おにぎりと姫君 6
「フェリス様はお義母様とはちょっと距離がありますが、いつもおそばに……心に、竜王陛下がいらっしゃるから、御心が強くあれたのなら嬉しいです」
(いやーむしろ、竜王陛下の貌には飽き飽きしてるだろ、毎日、鏡見ても同じ貌だし……)
「でも、内緒だけど、ホントは竜王陛下似てるの嬉しいって言ってらっしゃいました! フェリス様、ものすごーく竜王陛下お好きなのです……。いつも僕は至らない、物を知らない、と仰るのも、基準が普通の人ではなくて、竜王陛下と比べて至らない、とかなんだと思います……」
(孫なのにじじぃと競わなくていいと思うんだが……)
「競うというか、憧れというか道標? なのかなと……いろいろあって、フェリス様は、竜王陛下推しをおおっぴらに語られませんが……そこは致し方ありません。レーヴェ神殿の神官様とか、フェリス様を拝みそうなので、お義母様が何かと警戒されてしまうのも……ううう、やっぱり、やっぱり、わたし、おにぎり、お贈りしようと思います、精霊さん! 」
フェリス様がレティシアを抱いて飛翔してくれて、二人で竜の姿の竜王陛下の壮麗な天井絵を眺めてたんだけど、神官さんたちがフェリス様を仰ぐ貌が、竜王陛下にお祈りしてるときみたいな貌なんだよね……。
フェリス様はやっぱり存在自体が、ディアナの竜王家の伝説の証のような方で、……それは確かにマグダレーナ様も、苛々してしまうかもしれない……。
「もし、お、王太后様が、慣れないものが苦手で、食べて下さらなくても、王太后宮の誰か食いしん坊の方が食べてくださると嬉しいですが……」
何にもならないかもしれないけど、おにぎり握って、差し上げよう。
フェリス様もレティシアもあぶなくないですよ、怖くないですよ、お義母様を脅かしたりしませんよ、て祈りをこめて。
(大丈夫だ。もしマグダレーナが残したら、オレが行って、食っといてやる。……心配するな)
「精霊さん、ありがとうございます!」
(レティシアの手掛けるものには、きっと優しい魔法が宿ると思うぞ)
「ホントですか? じゃあ、ガレリアの王様やリリアの大司教様にも贈って、フェリス様やディアナへの悪な心を消滅させたいですね! ディアナの民に邪術をかけるなぞ許しがたいです! とはいえ、悪い人にはあげませんが」
でも、おにぎりには、優しい魔法はあると思う。
誰かを想って、握るときに。
食べてほしい人の顔を想いながら、作るときに。
フェリス様の優しさや嘘のないところを、王太后様にも少しは届けられるといいんだけど……。
『そんなに憧れてるなら普段の扱いも向上させてくれ』(fromレーヴェ神殿の御神体)
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本日は桃食べました!岡山の桃です!美味しかったです♪





コミック三巻表紙❤
五歳で、竜コミック連載