初恋の姫君は、竜の神殿にいる 24
「……レティシア!」
「……フェリス……さ、ま……」
慣れた優しい腕が、レティシアを抱きしめている。
あああー、おっきいフェリス様だー!
「レティシア様が……!」
「レティシア様がお戻りに……!」
リタとサキの涙声が聞こえる。
「レティシア、何処か痛いところは? 気分は?」
「どこも……いたくないです……元気です! 元気いっぱいです!」
ちょっとふわふわしてたけど、皆が心配してる、と思って、慌てて、元気を示そうと、レティシアは金髪をふった。
「わたし……?」
「レティシア様は、フェリス様の神官服をお纏いになると、姿がかき消えてしまわれて……」
「また悪い何者かが、レティシア様を攫ったのかと……フェリス様をお呼びして………」
「レティシア、怖い思いをさせた?」
サキとリタが涙ぐんでるし、フェリス様の表情も憂いを帯びている。
「いいえ、何も……小さなフェリス様にお逢いしました! ……この、お洋服を着ていたころの……、レーヴェ神殿で……小さいフェリス様、迷子なら、僕が案内しようって……とっても可愛くて、お優しかったです……!」
そして、寂しそうでした。
大きいフェリス様のもとに帰りたかったけど、あの小さいフェリス様のもとにいて、居場所がなくなんかありませんっ、みんなフェリス様が大好きですっ、てお教えしたかった……。
「小さい僕……? 僕からレティシアを隠そうとしてたのは、僕の魔力なのか……、それでは、危うく自分を引き裂くところだったのか……」
「だめっ。ダメダメ、引き裂いちゃだめですっ、国宝をっ」
「こくほう?」
ん? と小首を傾げる大人のフェリス様も、小さいフェリス様とおなじく、やっぱり可愛い!
「可愛すぎて、もはや国宝の域でした、フェリス様! さすが、我が推しフェリス様ですっ!」
「……レティシア……、子供の僕は、いまより、態度が悪かったのでは……?」
フェリス様も侍女たちも、何だか安心したように微笑んだ。
「いえ? とてもお優しかったです。小さな騎士様のようでした。ちいさなフェリス様は、わたしを知らないのに、私を守ってくださろうと……、フェリス様は、小さくても、やっぱりフェリス様でした!」
みんなに心配かけたから、神妙にしていなくては、と思うのに、小さいフェリス様を思い出すと、ちょっとはしゃいでしまう。
「そうか。小さい僕も、レティシアには弱いんだね。……我ながら正直だな……」
フェリス様が何か納得しているけど、レティシアには弱いというか、神殿の迷子を放っとけなかったんだと思うわ、そんなところもとっても我が推しフェリス様……。
「ちびのフェリスもレティシアには甘い(笑)」(from竜王陛下)
五巻&三巻発売しました! 本をお迎え頂いてる方々、ありがとうございます!
各種、電子書店のランキングなども入れて頂いてありがとうございます!
はーやっと五巻でたーと一年ぶりに放心していて、更新遅くなりました!





コミック三巻表紙❤
五歳で、竜コミック連載