サリアのレーヴェ神殿にて 4
「アドリアナ姫、お待たせして申し訳ございません。神官長は一般礼拝が終られましたらすぐこちらに」
「そうなのね」
どうして私が待たされなきゃいけないの? 私はサリアの王女なのよ、飛んできなさいよ、と心では思いながら、アドリアナは頷いた。
ここは我慢だ。
ここで、遅い!と癇癪を起こして、レーヴェ神殿の神官長の機嫌を損ねてはいけない。
神官長には、レーヴェ神様にアドリアナのことをよろしくお願いしてもらわなくては。
それにきっと、こんなとき、レティシアは、どうして私が待たされるのよ!と怒ったりしない。
いかにも、あの嫌味な従姉妹ならば、待ってるあいだに、神殿の御本を見せて頂いてもいいですか? なぞと言いそうだ。
では、もしかしたら、アドリアナもここで本をねだるべきなのか?
アドリアナは、本などどの本も変わらず眠くなるのだが、レティシアは何かと言うと本ばかり読んでいた。
フェリスとレティシアの号外のひとつに、本好きのレティシアをフェリスは気に入り、とあった。
フェリス様が本を好きな姫を愛でるのであれば、アドリアナも本くらい読まねば!
「何か神殿の本が読みたいわ。簡単なのがいい」
「は。どのような御本がよろしいでしょう?」
「……。そうね。レーヴェ神様の御本がいい。絵の多い本がいいわ」
「畏まりました。いくつかお持ち致します」
生真面目そうなレーヴェ神殿の神官が、一礼して下がる。
「アドリアナ様……、あのう、あまりこちらで過ごされますと、私どもが王妃様に叱られます」
侍女たちが躊躇いがちにアドリアナを諌める。
「どうして? 神殿にお参りに来るのがいけないなんて、お母様が変よ」
つんっとアドリアナは横を向いた。
お母様なんて嫌い。
フェリス様のお話をちっとも聞いて下さらない。
最初は、レティシアとの花嫁交換のお話、お母様とってもいいって言ってたのに。
輝くようなフェリス様にはレティシアよりアドリアナの方が似合うわ、て言ってくれてたのに。
何を言っても、フェリス様はいけません、しか言わなくなってしまった。
お父様にレティシアの代わりにディアナにお嫁に行きたいて言っても、アドリアナにはもっと似合いの貴公子が現れるさ、フェリス殿は気難しい方だ、やめておきなさい、と引きつった顔で言われた。
なんだかまるで、お父様もお母様も、フェリス様を怖れてでもいるみたい。
でもどうして? フェリス様はあんなにお優しい方なのに。
このあいだだって、悪い魔道師に攫われたアドリアナを物語の王子様のように助けに来てくださったのよ!
これが運命でなくて何だと言うの?
『レティシアの親族だから助けただけに一万カノッサ』
(from竜王陛下)
十五歳の愛犬が夏バテがひどくて食事がとれず、脱水が3週間続いて痩せ続け、突然の相棒の介護に追われながら書籍化作業してたら、パソコンまで壊れました! えーん! なので、今日は久々にスマホで書きました! 久々に小説書けて、更新できて嬉しいですー!





コミック三巻表紙❤
五歳で、竜コミック連載