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異世界に転生者は不要   作者: 赤崎巧
2章 各領地への遠征開始
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79.毒虫の村

 毒虫の繁殖、毒消しが作りにくい地下空洞では致命的な状況とも言える。発生原因は不明だが、坑道ゆえなのかそれとも、何かのゆがみの影響なのか。


「やれやれ、休めんわな」


「他の村まで及ぶ前に片付けんと」


 ドワーフ中ではなにか約束があるのか、酒場にいるドワーフ達は各々武器を持って席を立ち上がっている。どうやらほとんどのドワーフが村の救援に赴くようだ。


「お主はどうする。 ドワーフでもない以上、坑道の掟なぞしらんじゃろ。 ここで待っとるか?」


 フルガネ達も赴くようだが、ドワーフではない私達はここで待っていても問題なようだ。しかしそれは余りにも都合が良すぎる。坑道を利用させてもらっているのに、手を貸さないのは不義理だ。


「坑道を利用させてもらっているんです。 治癒と解毒魔法が使えるのでお手伝いしますよ。 それで何が起こったんですか?」


「大した事じゃないわい。 坑道で害虫や害獣、崩落があったらドワーフ達は助け合うのが慣わしなんじゃよ」


 坑道が広く、危険が多いゆえの慣わしだろうか。坑道を通らせてもらう以上手伝いはするが、毒虫とは危険そうだ。

 急いで食事を済ませ、念のためメアリにもショートソードを持たせるが、正直何の武器を得意としているのかいまだに知らない。ろくに喋らないから仕方ないのだが、身の安全くらいは確保して欲しい。

 

「それで、カムルの村はここからどれくらいなのですか?」


「歩いて半日くらいだな。 問題は毒虫のキングがいた時だが、ありゃタフで大変だ」


「ぐたぐた言うとらんで急ぐぞ!」


 他のドワーフ達はすでに村を出る準備を整え、随時救援に向っているようだ。



 カムルの村に着くと、そこら中にムカデのような毒虫たちが見える。一匹辺り体長1m、太さは直径15センチくらいだろうか。


「噛まれると毒が回るぞ! 体液も飲まないように気をつけろ!!」


 そこら中でドワーフ達が毒虫を叩き潰し、駆除している様子が見えるのだが、やはりある程度は毒を受けたのか、比較的安全が確保された場所では、薬を飲んだり体を休めている姿も見える。毒に対して強いドワーフとはいえ、やはり体が辛くないといえば嘘になる。


「ワシらは駆除に行くぞ! お主らはここで治療に手伝いをしとれ!」


 フルガネ・マカス・アグルは害虫駆除に赴いた。

 こちらは怪我人が集まっている場所、怪我人の手当てに向う。


「いま、毒を抜きますので」


「おぅ。 治癒術士か、頼む」


 特に体調が悪そうなドワーフの前に

 数箇所噛まれている。毒もかなり回っていそうだが、ドワーフ故に軽症で済んでいるのだろう。人間なら命に影響がありそうだ。


「清浄なる水の精霊ウィンディーネ。 身を蝕む水に苦しむ者から救い給え《ピュリフィケイション》」


 体内から毒液が抜かれ、顔色や体色が徐々に良くなっていく。対して強い毒ではないようだが、それでも負担である事には違いは無い。噛まれた傷には傷薬を塗りこみ、程度が軽ければもっていた薬を飲ませ安静にさせる。

 5人ほど治療を施した後、大きな騒ぎが離れた場所で起こった。


「キングがいるぞ!」


 大声の方向を見ると体長8m、太さは50センチはありそうな巨大なムカデが姿を現した。


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