レティシアと白いごはん
「レティシア、これはサリアの料理? それとも……」
「フェリス様、これは日本の料理です!」
レティシアは、ほかほか湯気をたてる白いご飯を愛しく覗き込んだ。
ごはん! 久しぶりの和食のごはん! ああ、この喜びをいったい誰に伝えたらいいのか!
「なるほど、二ホンの……」
あ、いけない、フェリス様はいいけど、ロンや神殿の神官が不思議そうな顔をしてる。
でもたぶんみんな、変わった料理だな~、二ホンとはどこかサリアの一地方なのかな? 位で聞いてそう。
「これは、このまま食べるものなの?」
「このまま食べても美味しいし、いろいろ加工しても美味しいのです! フェリス様、まずは、一口食べてみてください!」
「そうだね」
わくわくとレティシアはスプーンですくって、白い御飯を口に運ぶ。
「美味しい……!」
もとの料理を知らないのに、レティシアのうまくもない説明だけで、ここまで原型に近づけてくれて、ラムゼイ料理長、厨房のみんなありがとう~と、感動する。
こちらに転生して以来、初めて口にする白い御飯、美味しいー!
これなら、フェリス様にも、自信を持って、お勧めできる!
「はい、フェリス様!」
ごはんをスプーンですくって、ドキドきしながら、フェリス様に差し出す。フェリス様は素直にそれを口に運ぶ。お口にあうといいんだけど……。
「うん、あたたかくて、美味しいね。あまり主張の強くない、優しい味だ」
フェリス様の初ごはん! お食い初め!(全然違う)
「そうなのです! 何にでもあいます! いいこなのです!」
フェリス様は全体にあまり濃いめのものを好む方ではないので、ごはんの控えめな味はお口にあうと思う! 嬉しい、美味しいって食べてくれて!
「ようございました。レティシア様、ゴハン、はこちらでご希望どおりでしたか? もっとかたいとか柔らかいとか、ご希望をよくお伺いするようにと、料理長が……」
「ちょうどいいです! レティシアは大感激してます! てラムゼイに伝えて!」
「そして、オニ、ギリの具となりそうな候補も御持ちしてるのですが……、リストにございました魚のほぐし身ですとか、青菜、鳥肉、豆なども……」
「わー! どれも美味しそう! 嬉しい! 鮭がある! 梅干しがないのは残念だけど……」
小皿に並べられた具の一覧を、レティシアは確認する。青菜や、白身魚に交じって、燦然と鮭の赤いほぐし身が輝く。
やはり、おにぎりといえば、レティシア(雪)的にはサケか梅が王道!
ディアナならではの御魚や具も、何があうか、いろいろ試してみよう……。
「これと一緒に食べるの?」
「いえ、フェリス様、おにぎりはこれらを具として中にいれて、このごはんを手で握るのです」
「にぎる? ロンが?」
生まれも育ちも王弟殿下なフェリス様的にはごく自然な発想……。
「わたしが!」
わくわくとレティシアが主張する。
「……レティシアが? ダメだよ。この食材は熱いから、火傷してしまうよ」
「しません、火傷! そんなに熱くないです!」
「でも、レティシアの手には十分熱いよ。そんなに危険な料理なの、おに、ぎりは?」
おに、ぎり、で切ると、鬼斬りとも聞こえるけど、そんな物騒な料理なわけない。
ただのおにぎり!
「まったく危険ではありません!」
大真面目にフェリス様が火傷を心配している。
どうなってるの、レティシアの手、フェリス様の中で、どれだけ儚い設定なの。
昨日は京都で関西作家女子会に参加してきました!
お話楽してくごはん美味しかったです♪
ROAD TO レティシアのおにぎり2(笑)
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