表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ラノベで学べる創作混じりの世界史  作者: 曽我二十六
偉大なる帝国の建国物語
16/16

補習授業

 私が去った後のバビロニアの歴史は、ネブガドネザルの息子の代で婿に王位を簒奪され、更にクーデターで王朝が変わり、宗教政策を転換したことによる内部対立で王はバビロンに留まらず、オピスの戦いで敗北した後にユーフラテス川沿いに防衛線を築こうとするも、祝祭中で敵が来ることなど想定しておらず防衛隊のいなかった首都バビロンはペルシアの別動隊を前に投降し、1ヶ月の後にキュロスが入城したとされる。その後バビロニアはペルシアに何度か抵抗を試みるも、その都度破壊され、再び荒れつつあると聞く。

 「そのバビロンを我が物にしたい」

 アレクサンドロス少年はそう言って、続けて

 「東の異邦人よ、私にバビロンを見せてくれ」

 かの大王に擦り寄っておいて悪いことは無いだろう。私はこれを快諾し、マケドニアの『お雇い外国人』になった。

 「まずは都市について教えてほしい」

 そうして私はバビロンの全貌を話した。既に建設から1000年経っていたバビロンの川底トンネルや、対メディアの100km長城、豪華絢爛なる城壁のこと。

 その話をしていると、中年のおじさんが現れた。皆が先生と呼んでいるあたり、アリストテレスであろうか。

 「珍しい話ですねえ、私にも聞かせてくれまいか」

 眼前にいるのは、後にカエサルやナポレオンに崇敬されることになる大王、そして万学の祖。その2人を前にして何故私は教える側に回っているのだろうか。一通りバビロニアの歴史を説明し終わった後、行く当てのない私は暫くここに居候させてもらうことにした。

 その夜、バビロンの歴史を調べてみると、私が見たものとは違う歴史が記されていた。空中庭園がバビロンに築かれたことになっている。他にも誤植が多く、謎が深まるばかりだ。そうなれば私が目指す先もやはり、秘密の眠るバビロンである。尤も、金丹(不老不死の薬)を飲ませたニトクリスが美子捜しをどこまで頑張ってくれているか、それを見に行くという目的もあるのだが。

 「史書では貴殿の話と違うのだよ」

 「私もバビロンに行ってみたいものだ」

 アリストテレスはそう言ったが、史実では結局の所行けていない。何だか不憫に思えたので、私は現代技術・デジカメとプリンター、そして携帯発電機を持ち出して、バビロンで撮った写真を数十枚程度プリントアウトしてあげた。やはり時空転移セットは役に立つ。これで携帯インクが無くなったので、今度のタイムトラベルまでに補充しておかねばならない。あと、出来れば携帯発電機の発電効率をグレードアップしたい。

 彼は歓喜するや否や、プリンターやデジカメの構造が気になるようであった。しかし21世紀の技術を紀元前に置いていくのは流石に気が引ける。そこで辞書で調べた簡易的な銀板写真を教えてあげた。結局一緒な気もするが。するとこのおじさんは電子辞書にも興味を示してきたので、それはまた今度ということにした。

 「これがバビロンの街並みか…思っていたよりも綺麗だな…」

 プリンターのインクが切れていなければもっと用意できたのだが。そう思いながらも一日が終わる。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ