初恋の姫君は、竜の神殿にいる 50
「御二人の御姿は大変微笑ましくございましたが、聖堂に曲者も侵入したおり、レイにはもっとレティシア様をよくお守りするよう、言って聞かせねば」
愛し気に微笑みながら、サキが言う。
「ち、ちがうの、サキ。レイはとめたの。わたしが聞かなかったの」
レイもとめたし、皆には聞こえてないけど、精霊さんも止めてたわ。
フェリスはあのくらいなら大丈夫だからって。
でも、じっとしていられなかなかったの。
「レイを怒らないで、サキ。……私が、どうしてもフェリス様をお守りしなきゃって思って、無茶を……」
「坊ちゃまは、レティシア姫の安全を何よりお思いですよ」
「うん、フェリス様もそう言ってた。……でも心配じゃない? フェリス様お優しいから、他の人の安全は守ってくださるけど、すぐ自分のことは忘れちゃうのよ」
「……確かにフェリス様にはそういうところはおあり……、いえいえ、サキ様、レティシア姫もフェリス様も皆も無事で何よりでございましたね!」
レティシアの言葉に頷きかけたリタは、サキの咳払いに反応して、慌てて誤魔化す。
ねー。そういうとこあるよね、フェリス様って。でもサキは身内だから、余計にレイの御勤めには厳しくなってしまう気もするし……。
「ごめんなさい、サキ。もっとね、遠くからでも、フェリス様をお守りできるように、私、もっと、魔法上手になるね!」
「レティシア様……、坊ちゃまは、レティシア姫に守られるよりも、大切な姫様をお守りしたいかと……」
「うん、もちろん、フェリス様はいつも私を守ってくださるわ。……そして、私も、アリシア妃みたいに、立派なディアナの嫁として、フェリス様を護れるようになりたいの。いまはまだ何もできないけど、心配でじっとしていられなかったの……!」
レーヴェ神殿に飾られた、青空を舞う竜王陛下の背に乗るアリシア妃の天井画は、勇ましくも美しい。
宝石より、髪飾りより、ドレスより、輝く瞳のディアナの娘を、古の竜の神が愛したのも納得する。
竜王陛下とアリシア妃は、姿形も種族も寿命も、何もかもが違うのに、まるで一対のもののようだから。
レティシアもアリシア妃ほどの御力はなくても、ちょっとはフェリス様をお守りしたい!
「……レティシア姫は、たくさんの不思議な御力をお持ちですから、その御力でフェリス様を護ってくださることをサキは喜んでおりますが……、ですが、小さな尊い御身も大切にしてくださいませ。……レティシア姫の姿が見えなくなるたび、サキは心配で生きた心地がしません」
「はい、サキ。……気をつけます!」
サキが本当にレティシアを想ってくれてるのが伝わって来るから、叱られても、少しも嫌じゃなかった。
そして、小さな腕を伸ばして、サキの背中を抱きしめながら、わたし、不思議な御力はたくさん御持ちじゃないわ、サキ、ただの火事場の馬鹿力なの、と思っていた。
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