーが多いですね」


「「「「「ええっ!」」」」」


「リラさんって、アタッカーだったの?」


「私の武器は刀ですから」


「そ、そんなのどこに・・・」



 私は<虚空界>から刀を取り出し、皆に見せて上げた。



「「「「「はああああああああっ?」」」」」


「こ、<虚空庫>?」


「冗談だろ? 俺、初めて見たぞ?」


「凄い、凄い、凄~い♪」


「・・・やはり、高ランクの冒険者だったみたいだな、想像してたよりかなり上だったが」


「えっ? ひょっとして俺達より強いのか?」


「馬鹿! 当たり前でしょ?」


「だ、だってよ、あんなに綺麗で細い腕なんだぞ?」


「見た目なんかで実力は計れないって事だ・・・」


「冒険者なのに、こんなに綺麗なんだもの、最初に気付くべきだったかもね?」


「フフ、誉めても何にもでませんよ?」


「なあ、参考になるか分からないが、少しだけ実力を見せてくれないだろうか?」


「お望みとあれば?」


「ああ、頼む」


「うわ~ 楽しみなんだけど?」



 一番近いオーガを探すと、群れと言っても良い10体のオーガがいた。



「うわ~ 多すぎるね・・・」


「フフ、半分程残しましょうか?」


「「「「「えっ?」」」」」


「た、倒せると言うのか、オーガが10体だぞ?」


「問題ありません! では見ていて下さい」


「えっ? ええっ! リーダー止めた方が良いんじゃない?」


「いや、見ていよう。彼女がオーガの強さを見誤るとは思えない」



 私は、散歩にでも行くかのように、巨大で恐ろしいオーガに近づいていく。


 やはり、オーガが様子見などする筈もなく、10体のオーガが一斉に襲い掛かってきましたね。


 フフ、こんな巨体から丸太の様な腕が振り下ろされたら、普通の者では恐怖を感じる事でしょう。



 シャキンッ!



「「「「「えっ!」」」」」



「な、なんだ、何が起こっている・・・あのオーガの攻撃を躱したのは分かる。


だが、リラさんの動きが見えない、な なんてスピードだ。


リラさんがオーガの脇を通り過ぎる度に、オーガの首が地面に転がっていく。


いつ刀を抜いた? どうやったらあんなに太いオーガの首を綺麗に切断出来るんだ・・・」


「分かりやすく配慮したつもりでしたが、見えましたか?」×リラ


「い、いや、全く見えなかった・・・気を遣わせた様で悪かった」


「おい、お前見えたか?」


「リーダーが見えないのに俺が見える訳ないだろ?」


「それは、すみませんでした。手加減は難しいですね・・・」


「ど、どれだけ強いのよ、リラさん?」


「フフ、私が強いなど、とんでも御座いません。私など何百人居ても勝てない強者が存在致しますから」


「「「「「うはーーー!」」」」」


「大阪って怖いとこだな・・・」


「それよりも、良い物がドロップしてますよ?」


「えっ? うわっ! スキルオーブじゃない?」


「「「「なにっ?」」」」


「マジでスキルオーブじゃないか、って事は<腕力強化>スキルか?」


「嘘だろ? それも2つドロップしてる・・・」


「「「「お~~~♪ えええっ?」」」」


「いや、待て! それはリラさんの物で良いだろう」


「それもそうだな・・・」


「ん~ 確かにリーダーの言う通りね」


「いえ、それでは最初の取り決めを違えることになりますので、6当分に致しましょう」


「・・・10体もいたオーガでは、俺達では倒せなかったのに良いのか?」


「はい、御遠慮なく」


「リラさん太っ腹~」


「うふふ、ありがとう、リラさん」


「フフ、皆さんが誠実で私も嬉しいですから」


「それではステータス4倍に致しましょう。それで、きっとオーガ10体にも勝てる様になるでしょう」


「「「「「はあああああああああああ?」」」」」


「フフ、稼ぎましょうか♪」


「「「「「うはーーー!」」」」」



 最終的にはステータスも5倍まで引き上げ、移動速度も上がったのでドンドンとオーガを殲滅していった。


 気付けばSPオーブも6つほどドロップしており、オーガ素材も各自が用意した鞄に入りきらなくなった。


 なので荷物は私が<虚空界>へ収納することにし、オーガを狩り尽くしていった。


 途中隠し部屋も発見したので、宝箱も手に入れ全員から歓喜の声が、心地良かったですね。


 もう、この階層にオーガが居なくなったのではないかと思うほど狩り尽くした頃、帰る時間になったようです。



「フゥ~ こんなにダンジョンを堪能したのは初めてだ。ありがとう、リラさん」×リーダー


「いえ、私も楽しませていただきました」


「ねーねー、リラさんのパーティって、全員リラさんぐらい強いのかな?」


「はい、リーダーは超越者と言っても過言ではありませんね。他の4人も、私と同等か、それ以上の実力者です」


「「「「「参りました!」」」」」


「フフ、ありがとうございました」




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ