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異世界に転生者は不要   作者: 赤崎巧
2章 各領地への遠征開始
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52.武器のさらなる強化、そして次の気配

 ギルドに赴き、討伐証明の提出と共にアースドラゴンの売却を打診。

 アースドラゴンの竜燐と牙の一部と竜骨、そして魔石を受け取り、残りを全て素材として売り払った結果、約1億3000万ほどの報酬が手に入った。

 長い事騎士団以外の討伐で素材が流れて来なかったため価格が高騰していたようだ。

 その報酬金も、今後の屋敷を維持するために使われるため、個人的取り分はほとんどないのだが。その足で機構士の元に赴き、ブレーカーガントレットの予備部品による修理と新造品の依頼を出す。


「それではもっと大型化を考えていると言う事ですか?」


「片手に装着するのではなく、両手持ちに変更し威力は4倍以上、大型化は両手で持てる限りなら形状にも重さにも注文はない」


「ダンジョンの壁でも壊すつもりですか? とりあえず再設計して作ってみますが、そこまで威力を挙げられるかどうかは」


「全てを威力に尖らせて開発して欲しい。 それ以外は何も必要はない」


 何度も接近したり攻撃を繰り返していては、手が読まれてしまう。たった一度のチャンスに最大の一撃を、人の身で人以上の存在を狩るには油断を利用するのが最善だ。


「分かりました。 予算はかなり掛かると思いますが」


「1500万先払いしておく。 かならず作り上げてくれ」


 先に支払いを済ませ、一通り買い物を済ませて屋敷に戻ると、門の前には4名の兵士が警邏しており、しっかりと屋敷を護っているようだ。

 敬礼と共に門が開かれ、庭に入るとラクシャ達が訓練をしていた。こちらに気付くと武器を収める。


「その様子だとアースドラゴンは狩れたようだね」


「ということは今日は宴会だな! 料理番に話し付けて来るぜ!!」


 リヒトは走り出すと屋敷の炊事場に向っていった。料理より酒代のほうがかかりそうな気もするが、そこは鬼人族故の事で止める気もしない。


「ラクシャ、武器と義手を調整したいから、後で貸してくれないか」


「あぁ、 それなら今渡しておくよ」


 渡された岩断ちの大鉈と義手、これに竜の素材を使ってさらに強化する。純粋に武器として強度と切れ味を、そして非常時に備えて魔石を使う。

 用意してくれていた加工部屋に移動し素材を取り出し、鍛冶魔法を唱え、空中に大鉈と素材を浮かび上がらせる。

 ちゃんとメンテナンスをしていたようで、状態はかなりいい。しかし砥がれた事で質量は若干減っており、芯にまで達してはいないものの、微細な歪みや刃の欠けなどがある。

 まず魔石を分離し、次に全体的に火を入れ直して溶かし、新たな素材を溶かし混ぜ合わせ、まずは材料に戻した。

 そしてアースドラゴンの竜骨を骨同士で研ぎ上げて芯の形を整形し、牙が深く肉を抉るように、そして互いの強度を補うよう逆アーチ型に配置。

 その上から溶かした合金で覆い形を再成形、大きく形こそ変わっていないが、刃部分に竜の牙が現れ逆アーチだがのこぎり鉈のようにも見える。

 刃が喰い込んだ状態で力を込めれば、竜の牙が鱗や皮、それらが肉を引き裂き骨まで削り取る、断ち切る武器ではなく対象の命を抉り削る取るための武器。

 最後にアースドラゴンの魔石を溶け込むように合成し、付与をしたのち鑑定を行う。


タイプ 竜の大鋸鉈

付与 強靭・耐久・鋭利・修復

状態 新造品

特性 地竜の力を秘めた付加魔法剣。

委細 魔石を持つ付与の特殊魔法剣。短時間であれば竜の力を身に宿し身体能力を増幅が可能。


 何かあった時、少なくともラクシャなら、転移者が与えた妙な武具を持つ相手でも、竜の力を解放すれば対応できるはず。転移者が関与した相手の時のみ、竜の力が発動するよう付与の魔方陣を引きなおし、発動条件を書き加えて終了とする。

 最後にオーガの魔石を義手に付加しなおす。


タイプ ガントレット型義手

付与 耐久・強固・硬質化

状態 良好

特性 筋力・毒耐性・魔法耐性を大幅に増幅させる。

委細 付与の特殊武具


 これで一応の調整は終わり、条件付けでも余り武器を託したくはないが、どうも胸騒ぎがしてならない。非常に面倒で厄介ごとが近付いている気が、それも私自身が対処できない状態に陥る気がする。

 その日、貴族らしい面倒な食事は行わず、冒険者らしい環境で食事が振舞われ随分気楽に食事を終えることが出来た。

 どうもサーシャとラクシャの希望らしく、客が来ない限りは。気楽に食事を行うそうだ。たしかに貴族の堅苦しい作法で食べるよりも、信頼できる仲間と、それなりのマナーで食べた方が美味しく楽しく食べられる。

 デザートの果実を食べているとき、エルとリーアナは途中で手を止め、二人で同じ方向を見つめた。


「今、西からこの世界の魂ではない強い気配があった。 きっと何かとんでもない事をしようとしてる」


「とてもいやな感じです」


 転移者の気配、地図を取り出すとテーブルに広げる。


「どの辺りから感じたか地図で分かるか?」


 エルとリーアナが示したのは、オーディン王国の西にある 獣人王国ワイルドビート だった。

新しく

異世界を戦車として進む

https://ncode.syosetu.com/n6870fl/

も書き始めました。

宜しければこちらも御覧下さい。

こちらは書き方や設定が全く異なりますのでその点はご注意ください。

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