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BC346, Pera
次に目を覚ますと、そこは草原であった。バビロニアよりも空の色が薄く感じる。隣にあるのは農園であろうか。そんな事を考えながら散策していると、この農園の持ち主らしい人物がやってきた。
「私はこの地を治める貴族荘園主のラゴスだ。見慣れぬ服装だな」
「そしてここは私の農園なのだが」
転移早々不法侵入者扱いか。まあ間違いではないのだが。
すると連れ添っていた少年が声を掛けてきた。
「貴方はどこの人?」
「西の人?東の人?」
東の果てからやってきた、そう答えると、
「ペルシアよりも東にある最果ての地といえば、セリカかい?」
今度の電子辞書はグレードアップしてある。眼鏡型だ。すぐに検索できる。セリカ。華北地域のことらしい。
「セリカよりも更に東かな」
割と正直に答えたのだが、そのことが大きな契機となるとは思わなかった。
「シナエよりは東なの?」
シナエ。江南のことらしい。
「シナエよりも東よ」
すると少年は私の手を引いて走り出した。抗う術もなく、私は連れられていった。
「私はプトレマイオス、貴方は?」
そう訊かれて名前を答えるというような、ランニング自己紹介であった。
セリカとシナエ、そして日本の位置関係をやけに詳しく訊かれるかと思いつつ走っていた。着いてみると、その答えが分かった。




