初恋の姫君は、竜の神殿にいる 46
「なあ、フェリス、レティシアが飛んできてくれて嬉しいのか、神殿での邪神騒ぎに機嫌が悪いのかどっちなんだ?」
「両方です。望外の幸福を両手に抱えつつ、不審に眉を潜めております」
背中に張り付かんばかりの御先祖の神様を、邪魔です、レーヴェと、手で払いつつ、フェリスは書き物机で書類の束を眺めていた。
「……普段の礼拝に関しても、僕たちの婚礼に向けても、警備の上で再確認する点が多そうだと」
「でも、婚礼の聖堂内の参列者は制限かけられても、普段の礼拝ってのは誰でも来ていいものなんだろう? 」
「他人事みたいに言ってますけど、日々、あなたに感謝を捧げる礼拝ですよ」
はあ、と御先祖似の美貌でフェリスは溜息をつく。
「うーん。オレ、拝まれるの苦手なんだよなあ……。とはいえ、おまえ怪しそうだから礼拝参加すんなは、じゃ、何の為の祈りなんだってなるよなー」
「ある程度、不安定な時期だから、と制限はかけられると思いますが……、今回は、ディアナの普通の者に魔術的な暗示をかけられていたようなので、それだと防ぐのがとても難しいなと……」
フェリスは、邪神よ! と叫んでいた男達の中を少し探ったが、ごく普通のディアナの街の男であり、リリア教に帰依しているわけでも、レーヴェを憎んでいるわけでもなかった。ではなぜこの男たちは? と不思議がっていたら、愛しのレティシアがあらわれた。
「オレの神殿内で、オレを邪神扱いするってのは、フェリスや神官どもの防御魔法がなくても大変そうな気がするんだが……、かなり強い暗示をうけてたんだろうな」
ふう、とレーヴェも長い黒髪をかきあげる。
「……レーヴェ神殿には、レーヴェの結界的なものもはられてるのですか?」
同じ貌だが、子供の貌で、フェリスがレーヴェを見上げた。
「いや、オレ本人が結界はってるっていうより、ここには千年に渡るディアナの皆の思いが込められてるから、そういうものも、オレの子らを守る、守りの力になる」
「しょっちゅう神殿に不在の気楽な主より、レーヴェを慕うみなの思いが神殿の守りの力に……」
「微妙に意地悪な言い方するなよっ」
納得して頷いているフェリスの頭をレーヴェが小突く。
「このようなことをして、場所もあろうにこのディアナで、本当にレーヴェを邪神に堕とせるとでも思ってらっしゃるんでしょうか、ヴォイド王は?」
「ディアナの人心の不安を高めたいんじゃないのか? ……もっともオレの可愛い娘レティシアのおかげで、ヴォイドのもくろみは常に台無しだと思うが」
ふふっと笑うディアナの守護神の前で、ぱあっとフェリスの頬が赤くなる。
昨日、今年、初めてのすいか頂きました!
季節はいちごからすいかへ……!
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王太后によって謹慎されたフェリスとレティシアの運命やいかに…!回です。ぜひ読んで下さい!
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五歳で、竜コミック連載