11 お呼びじゃないんだ前世の記憶よ
「よし、っと!」
「わあ……っ」
第四の裏庭に転移したら、なんか横でベルちゃんが嬉しそうな声を出した。
「……んと、どうかした?」
「あ、いえ!……ただ、転移ってこんな感じなんだなあ、って……」
「ああ、なるほどね」
私はベルちゃんの、キラキラした目のまま返された答えに納得した。
……うん。
転移を初めて体験した時の感動って凄いのだ。
視界に映る景色が、こう、一瞬で変わるというより、フェードアウトとフェードインが同時に起こるみたいな感じなので、本当に、気付いたらそこにいた、みたいな気分になるというか。
ベルちゃんに魔力酔いと拒否反応がないのを確認して歩き出す。
ついてきて、と手で合図して少し後で、私の横にベルちゃんが並んだ。
「……うん?いや、ちょっと待って?」
「はい?」
ただ納得しかけておいてなんだけど、ここで過去の記憶が一時停止ボタンを押した。
私が立ち止まり、並んで歩いていたベルちゃんが少し遅れて止まり、こちらをぽかんとしながら振り向く。
「君、転移したことないの?」
「……?あ、いえ違うんです。転移したことはあるんですけど、魔力が足りなかったせいか、その場で昏倒したみたいで……」
「……あー……」
そうかそうか、と納得。
思い出したがそういえばこの子、魔力が少ないんだった。
……あ、私基準じゃなくてこの世界基準ね?
「ならもっとちゃんとしたとこに連れて行ってあげたかったなあ……」
「……ちゃんとしたところ、ですか?」
「うん……」
ゆっくり歩きだしながら疑問符を浮かべるベルちゃんを向いた。
「だって、せっかく見るなら綺麗な景色の方が良くない?」
「……そうですかね……?」
「うーん……?」
あんまり納得はしてない様子のベルちゃんを見て苦笑しながら、あーこんなこと前世にもあった気が、と思い出した。
やばいやばい、記憶の荒波が襲ってくる。
記憶思い出した後はほっこりすることが多いんだけど、でもその間、滅茶苦茶に頭が疲れるんだよなあ、本当。
「……まあ、いいや。私仕事が溜まってるからすぐに抜けるけど、ステラとちゃんと仲直りするんだよ」
「……っ、はい」
不思議そうに首を傾げていたベルちゃんだったが、第四の裏口の扉を開ける私を見てか真面目な顔になった。
……まあ、なるようになれい。
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